

先生、通知表が5教科オール5でした!今日だけは答案を額に入れて飾ってもいいですか?

額より先に、まずは思い切り喜ぼう!5教科すべて5は、本当に立派な成果だよ。

では額は保留にして、家の廊下をレッドカーペットにします!

そっちのほうが大がかりだよ(笑)。せっかくの5を次にもつなげられるよう、取れた理由と次の一手を整理しよう!
【今回の真実】
5教科オール5は、主要5教科の評定が25点満点という胸を張ってよい成果です。ただし9教科オール5とは別物。喜んだあとに「なぜ取れたか」を教科ごとの行動に戻すと、次も崩れにくくなります。入試では実技4教科も忘れずに見ましょう。
①5教科オール5は25点満点!胸を張っていい
②5教科オール5と9教科オール5は別物
③評定5はテストの点数だけでは決まらない
④「取れた理由」を5教科別に残そう
⑤オール5を崩しにくくする3つの習慣
⑥次の目標は一つだけ選べばいい
①5教科オール5は25点満点!胸を張っていい

ここでいう5教科とは、国語・数学・英語・理科・社会の主要5教科です。
この5教科すべての評定が5なら、合計は25点満点になります。
文部科学省は、中学校の評定5を、教科の目標に照らして「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」状況としています。
つまり、単に平均より少し上という数字ではありません。
5教科オール5は、主要5教科すべてで最上位の評価段階に届いた、しっかり喜んでよい成果です。
ただし、「学年で何人に一人」「偏差値ならいくつ」とまでは、この評定だけで決まりません。
評定は教科の目標への到達状況、偏差値は同じ模試を受けた集団の中での位置を表すもので、測っているものが違うからです。
まずは数字を分析する前に、本人が積み重ねた授業、課題、テストへの取り組みを家族で認めてあげてください。
高い目標を達成した直後まで「次は?」と急かされると、せっかくの達成感がしぼんでしまいます。
最初の一言は「すごいね。よく頑張ったね」で十分です。
②5教科オール5と9教科オール5は別物

「オール5」とだけ聞くと、通知表の全教科が5だと思われることがあります。
でも、5教科オール5は主要5教科がすべて5という意味で、音楽・美術・保健体育・技術・家庭まで含む9教科オール5とは範囲が違います。
主要5教科の合計は25点満点です。
9教科すべてを単純に足した素内申なら45点満点なので、言葉を分けておくと進路の話で混乱しません。
高校入試を考えるなら、5教科の25点だけではなく、住んでいる地域の調査書点が9教科をどう扱うかまで確認しましょう。
たとえば令和8年度の東京都立高校入試では、5教科で学力検査をする場合、主要5教科の評定は1倍、実技4教科の評定は2倍にして調査書点を計算します。
これは東京都の一例で、全国共通の計算ではありません。
つまり、5教科オール5は立派ですが、受験で「もう内申対策は終わり」とは限らないわけです。
実技教科に4や3があるなら、次の目標は9教科すべてを一気に上げることではなく、まず一教科の評価材料を確かめることです。
5教科の成果を喜ぶことと、実技4教科も大切にすることは両立できます。
③評定5はテストの点数だけでは決まらない

定期テストで高得点を取ることは、もちろん大切です。
ただし、「90点なら必ず5」「100点を取れば5確定」という全国共通の線はありません。
中学校の学習評価は、次の3観点で整理されています。
●知識・技能
●思考・判断・表現
●主体的に学習に取り組む態度
評定5は、テスト一回の点数ではなく、その教科で示した学習状況を3観点から見て総括した数字です。
知識を答える問題だけでなく、理由を書く記述、レポート、発表、学習を振り返って改善する取り組みなども、教科や学校が定めた方法に応じて評価材料になります。
そして、観点別評価を最終的な評定へまとめる具体的な方法は、各学校が定めます。
ネットで見つけた「A・A・Bなら5」といった表が、自分の学校にも当てはまるとは限りません。
正確な基準を知りたいときは、自校の評価資料と通知表の観点別評価を見るのが先です。
これは少し面倒に見えますが、悪い話ではありません。
点数だけをさらに上げようと苦しむのではなく、記述の根拠や振り返り方など、別の改善場所を見つけられるからです。
④「取れた理由」を5教科別に残そう

5教科オール5を取ったあと、多くの生徒がやりがちなのが、「次も同じくらい頑張る!」だけで終わらせることです。
気持ちは素晴らしいのですが、これでは何を再現すればよいか分かりません。
私が多くの生徒を見てきて感じるのは、成績の安定している子ほど、5教科を全部同じ方法では勉強していないということです。
英語では教科書本文を声に出す、数学では間違えた問題を翌日に解き直す、社会では用語だけでなく理由まで説明する、というように動作が違います。
残すべきなのは「頑張った」という感想ではなく、次回も実行できる小さな動作です。
●今回、点数や評価につながったと思う行動
●返却物で先生から評価された部分
●次回も続ける一つの動作
●崩れそうだった時期と、その理由
たとえば「理科を頑張った」では、次に何をすればよいか曖昧です。
「学校ワークで間違えた計算問題だけ、翌日に答えを見ずに解いた」まで具体化すれば、そのまま再現できます。
5教科それぞれ一行ずつでよいので、通知表と一緒に成功記録を残しましょう。
先生へ聞くなら、「なぜ5だったのですか?」だけでなく、「今回、特に評価された観点と課題はどれですか?」と聞くと、行動へ戻しやすくなります。
⑤オール5を崩しにくくする3つの習慣

5教科オール5を維持しようとして、5教科すべての勉強時間を一律に増やす必要はありません。
今までできていたことまで変えると、かえってバランスが崩れることがあります。
1.学校の評価予定を先に入れる
定期テストの日だけでなく、小テスト、提出期限、発表、レポートなどを予定表へ入れます。
評定は複数の材料から決まるため、テスト以外の評価機会をうっかり落とさない工夫が必要です。
2.解き直しは翌日にもう一度する
丸付け直後は、解説を読んだ記憶で解けてしまいます。
翌日、答えを閉じてもう一度できれば、自分の力に変わったかを確かめられます。
3.週に一度だけ5教科を点検する
毎日すべてを完璧に管理しようとすると疲れます。
週末に、遅れた教科、理解が曖昧な単元、次週の提出物だけを見て、翌週の配分を直しましょう。
予定を先に見る、翌日に解き直す、週に一度配分を直す。この3つなら、教科が変わっても続けられます。
大事なのは、勉強時間の長さを守ることより、成果につながった動作を守ることです。
部活や学校行事で忙しい週は、全部を同じ量だけやろうとせず、締め切りと弱点の近いものから順番をつけてください。
好調な教科は今の型を守り、新しい時間は崩れかけた一教科へ回すのが基本です。
⑥次の目標は一つだけ選べばいい

5教科オール5を取ると、次は9教科オール5、定期テスト満点、模試の偏差値アップと、目標を増やしたくなります。
でも、全部を同時に始める必要はありません。
進路に合わせて、次の一つを選びましょう。
●高校入試の内申を重視するなら、実技4教科のうち5に近い一教科
●入試本番の学力を伸ばすなら、模試で弱かった一教科・一単元
●今の5を安定させるなら、成功記録に残した動作の継続
「5教科オール5の次は、もっと全部頑張る」ではなく、「次に伸ばす一か所を決める」で十分です。
保護者の方は、次の目標を先に決めるより、「今回、何がうまくいったと思う?」と本人に聞いてみてください。
自分で成功の理由を言葉にできると、先生や親に管理されなくても再現しやすくなります。
もちろん、次の学期に一つ4がついたからといって、今までの努力が消えるわけではありません。
評価材料を見て、どの観点が変わったかを確認すれば、直す場所は見つけられます。
5教科オール5はゴールであると同時に、自分に合う勉強の型を見つける最高の資料です。
まずは今日、5教科それぞれの「続ける一動作」を一行だけ書いてみてください。
額に入れて飾るなら、そのメモも一緒にどうぞ(笑)。




5教科オール5:国語・数学・英語・理科・社会がすべて5で、合計25点
9教科オール5:主要5教科と実技4教科がすべて5で、合計45点