



【今回の真実】
成績がオール2でも、偏差値は一律には決まりません。9教科の評定合計18と、模試で測る学力を分けて確認し、地域の入試制度と照らせば、今の進路と次に上げる教科が見えてきます。
①成績がオール2でも偏差値は決まらない
②オール2は9教科で内申18
③高校の選択肢は3つの数字で見る
④成績2の原因は教科ごとに違う
⑤オール2から動く最初の4手順
⑥保護者は責めるより作戦会議を
①成績がオール2でも偏差値は決まらない
早速、いちばん知りたいことからお答えします。
成績がオール2だから偏差値は必ず35、40などと一律に換算することはできません。
ネットでは「オール2の偏差値は35〜45前後」と説明されることがあります。
実際にその範囲へ入る生徒さんはいるでしょうし、進路を考え始める参考にはなります。
ただし、これは本人の偏差値を確定する数字ではありません。
通知表の評定は、学校で学んだ内容へどこまで到達したかを教科ごとに評価したものです。
一方の偏差値は、同じ模試を受けた集団の中で、自分の得点がどの位置にあるかを表します。
そもそも測っているものが違うわけですね。
提出物や授業内の課題に弱点があって評定2でも、模試では得点できる生徒さんがいます。
反対に、提出物は出していても、広い範囲から出る模試になると基本が抜けている場合もあります。
ですから「自分の偏差値はいくつ?」への一番確かな答えは、住んでいる地域の高校受験向け模試を受け、その成績表で確認することです。
高校名に載っている偏差値表と比べるときも、できるだけ同じ模試会社の判定を使いましょう。
②オール2は9教科で内申18
国語・数学・英語・理科・社会と実技4教科を合わせた9教科がすべて2なら、単純合計は18です。
これを一般に素内申18と呼ぶことがあります。
ただ、18という数字だけを見て「学力がこの順位だ」とは判断できません。
文部科学省の中学校用指導要録資料では、評定2は教科の目標に照らして「努力を要する」状況とされています。
評定は順位で一律に人数を振り分ける数字ではなく、目標への到達状況をまとめたものです。
さらに、観点別の評価を評定へどうまとめるか、その適切な決定方法は各学校で定めます。
つまりオール2は注意したい状態ですが、「頭が悪い」「高校へ行けない」と決める判決ではありません。
2が並んだ通知表は、9教科それぞれに改善材料が残っているというサインです。
ここは落ち込むだけで終わらず、どの教科から3へ近づけるかを見る資料にしましょう。
③高校の選択肢は3つの数字で見る
「オール2で行ける高校を教えて」と思うかもしれません。
ですが、全国共通の学校一覧をそのまま信じるのは危険です。
高校入試で内申を使う学年、実技教科の倍率、学力検査との比率は地域や学校で異なります。
たとえば神奈川県の令和9年度公立高校入試では、調査書と学力検査の取扱い比率を学校・学科ごとに設定します。
同じ素内申18でも、受ける学校によって重みが変わるということですね。
志望校との距離は「地域方式で換算した内申」「地域模試の判定」「過去問の得点」の3つで確認しましょう。
まず都道府県教育委員会の最新案内を見て、自分の内申を入試用の点へ換算します。
次に地域の模試を受け、学力検査でどれくらい取れそうかを確認します。
最後に志望校の過去問を本番と同じ時間で解けば、残りの差が具体的に見えます。
私立高校も、推薦・併願優遇・一般入試などで基準が違います。
学校説明会や募集要項で、自分の成績で利用できる方式を必ず確認してください。
全日制だけでなく定時制や通信制もありますが、「入りやすさ」だけでなく、通い方や学びたい内容まで見て選ぶことが大切です。
④成績2の原因は教科ごとに違う
中学校の学習評価は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で整理されています。
言葉だけ見ると少し難しいですよね。
手元の資料へ置き換えると、定期テストや小テスト、記述問題やレポート、授業内の課題や振り返りなどです。
大切なのは、2の原因を「勉強不足」の一言で片づけないことです。
●用語や計算方法を覚えていない
●覚えた知識を記述や応用問題で使えない
●提出物、レポート、振り返りに不足がある
同じ2でも、直す場所はこれだけ違います。
通知表の観点別評価と返却された答案を並べ、どの評価材料が足りなかったかを教科担当の先生へ聞きましょう。
「何点なら3ですか?」だけでは、先生も答えにくいものです。
「次の学期に3へ近づくには、テスト・提出物・授業内課題のどこを直すとよいですか?」と聞くと、行動につながる答えを得やすくなります。
⑤オール2から動く最初の4手順
オール2を見ると、9教科を一気に何とかしたくなります。
でも、全部へ同時に手を出すと、やることが多すぎて止まりやすいんですよね。
1000人以上を指導してきた中でも、成績が低い時ほど「長時間やる」より「直す場所を一つ決める」ほうが、最初の行動につながりやすいと感じます。
次の4手順で始めてみましょう。
手順1:上げる教科を一つ選ぶ
比較的取り組みやすい教科か、先生から改善点を具体的に聞けた教科を一つ選びます。
手順2:基本問題まで戻る
学校の教科書、ワーク、プリントから、答えを見れば分かる問題ではなく、何も見ずに解ける基本問題を増やします。
手順3:未提出をなくす
提出期限と内容を一覧にし、出すだけでなく、間違いを直した状態で提出します。
手順4:1週間後に確かめる
解いた問題から少数を選び、答えを隠してもう一度解きます。
できなければ、勉強時間より復習の間隔や解き直し方を変えましょう。
最初の目標はオール3ではなく、「一教科で、3へ近づく評価材料を一つ増やす」です。
小さく見えても、ここから通知表の景色が変わり始めますよ。
⑥保護者は責めるより作戦会議を
保護者の方も、オール2を見た瞬間は焦ると思います。
ただ「どうしてこんな成績なの!」と責めると、お子さんは原因より自分を否定されたように感じ、答案や提出状況を隠したくなるかもしれません。
まずは「一番困っている教科はどれ?」「分からないのか、取りかかれないのか」と聞いてみてください。
体調、欠席、生活リズム、人間関係など、勉強より先に整えたい事情がある場合は、学校の先生や相談機関を頼って大丈夫です。
オール2は進路を諦める数字ではなく、親子と先生で作戦会議を始める数字です。
偏差値は模試で測る。
内申は教科別・観点別に原因を探す。
高校は地域の最新ルールで選ぶ。
この3つを混ぜずに進めれば、今やることはずっと分かりやすくなります。
焦って9教科を全部抱えず、今日まず一教科の資料を机へ並べるところから始めましょう!








