



【今回の真実】
成績が悪いと感じたら、勉強時間を増やす前に「テスト・通知表・模試のどれか」を分けましょう。比べる基準と原因が決まれば、最初に直す一教科・一行動まで具体的にできます。
①成績が悪いの基準は一つではない
②テスト・通知表・模試を混ぜずに見る
③悪い原因を三方向に分ける
④手元の資料から最初の一手を決める
⑤一週間は一教科・一原因だけ直す
⑥保護者は評価より質問から始める
①成績が悪いの基準は一つではない
「成績が悪い」と言われると、自分の頭のよさまで否定されたように感じる生徒さんがいます。
しかし、まず切り離して考えてほしいことがあります。
ここは、本当に大事です。
悪いのは本人ではなく、ある基準と比べた今回の結果です。
定期テストなら、平均点より低かったのか、前回より下がったのか、目標点に届かなかったのかで意味が違います。
同じ点数でも、問題の難しさや自分の目標が違えば、受け止め方は変わりますよね。
通知表も同じです。
中学校の評定は、一回の定期テストの点数そのものではなく、各教科の学習状況を総括した評価です。
評定の適切な決定方法は各学校が定めるため、全国共通の「何点なら成績が悪い」という一本線は引けません。
ですので、最初に「何と比べて悪いと感じたのか」を言葉にしましょう。
●前回の自分の結果
●志望校や次のテストで必要な目標
●通知表の観点別評価
この比較相手が決まらないまま「もっと頑張る」と言っても、行動には変わりません。
成績を直す第一歩は、反省ではなく基準を決めることです。
②テスト・通知表・模試を混ぜずに見る
ひとくちに成績と言っても、学校の定期テスト、通知表、模試は別のものです。
三つを一緒にすると、「全部ダメだった」という大きすぎる結論になってしまいます。
では、何が違うのかを順番に見ていきましょう!
定期テストは学習範囲の理解を見る
定期テストでは、範囲内で知らなかった問題、解き方を再現できなかった問題、時間不足や見直しで落とした問題を確認します。
点数だけでなく、答案のどこで失点したかを見るのが大切です。
通知表は学校での学習状況をまとめて見る
現在の観点別評価は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三つで整理されています。
テストの点数が思ったより高かったのに評定が低いなら、記述課題、レポート、振り返りなど、テスト以外の評価材料も確認する必要があります。
ただし、何をどのように評定へまとめるかは学校で定められます。
自校の評価資料と先生の説明を確かめるのが一番早いですね。
模試は受験者の中での位置と弱点を見る
模試では、学校のテストと同じ点数感覚で判断しないことが大切です。
成績表にある平均、判定、設問別の正答状況など、その模試が示す資料を使って確認しましょう。
まず「悪かったのはテスト・通知表・模試のどれか」を一つ選ぶだけで、見る資料が決まります。
③悪い原因を三方向に分ける
原因がわからないと、人はつい「やる気がない」「頭が悪い」で話を終わらせてしまいます。
でも、その二つだけでは次の行動を決められません。
この記事では原因を「量」「やり方」「土台や生活」の三方向に整理します。
量が足りていない
授業後に復習していない、提出のために一度解いただけ、テスト範囲に手をつけていないという状態です。
この場合は、使える時間と取り組む範囲を小さく決める必要があります。
やっているが点数に変わっていない
解説を読んでわかったところで終わる、答えを見ながら解く、間違いを解き直していないという状態です。
ここでは勉強時間を増やすより、答えを閉じて自力でできるかを確かめるほうが先です。
前の土台や生活面で止まっている
今の単元より前の内容が抜けている、授業中から理解できない、睡眠や体調、学校生活の悩みで集中できないという場合です。
この状態で今の問題だけを何度も解いても、苦しさが増えることがあります。
勉強量を増やす前に、量・やり方・土台や生活のどこで止まったかを見分けましょう。
一つに決めきれないときは、それで構いません。
まず可能性の高いものを一つ試し、一週間後の結果で見直せばよいのです。
④手元の資料から最初の一手を決める
原因探しは、記憶だけで反省会をするより、手元の資料を並べたほうが正確です。
やることは難しくありません。
定期テストなら、問題用紙、答案、模範解答、テスト範囲表を用意します。
間違いを「知らなかった」「解き方を再現できなかった」「時間や確認で落とした」に分け、最も多いものを数えてみましょう。
通知表なら、観点別評価、学校から配られた評価の説明、返却された課題を並べます。
どの観点が弱いのか分からなければ、教科担当の先生へ「次の評価までに、どの課題をどう直すとよいですか」と聞けば具体的です。
模試なら、判定だけで終わらず、教科差と設問別結果を見ます。
難しい問題を全部追うのではなく、習った範囲で正解できるはずだった問題を先に選びましょう。
資料を見て決めるのは、「一番悪い教科」ではなく「今の自分が一番直しやすい失点」です。
文部科学省も、学習評価を児童生徒の学習改善につなげることを基本方向として示しています。
成績は落ち込むための紙ではなく、次の学習を直す材料として使ってこそ意味があります。
⑤一週間は一教科・一原因だけ直す
成績が悪いと、五教科すべての計画を一気に作りたくなるかもしれません。
ところが、計画が大きいほど、できなかったときに原因がまた分からなくなります。
最初の一週間は、次のように小さく始めてください。
●直す原因を一つ決める
●学校教材の範囲を小さく区切る
●答えを閉じて解く
●一週間後に同じ問題で確かめる
たとえば英単語を覚えていなかったなら、広いテスト範囲を最初から全部やり直す必要はありません。
まず間違えた単語に絞り、翌日と一週間後に答えを見ずに確認します。
数学の解き方を再現できなかったなら、類題を増やす前に、間違えた一問の途中式を自分で説明できる状態へ戻しましょう。
一週間後にできたか確かめれば、選んだ対策が合っていたかを判断できます。
できなければ、意志の弱さで片づけず、範囲が広すぎなかったか、戻る単元が違わなかったかを調整します。
この小さな修正が、漠然とした「成績が悪い」を具体的な勉強へ変えてくれますよ。
⑥保護者は評価より質問から始める
保護者の方は、悪い結果を見ると「どうしてこんな点数なの」と聞きたくなりますよね。
心配しているからこその言葉ですが、本人にも原因が分からないと「分からない」「次は頑張る」で会話が止まりがちです。
ここで会話をあきらめなくて大丈夫です。
最初は評価ではなく、資料を一緒に見るための質問に変えてみましょう。
●やらなかったのと、やったけれどできなかったのはどちら?
●一教科だけ直すなら、どれから始められそう?
●先生に確認したいことはある?
親の役割は答えを決めることより、本人が原因と最初の一手を言葉にするのを手伝うことです。
もし、睡眠の乱れ、強い落ち込み、登校のつらさなどが続いているなら、勉強計画だけで解決しようとしないでください。
担任、養護教諭、スクールカウンセラーなど、学校で相談しやすい相手につなぐことも大切な一手です。
成績が悪いという言葉は大きく見えますが、実際に直す行動は小さくできます。
テスト・通知表・模試のどれかを選び、資料を一つ開き、一教科の一原因から始めましょう。
今日決めるのは「もっと頑張る」ではなく、「何を一つ確かめるか」です。









