

先生、共通テストの模試が目標より300点も足りません。300点って、もう別の受験生に生まれ変わるくらいの差ですよね……。

生まれ変わらなくて大丈夫(笑)。ただし、気合で300点を一気に取ろうとすると計画がぼやけるよ。

では、科目ごとに小分けして考えるんですか?

その通り。現在点を同じ条件で測って、300点を科目と失点原因に配れば、今日やる勉強まで見えるよ。
【今回の真実】
共通テストで300点上げることは可能ですが、短期間で誰でも達成できる数字ではありません。合計300点を科目別の増分へ分け、基礎不足と時間不足を別々に直すことが、現実的な第一歩です。まずは答案一回分から始めましょう。
①共通テストで300点上げることは可能。ただし条件がある
②まず同じ条件で現在点を測り、300点を科目へ配る
③失点を4種類に分ければ、やる教材が決まる
④基礎から本番演習までを4段階で進める
⑤残り期間別に300点目標を置き直す
⑥毎週の得点会議で計画を更新しよう
①共通テストで300点上げることは可能。ただし条件がある

結論から言えば、共通テストで300点上げた人はいます。
ただし、それは「この勉強法なら全員300点アップ」という意味ではありません。
300点という数字の大きさに圧倒される気持ちはよくわかりますが、今やることまで300個あるわけではないので安心してください。
実際に、現役時の夏の模試310点から、浪人後の本番623点まで伸ばした事例は合格者インタビューで公開されています。
基礎からやり直し、毎日の学習量を確保し、科目ごとの演習を重ねた長期の一事例です。
300点アップは実在する成果ですが、数日で使える裏技ではなく、学力の土台から作り直した結果と受け止めてください。
1000点換算で300点上げるなら、総得点率を30ポイント上げる計算です。
300点から600点を目指す場合と、650点から950点を目指す場合では、同じ300点でも難しさがまったく違います。
後者はすでに取れている基本問題が多く、残った難しい失点を拾わなければならないからです。
反対に、本番直前の一度の模試だけを見て「あと300点」と焦っているなら、まず条件をそろえて測り直しましょう。
模試の難度や受験科目が違う数字を引き算しても、正しい現在地にはなりません。
②まず同じ条件で現在点を測り、300点を科目へ配る

最初にやるのは、新しい参考書を買うことではありません。
本番と同じ制限時間で一回分を解き、科目別得点を一枚に書き出すことです。
大学入試センターの公式サイトには、過去3年分の問題と正解が掲載されています。
まだ授業で習っていない範囲が多い人は、既習範囲がそろった模試を使ってもかまいません。
次に、志望校の募集要項を開き、実際に利用される科目と換算後の配点を確認します。
共通テストは大学や方式によって利用科目や換算が違うため、素点だけでなく志望校の配点表でも目標を作る必要があります。
以下は、国公立型の1000点換算で420点から720点へ上げる説明用モデルです。
全員にこの配分を勧める表ではありません。
| 教科 | 現在 | 目標 | 増分 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 80 | 140 | +60 |
| 英語 | 80 | 150 | +70 |
| 数学 | 70 | 120 | +50 |
| 地理歴史・公民 | 80 | 150 | +70 |
| 理科 | 50 | 80 | +30 |
| 情報 | 60 | 80 | +20 |
| 合計 | 420 | 720 | +300 |
ポイントは、各教科へ均等に50点ずつ配らないことです。
すでに8割取れている教科より、基礎の穴で4割に止まっている教科のほうが、同じ勉強時間で大きく伸びることがあります。
「好きな教科」ではなく、「基本問題を落としていて、直せば何点戻るか」で増分を決めましょう。
③失点を4種類に分ければ、やる教材が決まる

点数だけを見ても、次の勉強は決まりません。
同じ数学40点でも、公式を知らない人と、最後まで解く時間がない人では処方が逆だからです。
失点は「知識不足」「解法を再現できない」「資料を処理できない」「時間・ミス」の4種類に分けます。
知識不足
用語、公式、英単語、古文単語などを知らず、問題文を読んでも最初の一手が出ない失点です。
教科書、学校教材、基礎参考書の該当箇所へ戻り、短い確認テストまで行います。
解法を再現できない
解説を読めばわかるのに、自力では手順を組めない失点です。
解説を閉じ、白紙から途中式や根拠を再現できるまで同じ型を解き直します。
資料を処理できない
知識はあるのに、長い文章、図表、会話、複数資料から必要な条件を拾えない失点です。
設問が求めるものへ印を付け、根拠となる行や数値を示してから選択肢を切る練習をします。
時間・ミス
粘りすぎ、計算ミス、読み飛ばし、マークのずれで落とした点です。
大問ごとの経過時間を記録し、飛ばす基準と見直す場所を決めます。
失点原因の横に「次回やる一手」を一つだけ書けば、復習は反省会ではなく得点計画になります。
④基礎から本番演習までを4段階で進める

300点差があると、焦って最初から共通テスト形式の問題ばかり解きたくなります。
しかし、知識不足が大きい段階で過去問を続けても、解説を読む時間ばかり増えます。
令和9年度の公式の問題作成方針でも、共通テストは高校段階の基礎的な力を土台にしつつ、知識・技能を使って思考・判断する問題を重視するとされています。
教科書を基礎にしながら、教科書で扱われていない資料を使う場合もあるため、暗記だけでも形式慣れだけでも足りません。
「基礎を覚える勉強」と「初見資料を時間内に処理する勉強」を、段階を分けて両方行うことが大切です。
第1段階:一回分を解き、科目・単元・失点原因を記録する
第2段階:伸びしろの大きい2教科を選び、教科書と基礎教材へ戻る
第3段階:単元ごとに共通テスト形式を解き、根拠と時間を確認する
第4段階:一回分を通して解き、科目別の増分表を更新する
第2段階で扱う教科を二つに絞るのは、残りの教科を捨てるためではありません。
一つの弱点を「自力で正解できる状態」まで仕上げてから次へ移るためです。
過去問を一回分解いた日は、採点だけで終えないでください。
翌日は失点分類と基礎への戻り、数日後は解説なしの再現、週末は似た問題で確認、という流れまで含めて一回分です。
⑤残り期間別に300点目標を置き直す

300点という目標を持つのはよいことです。
ただし、残り時間によって同じ計画を使うことはできません。
残り6か月以上なら300点を長期目標として置き、3〜6か月なら途中目標を細かくし、1か月未満なら300点という数字をいったん外して回収可能な失点へ集中します。
これは達成を保証する日数ではなく、無理な計画を避けるための目安です。
6か月以上ある場合
英語・数学など積み重ねが必要な教科の基礎を先に作り、後半で地理歴史・公民、理科、情報の穴を埋めます。
月末ごとに同条件の一回分を解き、合計点ではなく教科別の増分が予定どおりか確認しましょう。
3〜6か月の場合
全範囲を均等に復習せず、「基本問題の失点が多い」「配点が大きい」「週内に改善確認できる」の三条件が重なる単元から始めます。
2週間ごとに+30点、+40点と小さく区切ると、遅れた教科を早めに修正できます。
1か月未満の場合
ここから300点を必達にすると、教材を広げすぎて今取れる点まで不安定になりがちです。
暗記事項、計算の基本、大問前半、時間配分など、答案から回収場所を選びます。
1か月でも伸ばせる点はありますから、「もう遅い」と決めつける必要はありません。
直前期は「300点足りない」ではなく、「この設問群からあと何点戻すか」へ言葉を変えましょう。
⑥毎週の得点会議で計画を更新しよう

計画は、一度作って机の前に貼ったら完成ではありません。
毎週15分だけ、自分で得点会議を開きましょう。
確認するのは次の4点です。
●今週、解説なしで正解できるようになった単元はどこか
●知識・再現・資料処理・時間のうち、どの失点が減ったか
●来週もっとも点へ変わりやすい一教科・一単元は何か
●睡眠や学校生活を崩さず、実行できる量になっているか
模試の合計点がすぐ動かない週もあります。
基礎を作り直している途中は、学んだ単元が次の模試に少なく、努力が数字に見えないこともあるからです。
そこで合計点だけでなく、「何も見ずに解き直せた問題数」も記録してください。
正解を再現できる問題が増えていれば、得点へ変わる材料はたまっています。
300点は一度に取り返す数字ではなく、今週の10点、次の20点を積み上げた合計です。
まず今日、一回分の答案を机に出し、失点4分類から始めてみましょう!




●現在点が低く、未習・未定着の基礎に大きな伸びしろがある
●本番まで数か月以上あり、毎週の学習を継続できる
●すべての科目を同時に始めず、優先順位を決められる
●同じ満点・科目・制限時間で伸びを測れる