

テストが40点だったので、成績2の予約は完了でしょうか。キャンセルボタンはありますか?

まだ予約されていないよ(笑)。中学の成績は、テスト1回の点数だけでは決まらないんだ。

では、提出物を全部出せば自動的に3へアップデートされますか?

それも自動ではないね。通知表の3観点と評価された材料を順番に見ると、2になった本当の理由が分かるよ。
【今回の真実】
中学で成績2がつく全国共通の点数基準はありません。2は教科の目標に対して「努力を要する」状況です。点数の目安を探すより、通知表の3観点と自校の評価材料から2の理由を逆算しましょう。一つずつ確かめれば、次の一手は見つかります。
①成績2がつく基準は「努力を要する」状況
②成績2の基準で誤解しやすい4つのこと
③通知表の3観点から2の理由を逆算する
④同じ点数でも教科によって見る材料は違う
⑤2と3の境目は一枚メモで確かめよう
①成績2がつく基準は「努力を要する」状況

まず、いちばん知りたい答えからお伝えします。
文部科学省の中学校用指導要録では、必修教科の評定2は、教科の目標に照らして「努力を要する」状況とされています。
通知表に2があると、「自分はこの教科ができないんだ」と思ってしまいますよね。
でも、ここで自分の能力全体へ話を広げる必要はありません。
評定3は「おおむね満足できる」状況、評定1は「一層努力を要する」状況です。
ですから、2は何もできないという判定ではなく、3の水準へ届いていない学習内容があるというサインです。
そして、全国の中学校に共通する「定期テストが何点以下なら2」という線はありません。
評定は各教科の学習状況を総括したもので、具体的な決定方法は各学校が定めます。
ネット上では「30点台なら2」「達成度が20%以上50%未満なら2」といった表も見つかります。
実際に数値基準を公開している中学校もありますが、それはその学校が定めた基準です。
自分の成績を確かめるときの答えは、全国向けの点数表ではなく、自分の学校・教科・学期の評価資料にあります。
②成績2の基準で誤解しやすい4つのこと

成績2を見たときは、もっともらしい目安をそのまま信じないことが大切です。
特に次の4つは、中学生や保護者の方からよく出る疑問です。
どれも「早く理由を知りたい」と思えば自然に浮かぶ疑問です。
ただ、一つの材料だけで答えを出すと、本当に直すべき場所を外してしまいます。
誤解1 40点以下なら必ず2になる
40点は一つの答案の結果であり、評定そのものではありません。
定期テスト以外の小テスト、記述、レポート、実技、振り返りなどが評価材料になる教科もあります。
同じ40点でも、テストの難しさや各観点の得点、ほかの評価材料が違えば、同じ評定になるとは限りません。
誤解2 平均点より下なら2になる
現在の評定は、クラス内で何番目かだけで振り分けるものではありません。
教科の目標にどこまで到達したかを見る評価です。
平均点を超えたかではなく、自分が各観点の目標へ届いたかを確認します。
誤解3 提出物を全部出せば3になる
期限を守ることは大切ですが、提出した事実だけで評定3が保証されるわけではありません。
課題を通して知識を使えたか、理由を説明できたか、間違いを振り返って学び方を調整できたかなど、内容も見られます。
誤解4 Cが一つあれば必ず2になる
観点別評価のA・B・Cを評定へまとめる方法も学校が定めます。
府中市立府中第一中学校も、観点の比重などにより、評価が同じでも評定が同じになるとは限らないと説明しています。
したがって、ネット上のABC換算表を自分の通知表へそのまま当てはめることはできません。
点数、平均点、提出済み、Cの個数のどれか一つだけで、評定2を確定することはできません。
単独の数字ではなく、3観点それぞれの評価材料をセットで見ることが必要です。
③通知表の3観点から2の理由を逆算する
では、通知表のどこを見ればよいのでしょうか。
現在の中学校では、各教科の学習状況を主に次の3観点で評価します。
●知識・技能
●思考・判断・表現
●主体的に学習に取り組む態度
通知表にA・B・Cなどの観点別評価があれば、最初に低かった観点を見つけ、その観点を評価した課題へ戻るのが分かりやすい順番です。
知識・技能が低ければ、定期テストや小テストを開きます。
用語を覚えていないのか、計算や文法の基本手順を再現できないのかを見ます。
思考・判断・表現が低ければ、記述問題、レポート、発表資料などを確認します。
空欄が多いのか、答えは書いたものの理由や根拠が足りないのかで、次に練習することは変わります。
主体的に学習に取り組む態度は、挙手の多さやノートの美しさだけを見る観点ではありません。
文部科学省は、粘り強く取り組み、自分の学習を調整しようとしているかを含めて評価すると示しています。
たとえば、間違いを放置せず解き直したか、振り返りから次のやり方を変えたか、という学習の過程も確認したいところです。
「テストが悪かった」で終えず、「どの観点の、どの材料で目標に届かなかったか」まで言葉にすると、2の正体が見えてきます。
観点別評価を見る
↓
低かった観点を一つ選ぶ
↓
その観点が記された答案・課題・振り返りへ戻る
↓
できなかった行動を一つ言葉にする

④同じ点数でも教科によって見る材料は違う

もう一つ、見落としやすいポイントがあります。
それは、同じ評定2でも、教科によって評価を確かめる場所が違うことです。
数学なら、計算の正確さだけでなく、式や図を使って考え方を説明できたかが評価材料になることがあります。
英語なら、単語や文法に加え、聞く・読む・話す・書く活動の中で目標へ届いたかを見ます。
国語や社会では、本文や資料を根拠にして記述できたかを確認します。
美術、音楽、保健体育、技術・家庭では、筆記テストだけでなく、実技や作品、制作や練習の過程なども材料になり得ます。
だから、全教科に「次はテストであと10点取る」という同じ対策を配っても、2の原因と合わないことがあります。
教科名ではなく、その教科で低かった観点と、次に評価される活動を結び付けることが立て直しの出発点です。
たとえば知識・技能が課題なら、基本問題を答えなしで解ける状態へ戻します。
思考・判断・表現が課題なら、記述に理由や根拠を一行加える練習をします。
主体的に学習に取り組む態度が課題なら、ただ提出するだけでなく、直しと振り返りまで終えて出す形に変えます。
⑤2と3の境目は一枚メモで確かめよう

資料を見ても2の理由がはっきりしないときは、教科担当の先生へ確認して大丈夫です。
ただし、「どうして2なんですか」とだけ聞くと、質問が広く、答えも「全体的にもう少し頑張ろう」と広くなりやすいものです。
先生を責めるように聞こえないか心配な方もいるでしょう。
けれど、成績を上げるために評価材料を確認するのは、悪いことではありません。
私も多くの生徒や保護者と面談をしてきましたが、通知表だけを持って相談するより、答案や課題を一緒に並べたほうが話は具体的になります。
次の内容を一枚にまとめて持っていきましょう。
●通知表で低かった観点
●自分では原因だと思う答案や課題
●次に評価されるテスト・課題・活動
●先生へ確認したいこと
質問は次の3つで十分です。
●2になった主な理由は、どの観点でしょうか
●その観点は、どのテストや課題で評価されましたか
●次の評価機会では、何ができれば3の水準へ近づけますか
目的は評定の交渉ではなく、2と3の境目を自分の次の行動へ翻訳することです。
先生の答えが分かったら、最初の一週間は一教科・一観点・一行動に絞りましょう。
あれもこれも直そうとすると、結局どれも続かないことが珍しくありません。
「数学の基本問題を翌日にもう一度解く」「社会の記述に資料の根拠を入れる」「英語の課題は直しまで終えて出す」のように、先生が確認できる行動へ変えます。
成績2は、軽く見てよい数字ではありません。
しかし、能力や将来を決める数字でもありません。
基準をネットで推測し続けるより、自分の観点と評価材料を確かめれば、3へ近づく道筋は具体的になります。
いきなり全部を変えなくて大丈夫です。
一つずつ、できるところから変えていきましょう!




国の大きな基準は「努力を要する」状況です。ただし、何点・どの評価の組み合わせで2にするかという具体的な方法は学校が定めます。