

先生、実力テストの範囲が広すぎます!中1の最初から全部やり直したら、テスト前に中学校を卒業しそうです。

それは復習計画ではなく、壮大な卒業旅行だな(笑)。全部を均等にやり直す必要はないよ。

じゃあ、どこを勉強すれば点数が上がるんですか?

前回の答案を見て、短期間で取り返せる失点から順番に直すんだ。今回は、その選び方と3週間の進め方を説明しよう!
【今回の真実】
実力テストの点数を上げるカギは、広い範囲を全部復習することではありません。前回答案から「次は取れる問題」を選び、基礎確認、自力での解き直し、時間内演習の順で仕上げることです。
①実力テストの点数を上げるなら「全部復習」をやめる
②前回答案を3種類に分けて回収点を決める
③3週間前からの勉強手順
④教科別に最初に直す場所
⑤本番で点数を取り切る解き方
⑥点数が上がらないときの見直し方
①実力テストの点数を上げるなら「全部復習」をやめる

実力テストの勉強を始めようとして、教科書の最初のページを開いていませんか?
真面目なのは素晴らしいのですが、それではテストまでに間に合わないことが多いです。
実力テストは既習範囲から広く出されるため、「全部を完璧にしてから本番へ」という作戦は現実的ではありません。
優先したいのは、難問を一から攻略することでも、全教科を同じ時間ずつ勉強することでもないんです。
最初に狙うのは、前回できなかった問題のうち、直せば次に取れそうな問題です。
たとえば、数学の計算方法は分かっていたのに符号で間違えた問題と、解説を読んでもまだ分からない証明問題があるとします。
次回の得点を早く増やすなら、まず符号ミスを防ぎ、似た計算を正解できる状態にするほうが近道です。
もちろん、難しい単元をずっと放置してよいわけではありません。
しかし「今回のテストで回収する点」と「入試までに時間をかけて直す単元」を分けると、焦りがかなり減りますよ。
②前回答案を3種類に分けて回収点を決める

では、前回の答案、問題用紙、成績表を机に並べてください。
実力テストの種類によっては、個人成績表に教科の得点だけでなく、平均点、順位、偏差値、大問別の得点率などが載ります。
項目がある場合は、合計点より先に大問や単元ごとの結果を見ましょう。
この記事では、失点を「知識不足」「解き方不足」「時間とミス」の3種類に分けます。
色を変えて印を付けると、どの失点が多いか一目で分かります。
そして、次のテストで取り返す問題を一教科につき一つか二つの単元へ絞りましょう。
優先するのは、少し復習すれば自力で解けそうな問題です。
反対に、基礎から何段階も戻る必要がある単元は、今回だけで完成させようとせず、長期課題へ回して構いません。
指導をしていると、点数が伸び悩む生徒さんほど「全部やらなきゃ」と広げすぎる傾向があります。
やる気がないのではなく、優先順位が決まっていないだけというケースも多いんですね。
③3週間前からの勉強手順

やる単元を決めたら、勉強を三つの段階に分けます。
3週間あるなら、1週目は基礎確認、2週目は白紙からの再現、3週目は時間内演習に役割を分けましょう。
1週目:教科書と学校ワークへ戻る
知識不足なら、教科書の該当ページと学校ワークの基本問題を使います。
解き方不足なら、例題の解説を読み、「なぜこの式になるのか」「どの条件を使ったのか」を言葉にしてください。
この段階では、新しい問題集を増やさなくて大丈夫です。
教材探しに時間を使うより、前回つまずいた場所へ正確に戻るほうが先です。
2週目:答えを閉じて解き直す
解説を読んで納得したら、翌日以降に何も見ずにもう一度解きます。
正解したかだけでなく、途中の考え方を自分で再現できたかも確認しましょう。
子どもを対象にした研究でも、ただ読み返すより、何も見ずに思い出して答える練習をしたほうが、その後のテストで記憶を取り出しやすくなる結果が示されています。
「分かった」で止めず、「一人でできた」まで進めるのがポイントです。
3週目:時間を測って混ぜて解く
単元ごとには解けても、いろいろな単元が混ざると手が止まることがあります。
仕上げの週は、過去の実力テスト、定期テスト、学校ワークのまとめ問題などを使い、時間を測って解きましょう。
終わったら点数だけでなく、「どの問題に時間を使いすぎたか」「飛ばす判断ができたか」まで振り返ります。
④教科別に最初に直す場所

教科によって、点数を戻しやすい入口は違います。
次の順番を目安にしつつ、自分の答案で失点が多い場所を優先してください。
得意教科をさらに伸ばす前に、苦手教科の基本問題で落としている点を拾うほうが、合計点は動きやすくなります。
●国語:漢字・文法・古文単語を確認し、読解は設問の根拠に線を引く
●数学:計算と公式を確認し、途中式を残してミスの場所を見つける
●英語:単語と基本文法を直し、短い英文を日本語にせず意味が取れるまで読む
●理科:用語・公式を確認した後、実験やグラフの問題で条件を読み取る
●社会:用語を単独で覚えず、場所・時代・理由とつなげて説明する
暗記教科でも、読むだけで終えるのはもったいないです。
教科書を閉じて説明する、一問一答を順番を変えて解く、白紙に図を書くなど、必ず「思い出す作業」を入れましょう。
⑤本番で点数を取り切る解き方

実力がついても、本番の使い方が悪いと点数になりません。
開始したら、最初に全体をざっと見て、すぐ解ける問題、少し考える問題、時間がかかりそうな問題を見分けます。
分からない一問に粘りすぎず、取れる問題を先に取り切ってから戻りましょう。
見直しも「なんとなく最初から」ではなく、順番を決めます。
●空欄がないか
●解答欄がずれていないか
●符号、単位、スペルが合っているか
●「二つ選べ」「記号で答えよ」などの条件を守ったか
時間切れが多い人は、家で問題を解くときから制限時間を付けてください。
ただし、基礎を理解する最初の段階まで急ぐ必要はありません。
理解する時間と、本番の速度で解く時間は分けるとよいですね。
⑥点数が上がらないときの見直し方

ここまで取り組んでも、一回のテストでは点数が動かないことがあります。
そんなときに「自分には実力がない」と決めつける必要はありません。
前回と今回で問題の難しさや平均点が違えば、同じ実力でも素点は動きます。
同じ種類のテストなら、点数だけでなく平均点との差、大問別の正答状況、解けるようになった単元も並べて見てください。
見直すべきは、勉強時間の長さより「直す単元を絞れたか」「答えを閉じて再現したか」「時間内に出し切る練習をしたか」です。
一つでも抜けていたら、そこが次の改善点です。
反対に、三つともできているなら、取り組みは前進しています。
次は対象単元を少し広げればよいんです。
実力テストは、返ってきた瞬間に終わるテストではありません。
答案は、次に点数を上げるための作戦表です。
まず今日、前回の答案から「次は取る問題」を三つ選ぶところから始めてみてください!




●知識不足:英単語、漢字、公式、用語を覚えていなかった
●解き方不足:知識はあるが、問題を見ても手順を組み立てられなかった
●時間とミス:時間切れ、読み違い、計算ミス、単位や条件の見落とし