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勉強お役立ちコラム

中3の二学期で成績が下がると入試は不利?志望校を下げる前に見る3項目

秋の明るい校舎の廊下で、通知表を手にした中3の生徒の表情がほぐれている様子

ステオ
ステオ

二学期の通知表が一つ下がりました。志望校も自動で一段下げるんですか?


野口先生
野口先生

通知表と志望校は連動式のエスカレーターではないよ。まず、その評定が入試でどう使われるかを確認しよう。


ステオ
ステオ

よかった。通知表を見た瞬間、心だけ地下二階まで行ってました。


野口先生
野口先生

ちゃんと地上へ戻れるから大丈夫。下がった一教科の中身と、内申の使われ方と、当日点の三つを順番に見よう!

【今回の真実】

中3の二学期で成績が下がると、入試に影響する場合はあります。ただし、一教科の評定だけで受験結果や志望校が決まるわけではありません。評価の中身と地域の選考基準を分けて確認すれば、次にやることは見えてきます。

 

①二学期の成績が下がっても受験結果は決まらない

秋の青空の下、志望校の校門前で校舎を見上げている制服姿の中3の生徒

中3の二学期で通知表の評定が下がれば、入試の調査書点に影響する地域や選抜はあります。
ここは「まったく関係ない」と軽く考えないほうがよいでしょう。

しかし、評定が一つ下がったことと、志望校を一段下げることはイコールではありません。
高校入試では、調査書だけでなく学力検査、面接、特色検査などを組み合わせる場合があり、その組み合わせ方も地域や学校によって違います。

大切なのは、通知表を見た勢いで「もう無理だ」と結論を出さないことです。
まず当年度の選考基準を確認し、模試の判定や過去問の得点も合わせて、志望校までの距離を測り直しましょう。

下がった評定は、受験の結論ではなく、作戦を更新するための資料です。

 

②まず3種類の「成績」を分けよう

「二学期の成績が下がった」と相談されたとき、最初に確認したいのは何の数字が下がったのかです。
同じ「成績」という言葉でも、役割は同じではありません。

分けて確認する3種類

●二学期の通知表にある5段階の評定
●定期テストや実力テストの点数
●模試の偏差値や合格判定

通知表・テストの答案・模試のグラフを表す3つのアイコンが、それぞれ別の色のトレイへ矢印で分かれていく図解

通知表が下がったなら、学校の評価材料を確認します。
定期テストが下がったなら、平均点や問題、答案を前回と比べます。
模試が下がったなら、受験者集団や出題範囲が変わっていないかも見ます。

この三つを混ぜると、「勉強しているのに全部悪くなった」と感じやすくなります。
指導の場でも、資料を分けて並べると、実際には通知表だけ、あるいは模試だけが動いていたと分かることがよくあります。

最初にすることは反省会ではなく、下がった数字の特定です。

 

③評定が下がった理由は観点別に探す

放課後の教室で、観点ごとに色分けした付せんのついた資料を指しながら生徒に説明している先生

文部科学省の通知では、中学校の学習評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で整理しています。
評定は各教科の学習状況を総括した5段階の評価で、具体的な決定方法は各学校が定めます。

つまり、期末テストが何点下がったかだけでは、評定が下がった理由は確定できません。
通知表の観点別評価と、学校から示された評価方法を一緒に見る必要があります。

たとえば「思考・判断・表現」が下がっていたら、記述問題、発表、レポートなど、その観点を見た課題へ戻ります。
「主体的に学習に取り組む態度」なら、提出したかどうかだけでなく、振り返って学び方を調整した内容まで確認したいところです。

先生へ聞くならこの形

「今回の評定で下がった主な観点はどれですか。その観点は、どのテストや課題で評価しましたか。次の機会に何ができると改善しますか」

「なぜ下げたんですか」と評定そのものを交渉するより、評価材料と次の行動を聞くほうが話は前へ進みます。
一教科・一観点まで絞ると、直す行動が具体的になります。

 

④入試への影響は当年度の公式資料で確認

紺色の表紙の公的な冊子と虫眼鏡、学校案内の地図と封筒を机の上に並べ、当年度の資料を調べる様子

中3の二学期の評定を入試でどう使うかは、全国一律ではありません。
都道府県、国公私立、推薦や一般などの選抜区分によって、見る学年や教科、学力検査との組み合わせ方が変わります。

一例として、神奈川県の令和9年度公立高校入試の調査書作成上の注意では、記載事項は令和8年12月末現在で、中3の観点別評価と5段階評定は第2学期までとされています。
二学期制の学校も、三学期制と同じ時期までの学習状況に基づくと明記されています。

これは神奈川県の当該年度の例です。
別の地域へそのまま当てはめることはできません。

「二学期の成績は入るらしい」という口コミではなく、志望校所在地の教育委員会と学校が出す当年度資料を確認しましょう。

見る場所は、募集案内、実施要項、調査書の様式、各高校の選考基準です。
資料の読み方に迷ったら、中学校の担任へ「今回の二学期評定は、志望する選抜でどう使われますか」と学校名と選抜区分を添えて聞けば大丈夫です。

確認すべきなのは、内申が入るかどうかだけでなく、何年の評定をどのように使うかです。

 

⑤下がったあとに確認する3項目

ここからは、通知表を受け取ったあとに動く順番です。
不安なときほど、一度に九教科を何とかしようとせず、次の3項目を紙一枚にまとめましょう。

下がった一教科の評価材料、志望する選抜の公式資料、当日点までの現在地という3項目を、チェック印つきの3枚のカードで順に並べた図解

1.下がった一教科の評価材料

通知表の3観点、返却答案、課題、学校の評価方法を並べます。
まだ評価の機会が残っているなら、どの行動を直すか一つ決めます。

2.志望する選抜での使われ方

当年度の公式資料で、対象学年、教科の扱い、学力検査や面接との組み合わせを確認します。
分からない部分だけを担任や進路担当へ質問しましょう。

3.当日点まで含めた現在地

模試と過去問を使い、調査書点の変化を当日点でどこまで補う必要があるかを見ます。
ここは家庭だけで決めつけず、学校や塾の進路資料も使ってください。

評定、選考基準、当日点の3項目がそろって初めて、志望校を変えるべきか判断できます。
反対に、どれか一つが欠けたまま志望校を下げるのは早すぎます。

 

⑥保護者は追及役より整理役になろう

夕方の明るい住宅街を、制服姿の中3の生徒と保護者が並んで歩いて帰る後ろ姿

保護者の方も、受験前の二学期に成績が下がれば焦って当然です。
ただ、通知表を開いた直後に「何をしていたの」「このままで受かるの」と続けると、本人は資料を見る前に心を閉じてしまいます。

まずは「下がって驚いたね。理由を一緒に分けてみよう」と声をかけてください。
保護者の役割は、責任を追及することより、通知表・答案・入試資料をそろえることです。

本人には、教科担当へ質問することと、次の一行動を決めることを任せます。
大人が全部決めず、本人が選べる部分を残したほうが、受験勉強へ戻りやすくなります。

そして、評定を取り返そうとして学校の課題だけに時間を使い、入試対策が止まるのも避けたいところです。
残っている評価機会と入試勉強の両方を予定表へ入れ、優先順位を決めましょう。

二学期の成績が下がった今こそ、感情ではなく資料で受験作戦を組み直すタイミングです。
一つずつ確認すれば、次にやる勉強が具体的になってきますよ!