

両親の身長を入れたら将来の身長が出るって聞きました!これで僕の未来は小数点まで決定ですね?

小数点まで決定したら、成長期もずいぶん几帳面だね笑。計算できるのは「遺伝的な目安」で、確定ではないんだ。

じゃあ、予言ではなく参考資料という感じですか?

その通り!式だけでなく、出た数字の読み方まで一緒に覚えておこう。
【今回の真実】
遺伝身長は、両親の身長から将来の身長の中心値と範囲を考える目安です。男の子は中心値から±9cm、女の子は±8cmほど幅があるため、一つの数字で未来が決まったと受け取らず、成長曲線と合わせて見ましょう。
①遺伝身長の計算式は男女でこう違う
②具体例で計算してみよう
③±9cm・±8cmは「誤差」ではなく予測の幅
④計算結果より成長曲線を一緒に見よう
⑤気になるときは何をすればいい?
⑥遺伝身長の数字を上手に使おう
①遺伝身長の計算式は男女でこう違う
さっそく結論からいきましょう!
男の子の予測身長=(父親の身長+母親の身長+13)÷2、女の子の予測身長=(父親の身長+母親の身長-13)÷2です。

この計算で求める値は、医療分野では「予測身長」や「ターゲットハイト」と呼ばれます。
男女で13cmを足し引きするのは、父親と母親の身長を子どもの性別に合わせて補正するためです。
式だけを見ると少し難しく感じるかもしれませんが、やることは両親の身長を足し、13を足すか引くかして、最後に2で割るだけです。
大切なのは、性別によって「+13」と「-13」を使い分けること。
ここを逆にしなければ、電卓で簡単に計算できますよ!
ただし、この計算で出るのは、両親の身長から求めたおおよその目安であり、将来の身長を確定する数字ではありません。
「計算結果ぴったりになる」と考えるのではなく、まずは遺伝的な中心値を知る方法だと捉えてください。
②具体例で計算してみよう

では、父親が172cm、母親が158cmのご家庭を例に計算してみます。
男の子なら、172+158+13=343です。
343を2で割るので、中心値は171.5cmになります。
女の子なら、172+158-13=317です。
317を2で割るので、中心値は158.5cmになります。
予測の幅は男の子が中心値から±9cm、女の子が±8cmです。
したがって、父親172cm、母親158cmの例では、男の子の中心値は171.5cm、予測範囲は162.5〜180.5cm、女の子の中心値は158.5cm、予測範囲は150.5〜166.5cmになります。
●男の子:171.5cmを中心に162.5〜180.5cm
●女の子:158.5cmを中心に150.5〜166.5cm
中心値だけでなく、男の子は18cm、女の子は16cmの幅を持って見るのがポイントです。
意外と広いですよね。
だからこそ、小数点以下まで出た中心値を「自分は絶対にこの身長になる」と受け取らないことが大切なのです。
③±9cm・±8cmは「誤差」ではなく予測の幅

検索していると、計算式の最後にある「±9」「±8」が目に入ると思います。
これは、電卓の計算が間違っているという意味ではありません。
両親が同じ身長でも、子どもの最終身長には個人差があるため、初めから幅を持って考えるという意味です。
兄弟や姉妹でも身長が同じになるとは限りませんよね。
成長には遺伝だけでなく、ホルモンの働きや健康状態、栄養、睡眠、運動など複数の要素が関わります。
そのため、予測範囲は「必ずこの中に収まる保証」でも、「現在からあと何cm伸びるか」を示す数字でもありません。
たとえば今160cmの男の子に「予測範囲の上限が180cmだから、あと20cm伸びる」とは言えないのです。
年齢、思春期の進み方、これまでの伸び方を式に入れていないからですね。
一方で、計算に意味がないわけでもありません。
予測身長は、両親の体格を踏まえて、子どもの成長を考えるときの比較材料になります。
「当たるか外れるか」を競う占いのような使い方ではなく、成長を見る材料の一つとして使うのが正解です。
④計算結果より成長曲線を一緒に見よう
今の成長が順調かを知りたいなら、遺伝身長の一回の計算だけでなく、これまでの記録も見てみましょう。
日本小児内分泌学会は、身長が気になる場合に成長曲線へ記録することを勧めています。
成長曲線は、年齢ごとの身長と体重を点で記録し、どのようなペースで成長しているかを見るグラフです。
母子健康手帳、学校の健康診断、家庭で測った記録など、複数年の数字があると流れをつかみやすくなります。
手元の記録をこう並べよう
難しく考えなくても大丈夫です。
まず、母子健康手帳や学校健診の紙から、測定した日、年齢、身長を古い順に書き出します。
次に、男の子用・女の子用の成長曲線で、年齢と身長が交わる場所に点を打ちます。
最後に点と点をつなげば、その子自身の伸び方が見えてきます。

一回の測定値だけなら「今どこにいるか」しか分かりませんが、記録をつなぐと「どんなペースでここまで来たか」が分かるんですね。
通知表も一つの評定だけでなく変化を見ると次の作戦を立てやすいですが、身長の記録も考え方は似ています。
高い・低いという一言で終わらせず、まず経過を見ることが大切です。
ここで見たいのは、友達より高いか低いかだけではありません。
その子なりの曲線に沿って伸びているか、以前と比べて伸び方が大きく変わっていないかを見ます。
同学会の解説では、成長曲線の-2.0SDから+2.0SDに約95%の子どもが含まれます。
ただし、範囲内なら何も見なくてよい、範囲外なら病気だ、と単純に決めるものではありません。
現在の位置と、これまでの伸び方の両方を確認することが大切です。
遺伝身長は両親から見た目安、成長曲線は本人の時間の流れを見せる記録。
この二つは役割が違うと覚えておくと、数字を落ち着いて読めますよ。
⑤気になるときは何をすればいい?

計算結果を見て不安になったとき、まず避けたいのは、本人を責めたり、特定の食品やサプリメントだけに答えを求めたりすることです。
身長は努力の点数ではありません。
本人に「夜更かししたから低い」「好き嫌いのせいだ」と決めつけても、前向きな行動にはつながりにくいでしょう。
家庭でできるのは、特別な裏技ではなく、食事全体のバランス、無理のない運動、睡眠や生活リズムを整えることです。
これは「何cm伸びる」と約束する方法ではなく、健やかに成長できる土台を整える考え方です。
身長が基準範囲から大きく外れている、伸び方が以前より明らかに鈍くなったなど、成長曲線で気になる変化があれば、小児科で相談しましょう。
日本小児内分泌学会も、成長パターンによっては早めに小児科医へ相談することを勧めています。
その際は、一回測った身長だけでなく、母子健康手帳や学校健診の記録を持参すると、経過を伝えやすくなります。
心配を抱えたままインターネットの数字を見比べ続けるより、記録をそろえて専門家に聞くほうが次の行動がはっきりします。
⑥遺伝身長の数字を上手に使おう

遺伝身長の計算は、とても手軽です。
その一方で、手軽だからこそ結果の一つの数字だけが頭に残りやすいんですね。
最後に、使い方を三つに整理します。
●男女別の式で中心値を計算する
●男の子は±9cm、女の子は±8cmの幅で見る
●現在の成長は、過去の記録を成長曲線に並べて確認する
遺伝身長は未来を決める判定表ではなく、成長について落ち着いて考えるためのスタート地点です。
中心値より高い、低いだけで一喜一憂しなくて大丈夫です。
まずは式を正しく使い、次に本人の成長記録を見る。
気になる変化があれば専門家へ相談する。
この順番なら、数字に振り回されず、今できることへ目を向けられますよ!




●男の子:(父親の身長+母親の身長+13)÷2
●女の子:(父親の身長+母親の身長-13)÷2