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勉強お役立ちコラム

中学生の成績がどんどん下がる!量を増やす前に3つに分けて一教科から直す

ダイニングで、点数が下がり続けるグラフの用紙を中学生の娘と母親が並んで見ている様子

ステママ
ステママ

テストのたびに点数が下がっています。次の答案を見るのが、だんだん怖くなってきました……。


野口先生
野口先生

その不安、よくわかります。でも、点数を並べて落ち込むだけでは原因は見えません。まず「どんな下がり方か」を分けましょう。


ステママ
ステママ

下がり方にも種類があるんですか?私は全部まとめて「大事件」の箱へ入れていました。


野口先生
野口先生

大事件の箱はいったん閉めましょう(笑)。一教科だけか、複数教科か、通知表だけかで、打つ手はかなり変わりますよ。

【今回の真実】

中学生の成績がどんどん下がるとき、必要なのは勉強量の一律追加ではありません。下がり方と生活の変化を分け、現在の授業を守りながら、最初につまずいた一か所だけを直すことが立て直しの出発点です。

 

①どんどん下がるときは量より分岐が先

途中の一段だけが抜けた積み木の塔と、その隣に開かれた図形のノート

中学生の成績が何度も続けて下がると、「勉強時間をもっと増やさないと」と考えたくなります。
しかし、原因を確かめずに全教科の量を増やすと、やることだけが膨らみ、学校の授業の復習まで遅れることがあります。

まず知ってほしいのは、成績が下がったことと、本人の能力が下がったことは同じではないという点です。
学習内容が難しくなった、以前の単元の穴が表面化した、生活時間が変わった、評価される材料を取りこぼしたなど、数字の前に変化が隠れていることは多いです。

連続して下がる場合は、一回の失敗というより、「わからない部分が残る→次の内容もわかりにくい→勉強を始めにくい」という流れが続いている可能性があります。
ここで必要なのは気合いではなく、流れのどこを切るかを決めることです。

最初の結論

全教科を一斉に頑張らせる前に、下がっている数字・教科の広がり・変化の始点を確認します。

 

②まず下がり方を3つに分ける

さて、直近の結果を見ながら、次の三つのどれに近いかを判断しましょう。
同じ「成績が下がる」でも、確認する場所が違います。

一教科だけ下がったカード、複数教科がまとめて下がったカード、通知表の観点別評価を表す表を、虫眼鏡とともに机の上で3つに分けて並べた図解

一教科だけ下がっている

一教科だけなら、その教科の中にあるつまずきを疑います。
特に前の内容を使って次へ進む教科では、今の単元を何度練習しても、その土台が抜けていると手が止まります。

答案の最後の難問ではなく、授業例題や学校ワークの基本問題から、初めて自力で解けなくなった単元を探してください。
戻る場所は「前の学年全部」ではなく、今の単元につながる最初の一か所です。

複数教科が一緒に下がっている

複数教科が同じ頃から下がったなら、教科別の苦手だけでなく、生活や予定の変化を見ます。
部活の終了時刻、習い事、塾の宿題、スマホを置く時刻、就寝時刻、欠席や遅刻などを、下がり始める前後で比べてみましょう。

「勉強していない」と見えても、話を聞くと予定が重なり、毎日どの課題も途中で終わっていた、ということもあります。
この場合は教材を増やすより、終わらせる順番を決めるほうが先です。

点数より通知表が下がっている

テストの点数は大きく変わらないのに通知表が下がったなら、答案だけで原因を探しても足りません。
文部科学省は、学習評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三観点で整理しています。

通知表の観点別評価、学校から配られた評価方法、提出物や実技・発表などを確認し、どの観点が変わったかを教科担当の先生へ聞きましょう。
点数の下降と評定の下降を混ぜないことが大切です。

 

③成績が下がり続ける主な原因

リビングのソファでスマートフォンを見つめ、教材を閉じたままにしている中学生

上位記事を調べると、勉強法が中学校の難しさに合っていないこと、わからない部分の放置、テスト前だけの学習が繰り返し挙げられていました。
ここへ、家庭で確認したい生活面を加えると、主な原因は次のように整理できます。

●解説を読んで終わりになり、自力で解き直していない
●以前の単元の穴を残したまま、次の単元へ進んでいる
●学校・部活・塾・スマホで予定が詰まり、復習が毎日後回しになる
●テスト点だけを見て、通知表の弱い観点を確認していない

ここで注意したいのが、本人の「勉強した」はウソとは限らない、ということです。
本人は本当に長く机に向かっていても、点数につながる練習になっていない場合があります。
机に向かった時間ではなく、何も見ずに解ける問題が昨日より増えたかを見てください。

もう一つ、睡眠を削って勉強時間を作るのはおすすめできません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中学・高校生に八〜十時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧め、睡眠不足により学業成績が低下することが報告されていると説明しています。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、夜ふかしが始まった時期と複数教科の下降が重なるなら、見直す価値は十分あります。
勉強時間を足すために睡眠を引くのではなく、まず予定とスマホ時間を整理するのが順番です。

 

④現在と過去を二本立てで直す3手順

放課後の教室でホワイトボードを使い、今の問題から必要な前提へ一本の線で戻る流れを先生と中学生が確認している様子

「では、中一から全部やり直そう!」と気合いを入れたくなるかもしれません。
しかし、成績が下がり続ける生徒に過去の総復習だけをさせると、その間にも学校の授業は先へ進みます。
そこで、現在の授業を守る勉強と、過去の穴を埋める勉強を二本立てにします。

手順1 今週の授業を止めない

学校でその日に扱った例題や課題を優先し、わからない印を残します。
全部を完璧にするのではなく、少なくとも「何がわからないか」を翌日へ持ち越さない状態を作ります。

手順2 過去へは一本の線で戻る

今の問題で止まった理由をたどり、必要な前提だけへ戻ります。
たとえば方程式の文章題で止まったなら、文章題を大量に解く前に、式を立てられないのか、方程式そのものを解けないのかを分けます。

復習範囲を広げるのではなく、「ここなら自力でできる」という地点まで一本の線で戻るのがコツです。

手順3 翌日に再現できるか確かめる

解説を見て理解した問題は、時間を空けてもう一度、何も見ずに解きます。
正解したかだけでなく、最初の一手を自分で決められたかも確認しましょう。

この三手順を、まず一教科で回します。
立て直しの単位は「全成績」ではなく、「一教科の一つまずき」です。
小さく直して再現できた経験が、次の教科へ進む力になります。

 

⑤保護者の声かけと相談を優先するサイン

学校の明るい相談室で、制服姿の中学生の話を養護教諭が落ち着いて聞いている場面

保護者が「どうしてまた下がったの?」と聞くと、本人は原因ではなく言い訳を探しやすくなります。
おすすめは、「下がり始める前と後で、何が変わったと思う?」と一緒に変化を探す聞き方です。

答案を前にしたら、責める役ではなく記録係になってください。
一教科か複数教科か、点数か通知表か、生活時間に変化があったかを紙へ書くだけでも、話し合いがグッと具体的になります。

ただし、成績より優先すべきこともあります。
厚生労働省は、子どものこころのSOSが睡眠、食欲、体調、行動の面に出ることが多いとし、以前と違うサインやつらい症状が続く場合は、話を聞いて専門家へ相談するよう勧めています。

朝起きられない、食欲が大きく変わった、頭痛や腹痛を繰り返す、学校へ行きたがらないなどが続くなら、勉強の立て直しより、本人のつらさを聞くことを優先してください。
担任、養護教諭、スクールカウンセラー、かかりつけ医など、つながりやすい相手からで構いません。

体調の変化がなくても、家庭だけで原因を絞れない場合は教科担当の先生へ相談しましょう。
「もっと頑張らせます」ではなく、どの単元・観点・学習行動から直すべきかを具体的に聞くと、次の一歩が見えやすくなります。

 

⑥今日やることは一枚にまとめる

一枚の紙に書いたもつれた線から4つの項目へ矢印を引き、保護者と中学生が並んで確認している手元

中学生の成績がどんどん下がるときほど、全教科の反省会を開く必要はありません。
まず一枚の紙に、次の内容を書いてみてください。

今日作る下降ストップメモ

●下がったのは一教科・複数教科・通知表のどれか
●下がり始める前に変わった予定や生活
●最初に自力でできなくなった問題
●明日、何も見ずに解き直す一問

下がった数字を眺める時間を、変化の始点を探す時間へ変えるだけで、対応はかなり具体的になります。
過去の穴を一つ直しながら今日の授業も止めない、という二本立てで進めましょう。

成績の下降は不安なものですが、「もう手遅れ」という判定ではありません。
直す場所が見えれば、やることはむしろ小さくできます。
焦って全部を背負わせず、まず一教科の一問から再スタートしていきましょう!