

テストが30点でした。通知表は1ですか? 先に家のゲーム機へ遺言を残しておいたほうがいいですか?

ゲーム機は何も悪くないから、巻き込まないであげよう(笑)。30点だけで通知表の数字は決まらないよ。

では、30点の答案を見なかったことにしても……?

それも違う(笑)。評定を当てにいくより、答案・学校の評価資料・観点別評価の3つを並べよう。次に直す場所まで見えてくるよ!
【今回の真実】
中学のテストで30点を取っても、それだけで通知表が1や2になるとは決まりません。平均点と答案の観点、自校の評価資料、現在の観点別評価をそろえると、評定の見込みと次の一手を落ち着いて考えられます。
①テスト30点だけでは中学の成績は決まらない
②同じ30点でも意味が変わる3つの条件
③成績を確かめるために並べたい3資料
④30点の答案から最初に直す場所を探す
⑤先生には評定の予想より評価機会を聞く
⑥保護者は点数の判決役ではなく整理役に
①テスト30点だけでは中学の成績は決まらない

まず、いちばん知りたい答えからお伝えします。
100点満点の定期テストで30点を取っても、その一枚だけで通知表が1か2かは決まりません。
「30点なら1」「30点台なら2」という表を見かけることはあります。
しかし、それを全国の中学校へそのまま当てはめることはできないんです。
中学校の必修教科は、学習目標への到達状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で捉え、それらを総括して5段階の評定にします。
定期テストは大切な評価材料ですが、テスト用紙の合計点を5分割して評定へ置き換えるだけの仕組みではありません。
もちろん、30点を軽く見てよいわけではありません。
ただ、点数を見た瞬間に「もう成績は1だ」と自分へ判決を出すのも早すぎます。
点数は判決ではなく、確認を始める合図だと考えてください。
②同じ30点でも意味が変わる3つの条件

同じ30点でも、置かれた状況によって重みは変わります。
最初に次の3つを確認しましょう。
その30点は何のテストか
中間・期末テストなのか、小テストなのか、実力テストなのかを分けます。
「成績にどのように使うか」はテストごとに同じとは限りません。
また、一回だけ30点だったのか、同じ教科で30点前後が続いているのかも大切です。
一回の失敗と、理解の穴が積み上がっている状態では、急ぐ度合いが違います。
平均点と得点分布はどうだったか
平均点が高いテストの30点と、問題が難しく全体の得点が低いテストの30点は、同じ位置ではありません。
平均点だけで評定は決まりませんが、30点を単独で見るより、平均点や得点分布と一緒に見るほうが現在地をつかみやすくなります。
30点の内訳はどうだったか
答案に「知識・技能」「思考・判断・表現」などの区分があれば、観点ごとの得点を見ます。
合計は同じ30点でも、基本問題は取れて記述で落とした答案と、用語や計算から空欄が多い答案では、直す場所が違うからです。
評定を予想する前に、テストの種類・周囲との位置・失点の内訳を分ける。
これだけでも「全部ダメだった」という曖昧な不安が、かなり小さくなりますよ。
③成績を確かめるために並べたい3資料

30点と成績の関係を知りたいときは、次の3資料を机に並べてください。
●30点だった答案と、できれば問題用紙
●学校から配られた評価方法の説明、学習の手引き、シラバス
●直近の通知表や観点別評価、返却された課題
一つ目の答案では、観点別の得点、空欄、正答できた基本問題を確認します。
問題用紙もあれば、時間切れだったのか、問題文を読み違えたのかまで思い出しやすくなります。
二つ目の学校資料では、その教科で何を評価するのか、どんな活動や提出物が材料になるのかを読みます。
資料が見つからなければ、担任や教科担当の先生に名称を聞けば大丈夫です。
三つ目では、3観点のうちどこが現在弱いのかを見ます。
テストが30点でも、すべての観点が同じ状態とは限りません。
3資料を重ねる目的は、評定を勝手に計算することではなく、学校が見ている材料と自分の課題を一致させることです。
ネットの換算表より、自分の学校から受け取った資料を優先しましょう。
そして評定の正式な判断は学校が行います。
この3資料は、決めつけを避けながら先生へ具体的に質問するための準備でもあるんです。
④30点の答案から最初に直す場所を探す

私はこれまで1000人以上の生徒を見てきましたが、「30点だった」という一言だけでは、どこへ戻るべきかは決めません。
答案を開くと、基本用語が抜けている子もいれば、途中まではできているのに解き方を最後まで再現できない子もいるからです。
これは特定の一人の話ではなく、指導でよく見られる傾向です。
点数ではなく、最初に自力で正解へ変えられそうな問題を探すところから始めます。
答案の間違いを、次の3種類に分けてみましょう。
●知らなかった・覚えていなかった
●解説を見れば分かるが、自力では手順を出せなかった
●時間不足、読み違い、計算や書き写しでミスをした
一番多い種類から、まず一問だけ選びます。
知らなかったなら教科書や学校のプリントで該当箇所を確認します。
手順を出せなかったなら、解説を閉じて白紙から解き直します。
時間やミスなら、似た問題を時間を測って解き、見直す場所まで決めます。
いきなり「次は60点!」と結果だけを掲げるより、今日の目標を「この一問を何も見ずに解ける」にするほうが、行動がはっきりします。
できる一問が増えれば、次に直す一問へ進めますよ。
⑤先生には評定の予想より評価機会を聞く

「30点だと成績はいくつですか」と先生に聞きたくなる気持ちはよく分かります。
ただ、その聞き方だけだと、先生も一つの数字では答えにくいでしょう。
おすすめは、資料を持って次の順番で聞くことです。
●この答案では、どの観点が特に足りていませんでしたか
●その観点は、テスト以外のどの課題や活動でも評価されますか
●次に理解や改善を示せる機会はいつですか
ここで大切なのは、「提出物を出せば何点上がりますか」と、評定の取引のように聞かないことです。
提出物も、出した事実だけではなく、問題への取り組みや考え方、振り返りなど中身が評価材料になる場合があります。
評定の予言を求めるより、弱い観点と次の評価機会を結び付けて聞くと、先生からも具体的な助言をもらいやすくなります。
そして、聞いたことは短くメモしておきましょう。
「頑張る」ではなく、「次の小テストまでに基本問題を解き直す」のように、行動へ直せれば前に進めます。
⑥保護者は点数の判決役ではなく整理役に

お子さんが30点の答案を持ち帰ると、保護者の方も驚きますよね。
高校受験や内申まで一気に心配になるのも自然なことです。
ですから、すぐ冷静になれなくても自分を責めなくて大丈夫です。
ただ、返却直後に「こんな点数でどうするの」と詰めると、お子さんは答案を隠すことに力を使ってしまいます。
それでは、いちばん必要な原因探しができません。
最初の声かけは、次の3つで十分です。
●平均点は分かる?
●どの問題なら解き直せそう?
●学校から評価方法の紙をもらっている?
保護者の役割は評定を言い渡すことではなく、答案と資料をそろえて次の一問を選びやすくすることです。
本人が話したくない日は、答案をなくさないよう保管するだけでも構いません。
30点は、今の理解に穴があることを知らせる数字ではあります。
でも、その数字だけで中学の成績も、この先の進路も決まりません。
答案、学校の評価資料、観点別評価の3つをそろえ、弱い観点と次の評価機会を確かめる。
今日できる一問から取り返せば、30点は「終わった点数」ではなく、立て直しを始めた点数に変わります。
焦って全部を直そうとせず、まずは一教科、一観点、一問からいきましょう!




言えること:そのテストで70点分を取り切れなかったこと
言えないこと:通知表が必ず1または2になること
次に必要なこと:どの観点の、どの問題で失点したかを確かめること