

先生、中3の三学期で成績が下がったら、高校から「やっぱり来ないで」と言われますか?合格通知が急に消えそうです!

合格通知は手品のカードではないよ(笑)。まず、入試前に使う調査書と、進学後に高校へ送られる指導要録を分けよう。

どちらにも成績が載るのに、別の書類なんですか?

そうなんだ。送る時期も目的も違うから、三学期の成績が高校にどう伝わるかを順番に整理しよう!
【今回の真実】
中3の成績が高校へ伝わる書類には、入試用の調査書と進学後の指導要録があります。三学期の通知表が入試へそのまま追加されるとは限りませんが、卒業までの学習記録は入学後の指導につながります。
①中3の三学期の成績は高校へ送られる?
②入試前に高校へ出すのは調査書
③進学後に高校へ送られるのは指導要録
④通知表・調査書・指導要録を分けよう
⑤成績が下がると合格取り消しになる?
⑥今すぐ学校へ確認する3つの質問
①中3の三学期の成績は高校へ送られる?
最初に結論からお伝えします。
中3の成績に関する記録は高校へ送られますが、「三学期の通知表が、そのまま入試の合否資料になる」という意味ではありません。
ここで混乱しやすいのは、「高校へ送られる」という一言の中に二つの場面があるからです。
一つ目は、受験の出願時に選抜資料として提出される「調査書」です。
二つ目は、進学が決まった後に中学校から進学先へ送られる「指導要録の写し」です。

同じ評定が関係しても、目的と作成時期が違います。
まずは「合否のための書類か、入学後の引継ぎ書類か」を分けると、不安の正体が見えやすくなりますよ。
書類の名前は少々ややこしいですが、見る順番さえ分かれば大丈夫です!
②入試前に高校へ出すのは調査書

高校入試で使う調査書には、各学年の評定や学校生活に関する事項などが記載されます。
ただし、中3のどの時点までの学習状況で評定を作るかは、地域や年度、選抜方法によって同じではありません。
たとえば、東京都の令和8年度都立高校入試で活用された中3の評定は、令和7年12月31日現在のものでした。
千葉県の令和8年度公立高校入試でも、調査書は令和7年12月末日現在で作成すると実施要項に書かれています。
この例では、卒業式前にもらう三学期の通知表より先に、入試用の調査書が作られています。
したがって、三学期の学年末テストの結果が、すでに提出された調査書へ自動で足されるわけではありません。
ただし、これは全国共通の日付ではありません。
私立高校、追加募集、二学期制の中学校などでは確認点が変わることもあります。
受験する年度の教育委員会の要項と、志望校の募集要項を優先してください。
③進学後に高校へ送られるのは指導要録

では、「三学期の成績は高校に全く伝わらないの?」というと、そう単純でもありません。
文部科学省が示す学校教育法施行規則第24条では、児童生徒が進学した場合、学校長が指導要録の写しを作り、進学先の校長へ送ることになっています。
中学校の指導要録には、各学年の教科の評定だけでなく、総合的な学習の時間、特別活動、総合所見、出欠などの記録があります。
つまり、入試が終わった後には、中学校3年間の学習や学校生活の記録が、指導要録という形で高校へ引き継がれます。
三学期を含む中3の最終的な学年評定も、学校が定める方法で総括され、記録の一部になります。
ここで大切なのは、指導要録を「もう一度合否を決めるための裏の内申書」と考えないことです。
文部科学省の会議資料でも、中学校から高校へ指導要録の写しが送られる時点では、一般に入試は終わっていると整理されています。
これは入学後の指導や支援をつなぐための記録で、出願時の調査書とは役割が違います。
④通知表・調査書・指導要録を分けよう

三つの書類は、似た数字が載っていても同じものではありません。
「誰に渡すのか」「何のために使うのか」「三学期とどう関係するのか」の三点で並べると、違いがはっきりします。
●通知表:生徒と保護者へ学習状況を伝える書類。三学期だけの評定か学年評定かは学校によって表示が違う
●調査書:志願先の高校が入学者選抜に使う書類。作成の基準日までの評定を記載する
●指導要録の写し:進学先の高校へ学習と指導の記録を引き継ぐ書類。各学年の評定や出欠などを含む
通知表の数字と調査書の評定が、見た目には同じこともあります。
それでも、「通知表をそのままコピーして高校へ送る」と考えるのは正確ではありません。
また、三学期の通知表が「三学期だけの評価」なのか「一年間をまとめた学年評定」なのかも学校によって表示が違います。
数字だけを見て判断せず、通知表の注記や学校の評価資料を確認しましょう。
三つを分ければ、質問も具体的になります。
「この5は入試用調査書の5ですか?」ではなく、「調査書はいつ現在で作成し、今回の通知表は三学期評定と学年評定のどちらですか?」と聞けます。
⑤成績が下がると合格取り消しになる?

三学期の通知表が下がったという事実だけを見て、すぐに合格取り消しだと判断する必要はありません。
先ほど見たように、入試用調査書は三学期の通知表より前に作られている地域があり、進学後の指導要録も再選抜とは目的が違うからです。
ただし、ここを「合格後は何をしても大丈夫」と読み替えてはいけません。
卒業までは中学校での学習と学校生活が続きますし、欠席が続いている場合や、学校・高校から個別の条件を伝えられている場合は、早めの確認が必要です。
心配なら、ネットの体験談で結論を出さず、担任の先生に「今回の三学期評定は、提出済みの調査書と合格後の手続きにどう関係しますか」と聞きましょう。
評定の変更をお願いするのではなく、書類と手続きの事実を確認する質問です。
そして、入試に直接足されないとしても、三学期の勉強を捨てるのはもったいないですよ。
中3の数学と英語は、高校最初の授業へそのままつながります。
三学期の成績は、合否だけでなく「高校の授業をどこから始めるか」を知らせる材料として使いましょう。
⑥今すぐ学校へ確認する3つの質問

制度を全部覚える必要はありません。
次の三つを担任の先生へ確認すれば、自分の場合がかなりはっきりします。
●志望校へ提出した調査書は、いつまでの学習状況で作られていますか?
●今回の通知表の数字は、三学期だけの評定ですか、1年間の学年評定ですか?
●合格後に高校へ送られる記録について、今から注意することはありますか?
できれば、志望校名と選抜方法も一緒に伝えましょう。
公立か私立か、推薦か一般かが分かれば、先生も確認しやすくなります。
確認後は、成績の数字を眺め続けるより、次の行動を一つ決めます。
学年末テストの間違いを一教科だけ解き直す、未提出をなくす、高校から出た課題を予定表に入れる、という小さな一歩で十分です。
入試用の調査書と進学後の指導要録を分ければ、三学期の成績を必要以上に怖がらず、必要な確認だけができます。
三学期は中学校の後片づけではなく、高校生活の準備期間です。
気になる書類は学校で確かめ、残りの時間を次の学びへつなげていきましょう!




●入試前の調査書:高校が入学者選抜に使う資料
●進学後の指導要録:中学校での学習や学校生活を高校へ引き継ぐ記録