

古典の勉強を始めようと思ったんですが、古文と漢文が同じ引き出しに入って、もう開かなくなりました……。

引き出しが早くも故障したね(笑)。古典は大きな分野名で、学校では主に古文と漢文を学ぶんだ。

では、古文文法を覚えたら漢文も読めますか?

共通する部分はあるけれど、入口は別だよ。漢文はまず返り点、書き下し文、句法の順に土台を作ろう!
【今回の真実】
高校国語でいう古典は、主に古文と漢文を含む大きな分野です。漢文を伸ばすなら古文と一緒くたにせず、返り点、書き下し文、句法、読解の順に一段ずつ進めましょう。
①古典と漢文の関係を先に整理しよう
②古文と漢文は何が違う?
③漢文は4段階で読めるようにする
④「覚えたのに解けない」の原因を分ける
⑤古典全体は短く往復して勉強する
⑥古典漢文の勉強を今日から始めよう
①古典と漢文の関係を先に整理しよう

「古典漢文」という言葉を見ると、古典と漢文が別々の教科のように感じるかもしれません。
しかし、高校国語の範囲で考えるなら、古典は大きな分野名で、その中に主に古文と漢文があると整理すると分かりやすいです。
文部科学省の高等学校学習指導要領解説でも、選択科目「古典探究」は主に古文・漢文を教材として学ぶ科目とされています。
古文は、昔の日本語で書かれた文章を読む学習です。
一方の漢文は、中国の古典などを、日本語の語順や表現に直して読む学習が中心になります。
つまり「古典が苦手」というだけでは、まだ苦手の場所が分かりません。
古文の単語で止まっているのか、漢文の返り点で止まっているのかを分けるところがスタートです。
②古文と漢文は何が違う?

古文と漢文は、現代語訳して内容をつかむというゴールには共通点があります。
ただし、そこへ行くまでに覚える土台が違います。
| 分野 | 最初に固めるもの | 読解で見るもの |
|---|---|---|
| 古文 | 古文単語・用言・助動詞・敬語 | 主語・人物関係・場面の変化 |
| 漢文 | 返り点・書き下し文・基本句法 | 発言者・人物関係・対比・主張 |
古文では、同じ言葉でも現代とは意味が違う古語や、助動詞の意味を見分ける力が欠かせません。
漢文では、まず日本語としてどの順番で読むかを決め、それから句法と文脈を使って意味を取ります。
書き下し文の中には古文と共通する文語表現も出てきますが、だからといって勉強の入口まで同じではありません。
古文の知識不足と漢文の訓読不足を混ぜないことが、遠回りを防ぐ大事なポイントです。
③漢文は4段階で読めるようにする

漢文がまったく読めないときに、いきなり長い入試問題へ進む必要はありません。
次の4段階で、一文を正しく読める状態から作りましょう。
第1段階 返り点で読む順番を決める
最初はレ点と一二点を使い、漢字をどの順番で読むかを確認します。
返り点の名前を言えるだけではなく、実際の文に番号を振れることが目標です。
第2段階 書き下し文を作る
読む順番を直したら、送り仮名や置き字に注意しながら、日本語として読める形にします。
書き下し文と現代語訳は別物です。
ここで意味まできれいな現代語にしようとすると、どこで間違えたのか分からなくなります。
第3段階 基本句法を文の中で覚える
否定、疑問・反語、使役、受身、比較などは、形だけでなく短い例文と訳をセットにしましょう。
たとえば反語なら、目印を見つけた後に「結局、話し手は何を強く言いたいのか」まで確認します。
第4段階 人物関係と主張を追う
一文が読めるようになったら、誰の発言か、誰が行動したか、何と何が対比されているかを追います。
返り点→書き下し文→句法→内容理解の順を崩さないことが、漢文を安定して読む近道です。
練習するときは、答えを見る前に「どこまでは自力でできたか」を残しておきましょう。
読む順番は合っていたのに訳がずれたなら、返り点まで戻る必要はありません。
反対に、最初の語順から崩れているのに句法だけを暗記しても、なかなか文章にはつながりません。
私は、ノートを「白文」「書き下し文」「現代語訳」の3つに分けて対応させる方法をおすすめします。
一つの文を横に見比べられるので、「順番のミス」と「意味のミス」を分けやすくなりますよ。
④「覚えたのに解けない」の原因を分ける

句法集を何周もしたのに、初めて見る文章になると解けない。
これは珍しいことではありません。
知識が足りないとは限らず、知識を本文で使う練習が不足している場合もあります。
間違えた問題は、次の4種類に分けてください。
●訓読:返り点や送り仮名で間違えた
●知識:句法や重要語を思い出せなかった
●文脈:人物、指示語、対比を追えなかった
●設問:本文は読めたが、選択肢や記述の根拠を外した
点数を上げるには、勉強量を増やす前に、どの段階で止まったかを見つけることが先です。
指導していても、漢文が苦手だと思っていた生徒さんが、実は一二点の読み順だけで毎回つまずいていた、ということはあります。
その場合は句法を全部覚え直すより、返り点の短文を数題やり直すほうが話は早いですよね。
原因が分かれば、古典は「何となく読めない教科」ではなく、直す場所が見える教科になります。
⑤古典全体は短く往復して勉強する

古文も漢文も苦手な人は、片方を何週間も続けてから、もう片方へ移る必要はありません。
一回の学習を短く区切り、基礎知識と読解を往復しましょう。
古文:単語と文法を確認して短文を1つ読む
漢文:句法を1つ確認して短文を1つ読む
最後:間違いを訓読・知識・文脈・設問に分ける
大切なのは、参考書を読んで「分かった」で終わらせないことです。
何も見ずに読み方や意味を言えるか、翌日に同じ短文をもう一度読めるかまで確認します。
最初の一週間は、難しい問題をたくさん集めるより、学校で一度習った短文を使うほうが進めやすいです。
一日目は返り点、二日目は書き下し文というように完全に分断するのではなく、毎回一つの短文を最後の現代語訳まで通してみましょう。
そのうえで、その日に重点を置く作業だけ変えます。
こうすると、覚えた知識が実際の読解のどこで働くのか見失いません。
定期テスト前なら、学校の教科書、授業ノート、配布プリントを軸にしてください。
授業で扱った文章は、本文を見て書き下し文と現代語訳を言えるところまで戻します。
受験対策なら、志望校の問題で必要な古文・漢文の範囲を確認し、基礎教材と実戦問題をつなげます。
「覚える日」と「問題を解く日」を完全に分けず、覚えた知識をその日の短文ですぐ使うのがコツです。
⑥古典漢文の勉強を今日から始めよう

古典漢文が苦手でも、最初からセンスがないと決める必要はありません。
まずは古文と漢文を分け、漢文なら返り点、書き下し文、句法、内容理解のどこで止まるかを確認しましょう。
今日やるなら、学校教材から短い漢文を一つ選び、読む順番を書いて、書き下し文と現代語訳を照らし合わせてください。
間違えたら、答えを赤で写して終了ではありません。
なぜその順番になるのか、どの句法が使われているのかを言葉にして、もう一度何も見ずに再現します。
古典は、苦手を一つの塊にせず、小さな作業に分ければ前へ進めます。
古文と漢文、それぞれの入口から一段ずつ土台を作っていきましょう!




古典=主に古文と漢文を学ぶ分野
古文=古い日本語の文章を読む
漢文=漢字で書かれた文章を訓読して読む