教材費・解約金0円! 月々11,000円~のシンプル価格

成績1で留年する?中学は調査書・高校は単位への影響と立て直す4手順

通知表を前に、母親と中学生が明るいダイニングで落ち着いて話し合う様子
ステママ
通知表に1がありました。数字は一文字なのに、心配だけは長文です……。
野口先生
心配が作文用紙からはみ出していますね(笑)。でも、中学生の1と高校生の1では意味が違います。まずそこを分けましょう。
ステママ
1を見たら、すぐ留年や受験失敗と決めつけなくていいんですね。
野口先生
はい。ただし放置も禁物です。学校の基準と不足した評価材料を確認すれば、今日からの一手が決まりますよ。

【今回の真実】

成績1は、中学生なら高校入試の調査書、高校生なら単位や進級に関わる可能性があります。ただし、1が一つで進路が自動的に決まる全国共通ルールはありません。学年と学校の基準を分けて確認することが第一歩です。

 

①成績1の影響は中学と高校で違う

制服の生徒が校内の分かれ道で二冊の資料を見比べ、進路を考える後ろ姿

先に結論をお伝えします。
成績1を取ったときは、中学生なら高校入試の調査書、高校生なら単位の修得や進級への影響を確認します。

同じ「1」でも、確認する書類と、急いで見るポイントが違うんですね。

中学校の5段階評定について、文部科学省は1を、教科の目標に照らして「一層努力を要する」状況と示しています。
低い評価であることは確かですが、「能力がない」「高校へ行けない」と本人の価値を決める判定ではありません。

一方、高校では各科目の学習成果をもとに単位を修得し、その積み重ねが進級や卒業につながります。
成績1と単位の扱いは学校の規定によって異なるため、中学校の通知表と同じ感覚では判断できません。

つまり、最初に見るべきなのはネット上の「1は何点」という一覧表ではなく、本人の学年、学校の評価基準、入試や進級の規定です。
1が一つついたという事実だけで、受験不合格や留年が自動的に決まるわけではありません。

ただし、何もしなくてよいという意味でもありません。
「何に影響する1なのか」を早めに切り分ければ、必要以上に怖がらず、必要な対策はきちんと始められます。

 

②中学生は高校受験への影響を確認

中学生が進路指導の先生と募集要項を開き、調査書の扱いを一緒に確認する場面

中学生の成績1は、調査書の評定を使う高校入試で不利になる可能性があります。

しかし、調査書と学力検査の比重、何年生の評定を使うか、実技教科をどう扱うかは地域や選抜方法によって違います。
たとえば東京都の学力検査に基づく入試では、学力検査を行う教科の評定を1倍、行わない教科の評定を2倍して調査書点を算出します。

ここを全国共通だと思うと、かえって判断を誤ります。
これは東京都の例であり、全国どこでも同じではありません。
受験への影響は、都道府県教育委員会の最新資料と志望校の募集要項で確認するのが正解です。

学校の進路担当には、次のことを聞いてみてください。

中学生が確認する3項目
●どの学年の評定が調査書点に使われるか
●成績1が出願条件や推薦基準に関係するか
●調査書点と当日の学力検査をどう組み合わせるか

「1があるから受けられる高校はない」と決めつけるのも、「当日点で全部取り返せる」と楽観するのも早すぎます。
学校や選抜によっては評定を点数化しますし、当日の学力検査にも大きな役割があります。

評定、模試の判定、過去問の得点を並べると、志望校までの距離が見えやすくなります。
不安を想像で膨らませず、まず自分の地域の計算方法へ置き換えましょう。

 

③高校生は単位と進級の規定を確認

高校生が放課後の教室で教科担当の先生に単位や追試について質問している様子

高校生の成績1は、中学生より急いで学校の規定を確認したい数字です。

高校では、授業を受ける「履修」と、学習成果が認められる「単位の修得」が分けて考えられます。
必要な単位を修得できなければ、進級や卒業に影響する場合があります。

ただし、ここにも全国一律の「1が一つなら留年」という決まりはありません。
学校が学年制か単位制か、何単位必要か、追試・補講・再評価があるかによって扱いは変わります。

一例として、東京都立府中高等学校が公開している生徒心得では、評定2以上などを単位修得の条件とし、学年ごとの必要単位数も定めています。
対して、単位制の東京都立稔ヶ丘高等学校は、必要な単位を積み上げて卒業を目指す仕組みを案内しています。

高校で1がついたら、担任か教科担当へ「この科目の単位はどうなるか」を最初に聞いてください。

続けて、次の4点を確認します。

●追試、補講、追加課題などの機会があるか
●欠課時数は規定内か
●進級に必要な修得単位数へ足りているか
●推薦や学校内の選考条件に影響するか

「次のテストで頑張ります」だけでは、出席や単位の問題が残ることがあります。
答案だけでなく、生徒手帳、履修・進級規定、出欠記録までそろえて確認しましょう。

 

④成績1の原因は3観点から探す

通知表、返却された答案、未提出の課題ファイルを机に並べて原因を確かめる様子

成績1を見ると、「テストの点が低かったから」と考えがちです。
けれども、現在の中学校と高校の観点別評価は、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3観点で整理されています。

テストは大切な評価材料ですが、それだけで原因を決めつけることはできません。
提出課題、実技、発表、レポート、振り返りなど、教科ごとの評価材料も確認が必要です。

立て直しの近道は、勉強時間をいきなり増やすことではなく、どの観点の何が不足したかを特定することです。

知識・技能が弱ければ、教科書の例題や学校ワークの基本問題へ戻ります。
思考・判断・表現が弱ければ、答えだけでなく理由、途中式、資料から読み取った根拠を書く練習をします。
主体的に学習に取り組む態度が弱ければ、課題への粘り強い取組や、自分で学習を調整した記録を残します。

なお、この観点は「先生の好き嫌い」や「挙手の回数」だけを指すものではありません。
文部科学省は、粘り強く取り組み、自ら学習を調整しようとしているかを含めて評価する考え方を示しています。

通知表のA・B・C、返却された答案、未提出物を机に並べると、原因がずいぶん具体的になります。
「全部ダメだった」で終わらせず、一番不足した材料を先生に教えてもらいましょう。

 

⑤立て直すための4手順

制服の生徒が授業後に小テストの答案を先生へ手渡し、次の評価機会を活かす場面

原因が見えたら、次の4手順で動きます。
ここで欲張らないことが大切です。

1.学校のルールを確認する

中学生は入試で使う評定、高校生は単位・進級の規定を確認します。
期限のある追試や追加課題があれば、勉強計画より先に日程へ入れましょう。

2.先生に不足した評価材料を聞く

「なぜ1ですか」だけでなく、「どの観点が、どの評価材料で不足しましたか」と聞きます。
さらに「次の評価までに何ができればよいですか」と、目標の状態まで確認します。

3.一教科の基本へ戻る

複数教科が気になっても、最初は緊急度の高い一教科からで構いません。
学校ワークの基本問題を答えなしで解き、間違えた問題だけ翌日と数日後に解き直します。

4.次の小さな評価機会を逃さない

定期テストだけを待たず、小テスト、授業内課題、提出物、追試など、近い機会から改善を見せます。
最初の目標は急に高得点を取ることではなく、次に評価される行動を期限どおり積み上げることです。

成績1から抜け出そうとして、いきなり全範囲をやり直すと、量の多さで手が止まりやすくなります。
今日提出できるもの、今日解き直せる基本問題へ小さく分けましょう。

 

⑥保護者は責めずに確認役になる

通知表を伏せたまま、母親が私服の子どもの話を静かに聞くリビングでの対話

通知表の1を見れば、保護者の方が驚くのは当然です。
ただ、最初の一言が「何をしていたの!」では、本人は原因を話す前に守りへ入ってしまいます。

まずは「自分では何が原因だと思う?」と聞き、本人の見方を確かめてください。
次に、通知表、答案、提出状況、出欠記録を一緒に並べます。

保護者の役割は、成績1を責めることではなく、学校へ確認する質問を本人と一緒に作ることです。

本人だけでは先生へ聞きにくければ、三者面談や個別相談をお願いしてもよいでしょう。
「評価を変えてください」と迫るのではなく、「家庭でも改善したいので、優先する行動を教えてください」と相談すると話が前へ進みます。

欠席が続いている、教室に入りづらい、読み書きや集中に強い困りごとがあるなど、勉強法だけでは片づけにくい事情がある場合は、担任、養護教諭、スクールカウンセラーにも相談してください。

成績1は放置したくないサインですが、本人の可能性を決める終点ではありません。
中学なら入試、高校なら単位と進級を先に確認し、不足した評価材料を一つずつ埋めれば、次の行動はきちんと見つかります。
最初の一つを今日決めれば大丈夫ですよ。