

模試の偏差値を20上げたいです。次の模試まで、睡眠を半分にすればいけますか?

最初に削るのが睡眠なのは作戦会議として危険すぎます(笑)。まず、20上げるために必要な点数と、今の失点の中身を確認しよう。

気合いの量ではなく、答案を見るんですね。私の新品の気合いノートはどうしましょう?

そのノートには「今日やる問題」を書こう!偏差値20アップは大きな目標だからこそ、小さく具体的に進めるのがコツです。
【今回の真実】
偏差値を20上げることは状況次第で可能ですが、誰でも短期間で達成できる目標ではありません。大切なのは、気合いよりも順序です。必要点を同じ模試で確かめ、基礎の再建、標準問題の自力再現、時間内の実戦化へと進みましょう。
①偏差値を20上げることは可能?最初に結論
②偏差値20アップに必要な点数を確認しよう
③偏差値を20上げる勉強の3段階
④伸ばす教科と守る教科を決めよう
⑤4週間の学習サイクルを回そう
⑥偏差値が動かないときの見直し方
①偏差値を20上げることは可能?最初に結論

結論からお伝えすると、偏差値を20上げることは状況次第で可能ですが、短期間で誰にでもできるとは言えません。
いきなり慎重な答えに聞こえたかもしれませんが、ここで落ち込む必要はありません。
可能性を正しく見極めれば、「無理かも」と悩む時間を、点を増やす時間へ変えられます。
たとえば、勉強習慣がなく基礎問題にも大きな取りこぼしがある人は、正しい学年まで戻って学び直すことで伸びる余地があります。
一方、すでに基礎問題をほとんど落とさず、応用問題や時間配分で競っている人は、同じ20でも難しさがまったく違います。
ですから、「何か月で上がりますか?」への正直な答えは、答案を見ない段階では決められない、です。
試験までの残り期間だけでなく、現在の偏差値、教科数、既習範囲、毎週使える時間によって計画は変わります。
「半年ならいける」「毎日3時間なら上がる」という一律の約束より、今の答案に回収できる失点がどれだけ残っているかを先に見ましょう。
偏差値20という数字だけを壁に貼るより、次の模試で回収する問題を決めたほうが、今日の行動につながります。
②偏差値20アップに必要な点数を確認しよう
偏差値は、受験者の平均を50、標準偏差を10にそろえて、自分が集団のどこにいるかを表した数値です。
計算式は次の形です。
同じ平均点・標準偏差の条件で考えると、偏差値を20上げるには、得点をそのテストの標準偏差2個分上げる計算になります。
標準偏差が40点なら80点、60点なら120点の上積みが必要になる、という考え方です。
ただし、これは平均点と標準偏差を固定した計算例です。
実際の模試では受験者、平均点、問題の難しさが毎回変わるため、「偏差値20アップには全国共通で何点必要」という固定値はありません。

成績表に標準偏差が載っていれば「標準偏差×2」を仮の必要点にし、教科ごとへ配分してみましょう。
載っていなければ、模試の主催者が示す成績資料や先生への質問で確認します。
また、伸びを測るときは、同じ主催者・同じ学年・同じ教科構成の模試を基準にしてください。
中学生向け模試の5教科偏差値と、高校生向け模試の3教科偏差値を並べても、競う集団も試験内容も違うからです。
③偏差値を20上げる勉強の3段階

偏差値を大きく上げたいときほど、難しい問題集へ飛びつきたくなります。
しかし、土台に穴があるまま応用問題を増やすと、「解説を読めばわかる問題」ばかり増え、自力で取れる点が増えません。
第1段階:基礎の穴を戻って埋める
直近の模試で間違えた問題を、次の4種類に分けます。
●知識を覚えていなかった
●解き方を理解していなかった
●時間が足りなかった
●読み違い・計算・記号などのミスをした
知識と解き方の不足が多い単元は、前の学年や教科書の基本例題まで戻りましょう。
第2段階:標準問題を自力で再現する
解説を読んだ直後の「わかった」は、まだ本番の得点ではありません。
答えを閉じ、時間を空け、白紙から解き直せるか確かめます。
英語や国語なら根拠を説明する、数学や理科なら途中の考え方を書く、社会なら用語同士のつながりを話すところまで行いましょう。
第3段階:時間内に得点へ変える
標準問題が安定してから、初見問題と時間制限を加えます。
大問ごとの時間、後回しにする問題、最後に確認する項目まで決めて練習してください。
基礎→自力再現→時間内の実戦化という順番を崩さないことが、大幅アップでいちばん大切です。
④伸ばす教科と守る教科を決めよう

総合偏差値を上げたいからと、最初から全教科を同じ時間だけ勉強する必要はありません。
まず成績表を見て、「伸ばす教科」と「守る教科」を分けます。
伸ばす教科は、正答率の高い問題を落としている、未習ではなく復習不足が多い、基本単元へ戻れば連鎖的に直せる、といった教科です。
ここへ学習時間を厚めに配分します。
守る教科は、現在の得点を保つために、短い復習と模試の解き直しを続けます。
得意だからと一か月まったく触れないと、その教科が下がり、苦手教科で増やした点を打ち消してしまうからです。
模試の成績表には、偏差値だけでなく得点・順位・設問別成績が載っているものがあります。
偏差値の低い教科だけを見るのではなく、「どの設問なら次に回収できるか」まで見てください。
●正答率が高いのに落とした問題はどれ?
●解説を読めば自力で再現できそうな問題はどれ?
●一つ直すと他の単元にも効く基礎はどれ?
教材名より先に、回収する失点を決める。
この順番なら、問題集を増やしすぎる失敗も防げます。
⑤4週間の学習サイクルを回そう

偏差値20を毎日眺めても、今日のページ数は決まりません。
そこで、まず4週間を一つの管理単位にします。
1週目:答案分析と基礎への戻り
模試の失点を4種類に分け、優先する一教科・一単元を決めます。
教科書や基礎教材の例題まで戻り、手順を説明できる状態にします。
2〜3週目:自力再現と類題
答えを見ずに解く小テストを繰り返し、同じ考え方を使う類題へ広げます。
正解しても迷った問題には印をつけ、数日後にもう一度確認しましょう。
4週目:時間を測って確認
範囲を混ぜた問題を時間内に解き、最初と同じ4分類で失点を見直します。
できた問題数だけでなく、時間不足やミスが減ったかも記録してください。
この4週間は偏差値20アップを保証する期間ではなく、勉強のズレを早く見つけるための点検サイクルです。
指導現場でよく見るのは、大きな目標に焦るあまり、教材を次々に増やして復習が薄くなるケースです。
新しい教材を開く前に、今の教材を何も見ずに解けるか確認するだけで、勉強の密度はかなり変わりますよ。
⑥偏差値が動かないときの見直し方

一生懸命勉強したのに、次の模試で偏差値が動かないこともあります。
ここで「才能がない」と結論を出すのは早すぎます。
まず、偏差値、素点、設問別の正誤を分けて見ましょう。
素点や取れる問題が増えているなら、学力は前進している可能性があります。
反対に素点も増えていないなら、学習範囲を広げすぎていないか、自力での再テストまで終えているかを確認します。
一度だけ大きく上がった場合も、そこで完成とは考えず、同じ系列の模試で推移を見てください。
偏差値は結果の数字、答案は次の行動を教えてくれる資料です。
保護者の方は、毎日「あと何時間?」と聞くより、週に一度だけ一緒に確認役になってみてください。
まずは、本人が一週間取り組んだことを認めてから作戦を話すのがポイントです。
「今週は何が自力でできるようになった?」
「来週はどの失点を一つ減らす?」
この二つなら、本人を追い詰めず、計画のズレも見つけられます。
偏差値20アップは、気合いだけで一気に飛び越える目標ではありません。
同じ模試で現在地を測り、回収できる失点から順番に直し、4週間ごとに作戦を更新する。
その積み重ねが、遠く見える目標を現実の勉強へ変えてくれます。




偏差値=10×(自分の得点-平均点)÷標準偏差+50