



【今回の真実】
高2の7月模試は、今の判定で進路を決めるためではなく、高1から高2前半までの穴を夏休み前に発見するためのテストです。古い得点表や判定だけに振り回されず、今回の全国平均・教科バランス・設問別結果を使って、直す問題を絞ることが秋以降の伸びにつながります。
①高2進研模試7月の位置づけ|夏前に受ける意味
②平均点・目標点の見方|古い固定表を使わない
③成績表は「判定→教科差→設問」の順で読む
④英語・数学・国語の復習ポイント
⑤14日で終える夏の解き直し計画
①高2進研模試7月の位置づけ|夏前に受ける意味
一般に「高2の7月進研模試」と呼ばれているテストは、ベネッセの「総合学力テスト」を指していることがあります。学校の案内や成績表では正式名称が異なる場合があるため、手元の書類も確認してください。
高2の7月が大切なのは、受験までまだ時間があり、しかも長い夏休みの直前だからです。ベネッセの大学受験情報では、高2の7月から志望校の合格可能性判定が始まると案内されています。初めて判定を見て、急に受験が現実味を帯びる人も多いでしょう。
ただし、その判定は高2・7月時点の学習状況を、今回登録した志望校に当てはめたものです。1年半後の合否を予約する数字ではありません。7月模試の役目は、志望校を諦めさせることではなく、夏に直す優先順位を見せることです。
●高2で習った内容のうち、理解が浅いものは何か
●英語・数学・国語のどれを夏の重点教科にするか
●次の模試までに、何を自力で解けるようにするか
公式のオンライン版案内では、総合学力テストについて全国規模で現在地を把握でき、学校進度に配慮した出題であることが説明されています。受検者が多い模試だからこそ、校内順位だけでなく全国の中での位置を知れる点に意味があります。
部活や学校行事で忙しい時期ですが、復習を後回しにすると「結果が悪かった」という印象だけが残ります。返却された週に、まず30分だけ答案を広げてください。それが受験勉強の小さなスタートです。
②平均点・目標点の見方|古い固定表を使わない
検索すると、「○点なら偏差値60」「この点数なら国公立レベル」といった表が見つかります。目安が欲しくなる気持ちはよく分かりますが、年度・実施回・選択した数学の型などが違えば、平均点も偏差値への換算も変わります。
たとえば、公開されている2023年7月の個人成績票例では、国数英総合の全国平均が300点満点中100.3点、国語39.7点、数学27.9点、英語31.9点と紹介されています。しかし、これはあくまで過去の1回の例です。今年の目標を決めるときは、ネット上の古い平均点ではなく、今回返却された成績表の全国平均を使ってください。
●第二目標:現在の全国平均との差を半分にする、または平均を上回る
●第三目標:志望校に必要な偏差値との差を、次回までに小さくする
仮に全国平均より15点低かったとしても、すぐに「基礎が全部ダメ」とは言えません。数学の後半で手が止まったのか、英語の長文に時間を使いすぎたのか、国語の記述が空欄だったのかで、直す場所は違います。
反対に平均を超えていても、志望校や得意科目の目標によっては安心できません。平均点は「今回の集団の中心」であって、あなた専用のゴールではないからです。
点数目標を作るなら、「次は合計150点」のような総合点だけでなく、「英語の文法であと6点」「数学の小問であと8点」のように、取る場所まで決めましょう。点数は結果ですが、問題は行動へ変換できます。
③成績表は「判定→教科差→設問」の順で読む
成績表は、最初に志望校判定へ目が行きます。それ自体は自然です。ただし、判定だけ見て閉じると、模試が「落ち込むイベント」で終わってしまいます。次の順番で、少しずつ細かく見てください。
1.判定と全国偏差値で現在地を見る
まずは総合の判定と偏差値を確認します。前回と比べる場合は、受験科目や集計条件が同じかも見ましょう。判定が下がっていても、志望校を変更した、母集団が変わった、特定教科だけ失点したなど、理由は複数あります。
2.教科ごとのバランスを見る
次に、英語・数学・国語の偏差値や得点差を比べます。総合偏差値が50でも、3教科が50前後の人と、英語60・数学40・国語50の人では、夏の計画はまったく違います。
3.設問別結果で「取り戻せる点」を探す
最後に設問別の正誤と正答率を見ます。最優先は、正答率が比較的高いのに自分が間違えた問題です。知識の抜け、計算ミス、読み違いなどを直せば、次回の得点へつながりやすいからです。
●理解不足:解説を読んでも考え方が分からない
●処理ミス:計算、マーク、条件の読み落とし
●時間不足:解ける問題まで到達できなかった
指導現場でよくあるのが、間違えた問題を全部同じように解き直そうとして疲れてしまうケースです。原因を分ければ、単語を覚える問題と、先生へ質問すべき問題と、時間配分を直す問題が別だと分かります。復習量より、診断の正確さが大切です。
④英語・数学・国語の復習ポイント
復習では、解説を読むだけで終わらせず、何も見ずに再現できるところまで戻します。ただし、3教科を同じ方法で直してはいけません。間違い方に合わせて手を変えましょう。
英語:長文の前に、止まった原因を分ける
長文が読めなかったとき、「読解力がない」で片づけないこと。知らない単語が多かったのか、文法構造を取れなかったのか、読む速度が遅かったのかを確認します。単語・熟語を復習したうえで、本文を一文ずつ意味確認し、最後に時間を測って読み直します。
数学:白紙から途中式を再現する
解説を見ながら式を写すと、分かった気になります。翌日に白紙へ問題番号だけ書き、方針と途中式を再現してください。公式を忘れていた問題、方針が浮かばなかった問題、計算で落とした問題を分けると、次の教材も選びやすくなります。
国語:答えの根拠へ線を引く
現代文は、正解の選択肢だけ覚えても伸びません。本文のどこを根拠に選ぶか、誤答選択肢のどこが本文とずれるかを確認します。古文・漢文は、単語・文法・句法の知識不足と、文章理解の問題を分けてください。
復習できたかどうかは、「解説を読んだ」ではなく「翌日、白紙から解けた」で判断します。
②解説を読めば理解できた問題
③今後も頻繁に使う重要単元の問題
難問ばかりに時間をかける必要はありません。まずは「本来取れた点」を回収すること。ここが整うと、秋以降に応用問題へ進む土台ができます。
⑤14日で終える夏の解き直し計画
模試の復習は、期限を決めないといつまでも残ります。そこで、返却から14日で一区切りつける計画をおすすめします。毎日長時間でなくても構いません。部活がある日は30分、休日は60~90分を目安に調整してください。
●3~7日目:各教科3~5問を選び、教科書・基礎教材へ戻る
●8~10日目:解説を閉じ、白紙から模試問題を解き直す
●11~12日目:同じ単元の類題を2~3問解く
●13日目:時間不足だった教科を短い制限時間で解く
●14日目:できた問題へ日付を書き、次の1か月の課題を決める
計画を立てるときは、「数学を頑張る」ではなく、「二次関数の基本問題を学校ワークで10題」「英単語を1日30語」のように、教材・範囲・量まで書きます。終わったかどうかを自分で判定できる表現にしましょう。
また、次の模試までの目標は1~2個に絞ってください。高2の夏は、全教科を完璧にする時期ではなく、受験勉強を続けられる型を作る時期です。
7月の判定が厳しくても、まだ学習内容も受験科目も伸ばせます。大事なのは、「悪かった」で止めず、「だから、この問題を直す」まで言葉にすること。答案には、夏休みの宿題よりもあなた専用の課題がはっきり書かれています。まずは今日、正答率が高いのに落とした1問から取り戻していきましょう。








