



【今回の真実】
進学校の定期テストは難しくなりやすいものの、低い点数だけで学力低下とは判断できません。校内平均と失点原因を確認し、テスト直前の暗記から、授業ごとに理解を完成させる勉強へ切り替えることが立て直しの近道です。
①進学校の定期テストが難しいと感じるのは自然
②中学より点数が下がりやすい3つの理由
③点数より先に見るべき4つの材料
④直前勝負をやめる毎日の勉強法5選
⑤平均点を下回った後の立て直し方
⑥保護者は点数より作戦を聞こう
①進学校の定期テストが難しいと感じるのは自然
先に結論を言うと、進学校の定期テストを難しいと感じること自体は、まったく不思議ではありません。
大学入試センターと東京大学の研究者による2016年の高校1年生調査では、全国5地域の17校、約4800人を対象にしています。
そのうち進学校9校では、「定期考査は難しい」が「よくあてはまる」と答えた割合が58%で、進学中堅校8校の33%より高い結果でした。
ただし、これは特定の年度・協力校で行われた調査です。
すべての進学校のテストが同じ難易度だと決める数字ではありませんが、進学校でテストの難しさに戸惑う高校1年生は、自分だけではないと考える材料にはなります。
中学で90点だった人が高校で60点になったとしても、それだけで学力が落ちたとは言えません。
問題の難易度も、比べる集団も変わっているからです。
高校に合格するまでに身につけた力が、入学した途端に消えたわけではありません。
ここはまず、落ち着いて大丈夫です。
「中学より何点下がったか」ではなく、今いる学校の平均点や得点分布の中で結果を見ましょう。
②中学より点数が下がりやすい3つの理由
学ぶ速さと量が増える
高校では科目が細かく分かれ、短い期間でも学習内容がどんどん進みます。
試験範囲が発表されてから全部理解しようとすると、暗記を始める前に時間切れになりがちです。
「覚えた」だけでは解けない問題が入る
高校の定期テストは、中学より応用問題の割合が高まりやすいとZ会も説明しています。
数学なら公式を覚えるだけでなく、どの条件で使うかを判断する必要があります。
英語や国語でも、授業で扱った知識を初めて見る文章へ使う問題が入ることがあります。
周りも中学時代の上位層である
入試を通って近い学力の生徒が集まるため、中学時代と同じ点を取っても順位は同じになりません。
これは急に自分だけができなくなったのではなく、比較する集団が変わった影響です。
一方、作問方針は学校や担当の先生によって違います。
「進学校なら何点が普通」と全国共通の点数を探すより、自校の平均点・授業・問題集を基準にするほうが正確です。
③点数より先に見るべき4つの材料
答案が返ってきたら、点数の大きさだけで反省会を始めないでください。
●校内順位と前回からの変化
●どの問題で、なぜ失点したか
●追試・評価・課題に関する自校のルール
平均点が45点のテストで60点なら、数字の印象とは違う見え方になります。
反対に、平均点が80点なら、知識の抜けを急いで調べる必要があります。
定期考査を評価・評定や進学指導に利用すると公表している高校もありますが、具体的な扱いは学校ごとに異なります。
推薦や進級が気になる場合は、ネットの一般論で決めず、生徒手帳や学校の評価資料を読み、担任や教科担当へ確認しましょう。
また、定期テストと模試は役割が違います。
定期テストは授業範囲の理解を確かめるもの、模試や外部実力テストは校外を含む集団の中で実力を見る材料です。
定期テストは軽視せず、しかし大学受験の実力すべてを表す数字とも考えないのが大切です。
④直前勝負をやめる毎日の勉強法5選
進学校のテスト対策で一番変えたいのは、勉強時間の長さより開始地点です。
テスト前だけ頑張るのではなく、授業を受けた日から小さく仕上げていきます。
以下の5つを最初から完璧にこなす必要はないので、まず一つ選んでみてください。
1.授業中の疑問に印を付ける
分からない場所をそのままノートの海へ沈めず、印を付けます。
その日のうちに教科書や解説で調べ、解決しなければ先生へ質問しましょう。
2.翌日、何も見ずに解き直す
解説を読んで分かった状態と、一人で解ける状態は別物です。
翌日に答えを閉じて再現できれば、理解が定着へ進んでいます。
3.学校教材を先に完成させる
新しい参考書を増やす前に、授業プリント、教科書、学校の問題集を自力で説明できる状態にします。
進学校の難問が怖くても、土台の取りこぼしを残したまま難問だけ集めるのは非効率です。
4.応用問題は考え方を言葉にする
正解を写すのではなく、「なぜこの公式か」「最初の一手は何か」を一行で残します。
数字や文章が変わっても使える解き方になります。
5.週末に未解決だけ回収する
平日に付けた印を見直し、分からない問題を翌週へ持ち越さないようにします。
毎日の目標は長時間勉強ではなく、「今日の分からないを今日のうちに見つけること」です。
⑤平均点を下回った後の立て直し方
指導していると、中学では上位だった生徒ほど、最初の低得点で自信を失う場面があります。
真面目だからこそ、「もっと長く勉強しなければ」と一気に予定を増やしてしまうのです。
しかし、原因を見ずに時間だけ増やすと、同じ失点を繰り返すことがあります。
まず答案の間違いを、次の4種類に分けてください。
●再現不足:解説なら分かるが一人で解けなかった
●応用不足:条件が変わると使い方を判断できなかった
●時間・ミス:時間配分、読み違い、計算ミスがあった
一番多い原因から、一教科ずつ直します。
全部の教科を一度に大改造しようとすると、計画を立てただけで疲れてしまいますからね(笑)。
知識不足なら小テスト形式、再現不足なら翌日の解き直し、応用不足なら類題で最初の一手を説明する練習が合います。
時間不足なら、本番と同じ制限時間で大問ごとの配分を試しましょう。
点数を上げる最短ルートは、勉強量をむやみに倍にすることではなく、一番多い失点原因へ勉強法を合わせることです。
⑥保護者は点数より作戦を聞こう
お子さんが中学時代より低い点を取ると、保護者の方も驚きますよね。
ただ、「どうしてこんな点なの?」から入ると、本人はすでに感じている焦りを守るため、答案を見せにくくなります。
最初の声かけは、「平均点はどのくらいだった?」「どの問題なら次は直せそう?」がおすすめです。
点数の評価ではなく、状況と次の一手を一緒に探す質問だからです。
生活リズムが崩れているなら、勉強計画の前に睡眠と帰宅後の時間を整えます。
特定の科目だけ分からないなら教科担当へ、複数科目で課題が回らないなら担任や家庭教師へ相談すると、困りごとを整理しやすくなります。
進学校での最初のつまずきは、能力の限界ではなく、高校用の勉強へ切り替える合図です。
定期テストを自信の判決にせず、次の授業から何を変えるかを教えてくれる診断として使っていきましょう!








