

中3になって成績が下がりました。受験生なのに、僕の成績だけ先に滑り台へ行っています……。

まだ滑り台と決めるのは早いよ(笑)。テストが難しくなって、点数だけ低く見えている場合もあるんだ。

点数が下がっても、学力まで下がったとは限らないんですか?

その通り!まず何の数字が下がったかを分けて、答案から原因を探そう。順番が分かれば、今から十分立て直せるよ。
【今回の真実】
中3で点数が下がっても、すぐに学力低下とは決められません。テストの難化、範囲の広がり、勉強配分、通知表の評価材料を分けて確認し、原因が見えた一教科から戻すのが近道です。
①中3で成績が下がっても、まずは慌てなくてよい
②3枚の資料で「何が下がったか」を分ける
③中3で成績が下がる4つの原因
④答案から戻る場所を一つ決める
⑤最初の7日間は一教科だけ立て直す
⑥保護者は追及役より整理役になろう
①中3で成績が下がっても、まずは慌てなくてよい

中3で点数が下がったら、「受験生なのに、このままで大丈夫?」と焦りますよね。
本人はもちろん、見守る保護者も落ち着かないと思います。
ですが、点数が下がったことと、学力が下がったことは同じではありません。
中3では、学校によって1・2年の内容を含む実力テストや総合問題が増えます。
前回より問題が難しくなったり、出題範囲が広がったりすれば、同じ力でも素点は下がります。
たとえば80点から60点になっても、平均点も60点から40点へ下がっていれば、平均点との差はどちらもプラス20点です。
この場合は、見た目の点数ほど立ち位置が変わっていない可能性があります。
反対に、点数がほぼ同じでも平均点が上がり、順位や偏差値が下がっていれば、周囲との位置は下がっています。
「中3だから普通」と片づけず、どの数字が動いたのかを見ることが最初の一歩です。
②3枚の資料で「何が下がったか」を分ける
机に並べるのは、前回の答案、今回の答案、今回の成績個票または平均点が分かる紙の3枚です。
通知表が下がった場合は、成績個票の代わりに通知表と学校の評価資料を置きましょう。

定期テストの素点は、そのテストで何問正解したかを表します。
難易度が違うテスト同士は、点数だけで単純比較できません。
順位や偏差値は、同じテストを受けた集団の中での位置を見る数字です。
模試が変われば受験者も変わるため、できるだけ同じ模試の推移を見ます。
通知表はテスト1回の点数表ではありません。
現在の中学校の学習評価は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で学習状況を捉え、それをもとに評定を総括します。
通知表だけが下がったなら、点数の反省だけでなく、どの観点と評価材料が下がったかを先生に確認しましょう。
③中3で成績が下がる4つの原因
原因1 テストの範囲と難易度が変わった
中3の実力テストでは、最近習った単元だけでなく、1・2年の内容まで問われることがあります。
定期テストと同じ直前暗記だけでは、広い範囲を思い出しきれません。
平均点との差があまり変わらず、学年全体の点数も下がっているなら、この可能性を先に考えます。
原因2 受験勉強と学校の勉強の配分が崩れた
受験用の問題集に時間を使い、学校ワークや授業の復習が後回しになることがあります。
逆に、提出物だけで一日が終わり、実力テストの復習が残る生徒もいます。
どちらも勉強時間が足りないというより、目的の違う勉強を一つに混ぜた状態です。
原因3 中1・中2の穴が表に出た
英語の文法、数学の計算、国語の語彙などは、前の内容を使って次へ進みます。
答えを見れば分かるのに自力で出せない問題が複数単元にまたがるなら、基礎の再現不足を疑いましょう。
原因4 疲れや不安で勉強が空回りした

受験への焦りから、教材を次々に変えたり、睡眠を削ったりすると、机に向かう時間ほど中身が進まないことがあります。
複数教科が同時に下がり、眠れない、食欲がない、登校がつらい状態まで続くなら、勉強法だけの問題と決めつけないでください。
本人を責める前に、担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどへ相談してよい場面です。
④答案から戻る場所を一つ決める

原因を見つけるときは、答案の間違いを次の3種類に分けます。
●知らなかった・公式や語句を思い出せなかった
●解説を見れば分かるが、自力では手順を作れなかった
●時間不足・読み違い・計算ミスで落とした
1つ目が多ければ、教科書や基本問題へ戻ります。
2つ目が多ければ、解説を読んだ後に何も見ず、途中の考え方から再現します。
3つ目が多ければ、時間を測った小テストと見直し手順を入れます。
ここで大事なのは、「数学を頑張る」のような大きな目標で終わらせないことです。
「一次関数のグラフを何も見ずに5問解く」のように、終わったか分かる大きさまで小さくします。
これなら、今日の勉強で前へ進めたかが自分でも分かりますね。
指導の現場でも、成績が下がった生徒へいきなり勉強量を増やすより、答案を一緒に分けた方が動き出しやすくなります。
戻る場所は、間違いが多かった一教科・一単元から選べば十分です。
⑤最初の7日間は一教科だけ立て直す

全教科を一度に戻そうとすると、計画を作るだけで疲れてしまいます。
最初の7日間は、下がった幅が大きく、次のテストでも使う一教科へ絞りましょう。
1日目:前回と今回の答案を3種類に分ける
2日目:最も多かった弱点の教科書例題へ戻る
3~4日目:基本問題を答えなしで解く
5日目:間違えた問題だけ解き直す
6日目:時間を測って類題を解く
7日目:最初の答案をもう一度解き、変化を確認する
判定基準は「何時間勉強したか」ではありません。
7日前に解けなかった問題を、何も見ずに解けるようになったかで判断します。
できる問題が増えたら、同じ手順を次の単元や教科へ移します。
増えなければ、教材を追加する前に、戻る単元が難しすぎなかったかを見直しましょう。
⑥保護者は追及役より整理役になろう

成績が下がった直後に「受験生なのに、どうするの?」と聞かれると、本人も答えられません。
反省がないのではなく、何から説明すればよいか分からないことも多いのです。
そんな時に必要なのは、長いお説教より、机の上を一緒に整理することです。
まずは「点数、順位、通知表のどれが下がった?」と事実を一つずつ聞いてください。
次に3枚の資料を一緒に並べ、「今週戻すならどの一教科にする?」と相談します。
保護者の役目は判定を下すことではなく、原因を見つける資料をそろえることです。
中3で成績が下がっても、手遅れではありません。
ただし、「そのうち上がる」と放置するのも、「全部やり直せ」と追い込むのも遠回りです。
点数・相対位置・通知表を分け、答案から一つの弱点を選び、7日間動かす。
今日やることは、前回と今回の答案を机に並べるところまででOKです!




●定期テストの素点が下がった
●実力テスト・模試の順位や偏差値が下がった
●通知表の評定が下がった