中学で成績が悪い原因は3つ!叱らずに親子で進める一週間の改善法

明るいダイニングで母親と制服の中学生の娘が返却された答案を前に穏やかに話し合う様子
ステママ
先生、息子のテストが返ってきました。私の眉間のしわも一緒に増えました……。
野口先生
まずは答案より、お母さんの眉間を閉じましょう(笑)。点数を見た直後は、親子とも冷静な作戦会議ができません。
ステママ
でも、「もっと勉強しなさい」と言わないと、このままになりそうで心配です。
野口先生
勉強量を増やす前に、どこで止まっているかを見つけましょう。原因に合わない努力は、本人もしんどいわりに点へつながりません。
ステママ
叱る会議ではなく、原因を探す会議ですね。眉間を開いて参加します!

【今回の真実】

中学で成績が悪いとき、最初に必要なのは勉強時間を一気に増やすことではありません。テスト・通知表・普段の学習を分けて原因を一つ見つけ、親子と学校で役割を分けると、次の一歩が具体的になります。

 

①中学で成績が悪くても、最初に叱らなくていい

帰宅した制服の男子中学生を、母親が叱らずにお茶を勧めて迎える玄関の様子

中学の成績が悪いと、「高校受験は大丈夫?」「このまま勉強嫌いになるのでは?」と心配になりますよね。

ここで一つ、はっきりお伝えします。

悪かった成績は、子どもの能力を決める判決ではありません。

今の勉強のどこを直せばよいか知らせる材料です。

最初にすることは、叱ることでも教材を買うことでもなく、「何の成績が、何と比べて悪かったのか」を確かめることです。

定期テストが前回より下がったのでしょうか。

通知表で2がついたのでしょうか。

それとも模試の判定が目標に届かなかったのでしょうか。

同じ「成績が悪い」でも、見る資料と直し方は違います。

返却された直後に親が質問を重ねると、子どもは原因を考える前に自分を守ろうとします。

実際の指導でも、「怒られる」と身構えている間は、答案を一緒に見ても話がなかなか前へ進みません。

まずは「今日は受け取ったよ。明日、一緒に作戦を考えよう」と伝え、少し時間を置いて大丈夫です。

結果への反応と、改善の相談を別の時間にするだけでも、親子の会話はかなり変わります。

「悪い子」ではなく「困っている場所がある子」と見る

「あなたは勉強が苦手」「やる気がない」と人格まで決めつけると、直す対象が大きすぎて動けません。

「英語の単語問題で落としている」「ワークが途中だった」のように、行動へ戻せる言葉に変えましょう。

ここまで小さくできれば、「それなら直せそう!」という話になります。

問題を直せる大きさまで小さくすることが、立て直しの出発点です。

 

②テスト・通知表・普段の学習を分けて見る

白い机に答案・通知表・学校ワークとノートを色分けクリップで分けて並べた様子

成績の原因を見つけるときは、一枚の数字だけで判断しないことが大切です。

手元に次の資料を並べてください。

●返却されたテストの答案と問題用紙

●通知表の評定と観点別評価

●学校ワーク、ノート、プリントなど普段の学習物

この三つを並べると、「理解できていない」のか、「分かっているのにテストで出せない」のか、「評価材料が不足している」のかを分けやすくなります。

現在の中学校では、各教科の学習状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三観点で捉え、それをもとに評定をつけます。

そのため、通知表は定期テストの点数だけで決まるものではありません。

一方で、観点別評価を評定へまとめる具体的な方法は各学校が定めます。

「何点なら必ず3」といった全国共通の境界を探すより、自校の評価資料を読み、分からなければ教科担当の先生へ聞くほうが確実です。

答案は点数より「落とし方」を見る

間違えた問題に、簡単な印をつけてみましょう。

●知らなかった

●習ったが、解き方を思い出せなかった

●解き方は分かったが、時間不足やミスで落とした

点数が同じでも、知らなかった問題が多い子と、ミスが多い子では、明日からやる勉強が違います。

点数だけで「もっと頑張る」と決めず、失点の種類まで見てください。

 

③成績が悪い原因を三方向から絞る

資料を並べたら、原因を大きく三方向に分けます。

難しく考えなくて大丈夫です!

一つ目は、前の学年や前の単元を含む「基礎の穴」です。

英語の現在形が曖昧なまま時制が増えたり、数学の計算が不安定なまま方程式へ進んだりすると、今の授業だけを復習しても苦しくなります。

二つ目は、「勉強のやり方」です。

ノートをきれいにまとめる、答えを赤で写す、教科書を読むだけで終わると、勉強した時間は長くても、一人で答えを出す練習が足りません。

三つ目は、「勉強を続けられる状態」です。

部活後の疲れ、睡眠の乱れ、スマホが気になる環境、学校での悩みなどが先にあると、勉強法だけ変えても続きません。

基礎の穴・勉強のやり方・勉強を続けられる状態という三方向の原因を分かれ道で表した図解

原因は一度に全部直そうとせず、今いちばん点数や評価を止めているものを一つ選びます。

例えば、ワークが未提出なら、難しい参考書を始める前に提出を整える。

英単語を知らず長文が読めないなら、長文問題を増やす前に範囲の単語へ戻る。

解説を読めば分かるのに本番で解けないなら、答えを閉じて解き直す回数を増やす。

このように、原因と行動を一対一で結びます。

「勉強時間を増やす」は作戦ではなく、原因に合った練習へ時間を使って初めて作戦になります。

 

④親子作戦会議と先生への質問で役割を分ける

リビングのソファで母親と中学生の息子が付箋を見ながら次の一歩を相談する様子

原因が見えたら、親子で短い作戦会議をします。

反省会ではなく、あくまで「次はどうする?」を決める会議です。

保護者が答えを先に決めるのではなく、まず本人へ次の三つを聞いてみてください。

●自分では、どの教科がいちばん困っている?

●やっていなかったのか、やったけれど分からなかったのか?

●家で手伝ってほしいことはある?

「スマホを預かって」「問題を出して」「先生に聞く内容を一緒に整理して」など、本人から頼み方が出てくれば、親の役割が見えます。

保護者の役割は、勉強を代わりに管理し切ることではなく、本人が決めた一歩を実行しやすくすることです。

通知表の理由が分からない場合は、推測で決めつけず学校へ確認しましょう。

教科担当の先生への質問例
「今回の評定で、特に不足していた観点はどこでしょうか」「次の評価までに、授業・提出物・テストで何を改善するとよいでしょうか」「前の単元へ戻るなら、どこから確認するのがよいでしょうか」

「どうしてこんな成績なんですか」と聞くと、先生も広い説明しかできません。

資料を見ながら具体的に尋ねると、次に示すべき行動が分かりやすくなります。

本人は一教科の練習、保護者は環境づくり、先生は評価と学習内容の確認というように、役割を分けましょう。

 

⑤一週間で小さく立て直し、次の結果につなげる

明るい机に一週間分の白いカードと鉛筆、チェック済みの練習問題を並べた様子

作戦会議の最後に、まず一週間だけ試す行動を決めます。

長い計画を完璧に作るより、短く試して修正するほうが始めやすいからです。

一週間の立て直し例
1日目:答案と通知表、ワークを並べて原因を一つ決める
2〜5日目:一教科の基本問題を、答えを閉じて解き直す
6日目:できなかった問題だけもう一度解く
7日目:最初と同じ問題で、何も見ずにできるか確かめる

ここで大事なのは、取り組んだ時間ではなく「自力でできる問題が増えたか」です。

できなければ、怠けたと決める必要はありません。

戻る単元が違った、問題が難しすぎた、時間帯が合わなかったなど、作戦を一つ変えればよいのです。

一週間後の確認は合否判定ではなく、次の作戦をよくするための小さな実験です。

ただし、睡眠の乱れ、食欲の変化、登校のつらさ、強い落ち込みなどが続いている場合は、成績より先にその困りごとを扱ってください。

担任、養護教諭、スクールカウンセラーなど、学校の相談先を早めに頼って構いません。

家庭だけで教え方や計画づくりが難しい場合は、塾や家庭教師を使う選択もあります。

その際は、授業を増やすことだけでなく、学校の答案や教材を見て原因を探し、普段の学習まで一緒に整えてくれるかを確認しましょう。

中学の成績は、悪かった結果を隠すより、原因を一つ見つけて次の行動へ変えたところから立て直せます。

成績表を親子げんかのゴングにするのは、今日でおしまいです(笑)。

親子で同じ側に立ち、まず一週間の小さな作戦から始めてみてくださいね!