



【今回の真実】
中学校の成績1は、教科の目標に照らして「一層努力を要する」状況を表します。ただし全国共通の点数ラインはなく、3観点の評価をどう評定へまとめるかは学校ごとに定められます。原因は観点別評価と学校の評価資料で確かめましょう。
①成績で1がつく基準は「一層努力を要する」状況
②0点・未提出・欠席だけで1になるとは限らない
③通知表の3観点から原因を見つける
④評定1から立て直す4つの手順
⑤保護者は責める前に学校と情報をそろえる
①成績で1がつく基準は「一層努力を要する」状況
この記事では、公立中学校で使われる5段階評定を中心に説明します。
結論から言うと、文部科学省は中学校の評定1を、教科の目標に照らして「一層努力を要する」状況と示しています。
評定2は「努力を要する」状況なので、1はそれよりも目標の実現状況が低いと総括された評価です。
ただし、ここで「20点未満なら必ず1」と考えるのは早いです。
文部科学省は評定の適切な決定方法を各学校が定めるとしており、全国の中学校に共通する一点刻みの境界は示していません。
学校によって、定期テスト、小テスト、実技、レポート、ワークシート、振り返りなど、目標への到達を確かめる材料とそのまとめ方が違います。
つまり、同じテストの点数でも、学校・教科・単元が違えば評定まで同じになるとは限りません。
②0点・未提出・欠席だけで1になるとは限らない
検索している方が特に気になるのは、「何をしたら1になるのか」だと思います。
よく挙がるのは、次のような状態です。
●定期テストや小テストで、理解を示せる正答がかなり少ない
●課題の未提出が続き、学習した成果を確認できる材料が少ない
●記述や実技、発表などで、教科の目標に沿った力を十分に示せていない
●欠席が多く、学校が学習状況を把握しにくい
こうした状態は1につながる可能性がありますが、どれか一つに当てはまったら自動的に1、という全国共通ルールではありません。
たとえば、テストで一度0点を取っても、ほかの評価材料を含めて学校が総括します。
反対に、テストが0点ではなくても、複数の観点で目標の実現状況をほとんど確認できなければ厳しい評定になることがあります。
提出物も「出したかどうか」だけを見るのではなく、学校がどの観点の何を確かめる材料としているかが大切です。
欠席が多い場合も、欠席日数だけで機械的に1が決まると考えないでください。
文部科学省は、一定の要件を満たす不登校生徒の自宅や学校外での学習成果を成績評価に反映できるとしています。
体調や登校状況に事情があるときは、評価材料をどう学校へ届けられるかを担任や教科担当へ早めに相談しましょう。
③通知表の3観点から原因を見つける
現在の中学校では、各教科の学習状況を次の3観点で見ます。
●知識・技能
●思考・判断・表現
●主体的に学習に取り組む態度
各観点はA・B・Cで評価され、それを基本的な要素として5段階の評定へ総括します。
評定1だけを眺めても、直す場所はまだ分かりません。
まず見るべきなのは、同じ教科の観点別評価と、学校から配られた評価基準の説明です。
知識・技能を確認する
定期テストや小テストを開き、用語や公式を覚えていなかったのか、基本問題の手順が分からなかったのかを分けます。
答案を見ずに「点が悪かった」で終えると、次も同じ所で止まりやすくなります。
思考・判断・表現を確認する
理由を書く問題、資料を読み取る問題、説明や発表、実技の記録などを見ます。
空欄が多いなら、知識を覚える勉強だけでなく、根拠を付けて答える練習が必要です。
主体的に学習に取り組む態度を確認する
振り返り、課題への取り組み、学び方を調整しようとした記録など、学校が何を材料にしているかを確認します。
「もっと手を挙げればよい」「ノートをきれいにすればよい」と自己判断する前に、教科担当へ聞くのが確実です。
学校ごとに総括方法が違うため、ネット上のA・B・Cの組み合わせ表を自分の学校へそのまま当てはめないようにしましょう。
④評定1から立て直す4つの手順
通知表の1を見た直後は、全部を一気に直したくなります。
しかし、最初から課題を増やしすぎると、また未提出が増えてしまうことがあります。
次の順番で、一つずつ進めましょう。
1.先生に「どの観点が、何の材料で不足したか」を聞く
「どうしたら2になりますか」だけでは、答えが広すぎます。
「知識・技能、思考・判断・表現、主体的な態度のどこが不足しましたか」「次の評価までに、何をできる状態にすればよいですか」と具体的に質問します。
2.未提出と期限遅れを一覧にする
学校の連絡アプリ、プリント、ワークを確認し、未提出の課題を紙に書き出します。
遅れても受け取ってもらえるかは、自己判断せず先生へ確認してください。
3.基本問題を自力で解けるまで戻る
間違えた基本問題は、解説を読んだだけで終わらず、答えを閉じてもう一度解きます。
難問を増やすより、教科書の例題や学校ワークの基本問題で、理解を示せる答案を作ることが先です。
4.次の評価材料を先生と決める
次の小テスト、提出課題、レポート、実技など、改善を示せる機会を確認します。
「頑張る」ではなく、「いつ、何で、どの観点の改善を示すか」まで決めると動きやすくなります。
●その判断に使ったテストや課題は何ですか
●次回までに優先して直すことは何ですか
●遅れて提出できる課題はありますか
なお、次の通知表で必ず2になるとは断言できません。
評価期間や材料、総括方法によって結果が変わるためです。
それでも、先生から不足点と次の評価機会を聞けば、何となく勉強するより改善を示しやすくなります。
⑤保護者は責める前に学校と情報をそろえる
保護者の方も、成績1を見ると高校受験が心配になるでしょう。
評定の使われ方や、どの学年の成績を調査書で扱うかは、地域や選抜方法によって違います。
まず都道府県教育委員会の最新の募集案内を確認し、学校の進路担当にも相談してください。
ここで大事なのは、「なぜ1を取ったの」と責める話し合いを、「どの観点から直すか」という作戦会議へ変えることです。
本人が一番ショックを受けていることもあります。
最初の一日は通知表、観点別評価、テスト、提出状況を一緒に集めるだけでも十分です。
その資料を持って先生へ確認すれば、「勉強時間を増やす」のようなぼんやりした対策から抜け出せます。
評定1は軽く見てよい数字ではありませんが、能力の限界を宣告する数字でもありません。
基準が学校ごとに違うからこそ、自分の学校の評価材料を確かめれば、次に変える行動は具体的になります。
まずは一教科について、先生への質問を一つ書くところから始めてみてください。









