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勉強お役立ちコラム

漢文でひらがなに直す漢字一覧!残す字と置き字の見分け方も解説

図書室で漢文の参考書を開き、ひらがなに直す漢字を確認する高校生

ステコ
ステコ

書き下し文で「不」をそのまま書いたら、また直されました。漢字をたくさん書いたのに、むしろ減点ですか?


野口先生
野口先生

漢文では、漢字を残すほど立派な答案になるわけではないんだ(笑)。「不」は打消しの助動詞として読むなら「ず」と書こう。


ステコ
ステコ

では、ひらがなにする漢字を全部丸暗記します!


野口先生
野口先生

一覧は使ってOK!ただし、同じ字でも役割によって書き方が変わる。最後は「この文で何の働きをしているか」を見よう。

【今回の真実】

漢文でひらがなに直すのは、原則として助詞・助動詞の働きをする漢字です。ただ一覧を暗記するだけでなく、漢字で残す用法、書かない置き字、二度読む再読文字まで分けると迷いません。

 

①ひらがなに直すのは助詞・助動詞

オンライン授業で漢文の助詞・助動詞の見分け方を教わる高校生

最初に答えをはっきりさせましょう。
書き下し文では、日本語の助詞・助動詞に当たる漢字をひらがなに直すのが原則です。

たとえば「不知」を「知らず」と書くとき、「知」は動作の中身を表す動詞なので漢字で残します。
一方、「不」は打消しの助動詞「ず」の働きをするため、ひらがなにします。

書き下し文とは、白文を返り点や送り仮名に従い、日本語の語順の漢字かな交じり文へ直したものです。
現代語訳とは違うので、「分かりません」のような現代の言い方へ置き換える必要はありません。

まず覚える大原則

意味の中心になる名詞・動詞などは漢字で残す
文と文、語と語をつなぐ助詞はひらがなにする
打消し・推量・使役などを添える助動詞はひらがなにする

ただし、「この漢字はいつでもひらがな」と一字ずつ固定して覚えるのは危険です。
同じ漢字が、別の文では名詞や動詞として働くこともあるからです。

一覧は入口として使い、最後はその文での役割を確かめる。
これが一番大切な見方です。

 

②ひらがなに直す漢字の頻出一覧

色分けした暗記カードと漢文の参考書を広げて頻出字を整理する机の上

まずは、定期テストや問題集で見かけやすい字を、助詞と助動詞に分けて確認しましょう。
読み方は文脈や活用によって「ず」が「ざる」になるなど変化します。

助詞としてひらがなにする頻出字

助詞の頻出一覧

之=の
与=と
自・従・由=より
者=は
耶・邪=や、か
哉・乎=かな、や、か
耳・而已・爾=のみ

「王之道」なら「王の道」、「A与B」なら「AとB」のように、語と語の関係を示します。
ここでの「の」「と」は意味の中心になる語ではないため、ひらがなです。

助動詞としてひらがなにする頻出字

助動詞の頻出一覧

不・弗=ず
可=べし
使・令=しむ
見・被=る、らる
如・若=ごとし
也=なり

「不学」なら「学ばず」、「可行」なら文脈に応じて「行くべし」のように書き下します。
使役の「しむ」、受身の「る・らる」、比況の「ごとし」、断定の「なり」もひらがなです。

最初は「不=ず」のように字と基本形を組み合わせ、その後で活用した形まで声に出すと覚えやすくなります。

この一覧は、どの文章でも同じ読みになるという表ではありません。
次の節で、同じ字の別の顔を見ていきましょう。

一覧が長く見えても、今日一日で全部覚えなくて大丈夫です。
まずは教科書で出会った字に印を付け、実際の文とセットで少しずつ増やしていきましょう。

 

③同じ漢字でも役割が違えば書き方が変わる

同じ形の木札が二つの道へ分かれ、役割によって書き方が変わることを表した図

ここが、一覧だけを眺めて終わるとつまずきやすいところです。

たとえば「者」は、主題を示す「は」ならひらがなにします。
しかし、「学ぶ者」のように人や物を表す名詞なら「者」と漢字で残します。

「之」も、助詞の「の」ならひらがなですが、代名詞の「これ」や動詞の「ゆく」と読む場合は、助詞ではありません。
「与」は「と」ならひらがなですが、「あたふ」という動詞なら漢字で残します。

字だけで決めない要注意例

者:は/者(もの)
之:の/之(これ・ゆく)
与:と/与ふ
若:ごとし/若し・若(なんぢ)
見:る・らる/見る

判断基準は、字の名前ではなく、その文で助詞・助動詞として働いているかどうかです。

指導していると、「不はひらがな、者もひらがな」と単語カードだけで覚えた生徒ほど、少し違う用法で手が止まりやすい傾向があります。
反対に、「誰が・何を・どうする」を先に取り、品詞の役割を考える生徒は、初めて見る文にも対応しやすくなります。

迷ったら、前後を含めて日本語に直してみましょう。
「の」「は」「と」「ず」「べし」のような文法の部品になればひらがな、「者」「見る」「与ふ」のように意味の中心になれば漢字、と整理できます。

 

④置き字と再読文字は分けて考える

しおりを使って返り点と再読文字の読む順番をたどる高校生と先生

漢文には、ひらがなに直す字のほかに「書き下し文へ直接書かない字」と「二度読む字」があります。
ここを同じ箱へ入れないことが大切です。

置き字は書き下し文に直接書かない

而・於・于・乎・兮・焉・矣などは、文中で置き字として使われることがあります。
置き字は、意味や文法上の働きを前後の送り仮名などへ反映させますが、置き字そのものをひらがなに直して書くわけではありません。

ただし、「乎」が疑問・反語の「か・や」になるなど、同じ字を実際に読む用法もあります。
「この字を見たら必ず消す」とは考えず、訓点と句形を確認しましょう。

再読文字は二度目の読みがひらがな

再読文字は一つの字を二度読みます。
一度目は副詞として漢字で書き、二度目は助動詞としてひらがなにするのが基本です。

代表的な再読文字

未だ~ず
将に~んとす
且に~んとす
当に~べし
宜しく~べし
須らく~べし
猶ほ~ごとし

たとえば「未」は「未だ~ず」となり、最初の「未だ」は漢字、二度目の「ず」はひらがなです。
再読文字は「一字を漢字かひらがなのどちらか一方に決める問題」ではありません。

 

⑤3ステップで漢字かひらがなかを決める

実際の問題では、一覧を思い出すだけでなく、次の順番で処理しましょう。

判定の3ステップ

1.返り点に従い、日本語の語順へ並べる
2.各字が意味の中心か、助詞・助動詞かを見る
3.置き字・再読文字を別枠で確認する

語順を整える・役割を見る・置き字と再読文字を確認するという判定3ステップを表した図

一番よくないのは、白文を見た瞬間に「不を消す」「之をのにする」と、前後を見ずに置換することです。
まず文の骨組みを取り、その後で表記を整えましょう。

たとえば「人不知之」を考えます。
返り点や文脈に従って「人之を知らず」と書き下すなら、最初の「人」と「知」は意味の中心なので漢字です。
「不」は打消しの助動詞なので「ず」、「之」はここでは目的語を表す代名詞なので「之」と残します。

先に文の意味をざっくり取り、最後に漢字・ひらがなの表記を点検するほうが、機械的な置換ミスを減らせます。

答案を書いたら、ひらがなにした字だけを指で追い、「助詞か助動詞と説明できるか」を確認してみてください。
説明できない字があれば、そこが見直す場所です。

 

⑥例題で確認して覚えよう

ベンチで暗記カードを出し合い、書き下し文の例題を確認し合う高校生2人

最後に短い例で確認します。
答えを見る前に、ひらがなにする字、漢字で残す字、書かない字へ分けてみましょう。

例1「不知」

答えは「知らず」です。
「知」は動詞として漢字で残し、「不」は打消しの助動詞「ず」にします。

例2「王之道」

答えは「王の道」です。
「之」は二つの名詞を結ぶ助詞「の」なので、ひらがなにします。

例3「未見」

文の続きにもよりますが、基本の形は「未だ見ず」です。
「未」は再読文字なので、一度目は「未だ」と漢字で書き、二度目は打消しの「ず」とひらがなにします。

一覧を覚えるときは、字だけでなく「短い書き下し文」までセットにしましょう。
「不・ず」と唱えるだけより、「知らず」と実際の形で覚えたほうが、答案で使える知識になります。

漢文は、ルールが多そうに見えて最初は戸惑います。
でも、ひらがなに直す字、漢字で残す字、書かない置き字、二度読む再読文字の四つに仕分ければ、頭の中はかなりすっきりします。

まずは教科書の書き下し文を一つ選び、助詞・助動詞だけに線を引いてみてください。
丸暗記した一覧を、実際の文の中で使える知識へ変えることが仕上げです。

一問で迷っても、「自分は漢文が苦手だ」と決めつけなくて大丈夫です。
迷った字の役割を一つ説明できるようになれば、次の文章ではちゃんと判断材料が増えていますよ。

 

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