



【今回の真実】
オール4の偏差値は55前後と紹介されることがありますが、一律換算はできません。オール4は高い評価として受け止めつつ、志望校は模試の判定・地域の内申換算・過去問の得点を分けて決めるのが正解です。
①オール4の偏差値は55前後?まず結論
結論から言うと、オール4の偏差値は「55前後」と紹介されることがありますが、これは参考の目安です。
実際に、学研オンエアの記事でもオール4はおおよそ偏差値55と紹介されています。
ただし、「通知表がオール4だから、模試でも必ず偏差値55になる」という意味ではありません。
学校の評定と模試の偏差値は、そもそも測っているものが違うからです。
オール4でも模試の偏差値が50前後の生徒はいますし、反対に60を超える生徒もいます。
ですから、まだ模試を受けていないなら、55を自分の確定偏差値として志望校を絞るのは早いです。
まずは受験者数の多い地域模試を一つ受けて、現在地を確かめましょう。
②評定と偏差値を一律換算できない理由
文部科学省は、中学校の評定を5・4・3・2・1の5段階で示し、学習目標に照らした到達状況を評価するものとしています。
つまり評定4は、クラス内で何番目かをそのまま表す数字ではありません。
一方、偏差値は同じ模試を受けた集団の中で、自分の得点がどこに位置するかを示す数字です。
計算式は「(個人の得点-平均点)÷標準偏差×10+50」です。
平均点だけでなく、受験者の顔ぶれや得点の散らばり方によっても数字が変わります。
たとえば、学校の提出物や実技教科まで丁寧に取り組んでオール4を取っている生徒と、定期テストの5教科が特に強い生徒では、同じオール4でも模試の結果が異なることがあります。
これは、どちらかの成績がおかしいのではありません。
評定は学校での学習到達度、偏差値は模試の受験者集団内での位置として、別々に読むのが正しい見方です。
③オール4はどのくらいの成績なのか
中学校の9教科がすべて4なら、素内申は「4×9教科」で36点です。
45点満点のうち36点ですから、オール4は胸を張ってよい評価です。
ただし、「学年の上位何%」と全国一律に決めることはできません。
現在の評定は、人数を一定の割合に分けて4を付ける仕組みではないためです。
参考として、東京都教育委員会が公表した令和8年度入学者選抜用の調査では、都内公立中学校3年生の9教科全体で、評定4の割合は23.1%でした。
これは各教科の評定を合計した分布であり、「オール4の生徒が23.1%いる」という意味ではない点には注意しましょう。
また、36点という素内申を入試でどう扱うかも地域によって違います。
東京都の令和8年度都立高校入試では、学力検査を実施しない教科の評定を2倍して調査書点を算出します。
同じオール4でも、住んでいる地域や受ける選抜によって入試上の意味が変わるわけです。
オール4は良い出発点ですが、それだけで受験校の合否ラインまで決まるわけではありません。
④オール4から志望校を決める3つの材料
「では、偏差値いくつの高校を選べばいいの?」という疑問に、全国共通の数字一つでは答えられません。
代わりに、次の3つをそろえると判断がかなり具体的になります。
1.同じ地域模試の判定
志望校の合格可能性を見るなら、まず本人が受けた模試の判定を使います。
違う会社の模試を行き来すると母集団が変わるので、推移を見るときは同じ模試でそろえましょう。
総合偏差値だけでなく、教科別偏差値と答案も確認します。
2.地域の方式で換算した内申
教育委員会の最新の募集案内を開き、どの学年の評定を使うのか、実技教科に重みがあるのか、学力検査との比率はどうなっているのかを確認します。
「オール4だから36点」で止めず、受験する地域の方式に直すことが大切です。
3.志望校の過去問の得点
模試の偏差値は現在地を知る材料ですが、本番で解くのは志望校の入試問題です。
過去問を時間どおりに解き、合格に必要な得点との差を確認しましょう。
高校選びは「模試の判定・地域換算の内申・過去問」の3点で行います。
3つのうち一つだけを見るより、挑戦校・実力相応校・安全校を現実的に分けやすくなりますよ。
ここでおすすめしたいのは、志望校ごとに紙を1枚用意して、3つの材料を同じ場所へ書くことです。
学校名の横に、直近の模試判定、換算した内申、過去問の得点と目標点との差を並べます。
頭の中だけで比べるより、「内申は届いているけれど当日点が足りない」「模試は順調だけれど過去問の英語で時間が足りない」と課題がはっきりします。
学校の偏差値だけを眺め続けるより、次の1週間で何を勉強するかまで決めやすくなります。
⑤内申と偏差値がずれたときの動き方
オール4なのに模試の偏差値が思ったより低くても、落ち込む必要はありません。
「学校の学習には丁寧に取り組めているけれど、初めて見る問題や広い試験範囲への対応がまだ弱い」と原因を切り分けられます。
この場合は、模試の間違いを「知識不足・解き方不足・時間不足・ミス」に分け、最も失点が多い原因から直しましょう。
反対に、模試の偏差値は高いのに評定が4で止まっているなら、テストの点だけを追うより、観点別評価を確認するほうが先です。
教科担当の先生に「5に足りないのは、どの観点のどんな部分ですか」と具体的に聞いてみてください。
提出物も、出したかどうかだけでなく、解き直しや振り返りまで評価資料になっている可能性があります。
数字がずれたときこそ、内申には内申の対策、模試には模試の対策をします。
オール4は、ここまで積み上げてきた力がある証拠です。
あとは「自分は偏差値55のはず」と決めるのではなく、直近の模試と志望地域の入試資料を並べて、次の一手を一つ決めれば大丈夫です。
数字をラベルにせず、作戦を立てる材料に変えていきましょう!









