



【今回の真実】
テストの点数に、何点なら良いという全国共通の答えはありません。平均点・テストの目的・答案の中身をセットで見て、次に取り返せる問題を決めると、点数はただの結果から勉強の作戦図に変わります。
①テストの点数は何点なら良い?
②点数を見るときの4つの基準
③答案から失点の原因を分けよう
④次の目標点は「取れる問題」から決める
⑤返却後の復習を次の点数につなげる
⑥保護者は点数より先に答案を見よう
①テストの点数は何点なら良い?
先に結論からお伝えします。
「何点なら良いか」は、点数だけでは決まりません。
同じ80点でも、平均点が85点のテストと55点のテストでは意味が変わります。
学校の定期テストと、広い範囲から出る実力テストや模試も、測ろうとしている内容が違います。
前回より点数が下がったとしても、問題が難しくなっただけかもしれません。
反対に、点数が上がっていても、習ったばかりの範囲を覚えて取れたのか、前の学年の内容まで使えるようになったのかでは、次の課題が変わります。
だから、50点なら悪い、80点なら安心、と数字だけで決めるのは早いのです。
大切なのは、そのテストの中で何ができて、何がまだできなかったのかを見ることです。
テストの点数は、本人の価値をつける数字ではありません。
今の勉強のどこを直すと伸びるかを教える途中経過だと考えてください。
②点数を見るときの4つの基準
点数が返ってきたら、次の4つを順番に確認しましょう。
●平均点と比べてどうだったか
●どの単元・問題で失点したか
●前回から勉強の中身がどう変わったか
まずテストの目的を確認する
定期テストは、主にその学期や単元で学んだ内容の定着を確かめるものです。
一方、実力テストや模試は、以前の学習範囲も含めて現在地を測る性格が強くなります。
別の種類のテストを、点数だけで横並びにしてはいけません。
平均点は「難しさ」を知る手がかり
平均点は、今回の問題が全体として易しかったか難しかったかを見る手がかりになります。
ただし、平均点と同じなら必ず学年順位が真ん中、という意味ではありません。
点数がどこに集まっているかまでは、平均点一つでは分からないためです。
平均点との差は参考にしつつ、最後は答案の中身まで見る。
この順番なら、点数に振り回されにくくなります。
③答案から失点の原因を分けよう
ここが今回の記事で一番実践してほしい部分です。
間違えた問題に赤で正解を書いて終わりでは、次も似たところで失点します。
不正解を、次の4種類に分けてみましょう。
●知らなかった:用語、英単語、公式などを覚えていなかった
●分かっていたつもり:解説は理解できるが、自力では手順を再現できなかった
●時間不足:解ける力はありそうだが、たどり着かなかった
●ミス:読み違い、符号、単位、写し間違いなどで落とした
「ケアレスミスでした」で全部まとめる生徒さんは多いのですが、実際には理解不足が隠れていることもあります。
たとえば計算途中の符号を毎回間違えるなら、単なるうっかりではなく、符号の扱いが自動化できていない可能性があります。
原因を正しく分ければ、次にやる勉強も自然に決まります。
知らなかった問題は覚え直す。
再現できなかった問題は、解説を閉じてもう一度解く。
時間不足なら、基本問題を正確に速く処理する練習と、飛ばす判断を練習する。
ミスなら、「単位に丸をつける」など自分専用の確認動作を決めましょう。
復習は、正解を写す作業ではなく、失点の原因と対策を結びつける作業です。
④次の目標点は「取れる問題」から決める
次は100点を取るぞ!
そう意気込むのは素敵ですが、今の点数から遠すぎる目標は、何をすればよいか見えにくくなります。
目標点は、志望校や評定の目標がある場合を除けば、まず今回の答案から逆算しましょう。
今回60点だったなら、間違えた40点分を眺めます。
その中から、覚え直せば取れた問題、解き直せば取れた問題、時間があれば取れた問題を拾います。
仮にそこに合計12点分あったなら、次の目標を72点前後に置く、という考え方です。
この12点は、誰にでも当てはまる基準ではなく、答案から作る本人専用の数字です。
目標点は願望で決めず、「次に回収できる失点」の合計から決めると、勉強が具体的になります。
もちろん、目標を達成したら、また次の答案で取り返せる問題を探せばOKです。
一段ずつ上がるほうが、結果として遠くまで進めます。
⑤返却後の復習を次の点数につなげる
テスト直しで大事なのは、解説を見て納得するところで止めないことです。
次の順番で進めてみてください。
●教科書やノートへ戻って不足を補う
●解説を閉じて、何も見ずに解き直す
●日を空けて、もう一度同じ問題か似た問題を解く
解説を読んだ直後は、答えが頭に残っているので解けた気になりやすいです。
少し時間を空けても、自分の力で考え方を再現できるか確認しましょう。
「分かった」ではなく、「何も見ずにできた」が復習のゴールです。
また、すべての間違いを一気に完璧にしようとしなくて大丈夫です。
最初は、点数を落とした原因が多かった単元を一つ選びます。
範囲を絞れば、部活や学校行事で忙しい生徒さんも行動しやすくなります。
次のテスト勉強を始めるときには、その単元を最初の復習候補に入れてください。
こうして答案と次の計画をつなぐと、テスト直しが提出作業で終わらなくなります。
⑥保護者は点数より先に答案を見よう
お子さんが低い点数を持ち帰ると、心配になりますよね。
「ちゃんと勉強したの?」と聞きたくなる気持ちも、よく分かります。
ただ、点数を見た瞬間に叱ると、お子さんは答案を隠すことに意識が向いてしまいます。
これまで多くの生徒さんと接してきて感じるのは、点数の話が責められる時間になると、せっかくの答案が机の奥で眠りやすいということです。
まずは「どの問題が難しかった?」「自分ではどこが惜しかったと思う?」と聞いてみてください。
そのあとで、取れていた問題も一緒に確認します。
良かった点を認めてから、次に取り返す一問を相談する。
この順番なら、反省会ではなく作戦会議になります。
なお、学校の評定はテスト一回の点数だけで全国一律に決まるものではありません。
現在の学習評価は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の観点で整理されています。
評定が気になる場合は、ネット上の「何点なら4」といった表をうのみにせず、学校の評価資料を見たり、教科担当の先生に評価の内訳を聞いたりしましょう。
点数はゴールではなく、次の勉強を決める材料です。
今回の答案を一枚広げて、まずは取り返したい一問に印をつけるところから始めてみてください。









