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勉強お役立ちコラム

技能教科は中学4教科!実技が苦手でも評価を上げる3観点と勉強法

音楽・美術・保健体育・技術家庭の道具を机に並べる制服の中学生

ステオ
ステオ

技能教科って、歌って走って絵を描いて、最後にミシンと木材まで登場する教科ですか?


野口先生
野口先生

だいたい合っていますが、学校が急に文化祭と運動会を同時開催しているわけではありませんよ笑


ステオ
ステオ

でも僕は手先も歌も苦手です。技能教科の成績は、もう才能で決まりますか?


野口先生
野口先生

いいえ。技能だけで決まる教科ではありません。何を学び、どこを見られているか、順番に整理しましょう!

【今回の真実】

中学校で技能教科と呼ばれるのは、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の4教科です。ただ実技の上手さだけを競う教科ではなく、知識、考えて工夫する過程、学びを調整する姿勢まで含めて取り組むことが大切です。

 

①技能教科とは?中学では4教科

音楽・美術・保健体育・技術家庭の道具を持って校内の廊下を歩く4人の中学生

中学校で「技能教科」と呼ばれるのは、次の4教科です。

●音楽
●美術
●保健体育
●技術・家庭

「実技教科」「副教科」と呼ばれることもありますが、指している教科はおおむね同じです。

ただし、学習指導要領では音楽、美術、保健体育、技術・家庭がそれぞれ教科名として並んでいます。
つまり「技能教科」は、4教科をまとめて説明するときに使われる通称と考えるとわかりやすいでしょう。

また、技術と家庭を別々に数えて「5科目」と表現することがありますが、正式な教科のまとまりは「技術・家庭」という1教科です。
中学校の技能教科は、教科数で数えるなら4教科と覚えておけば大丈夫です。

「副教科」という呼び方から、主要5教科より大切ではないと受け取る必要もありません。
どれも中学校で学ぶ正式な教科です。

 

②技能の上手さだけで成績は決まらない

体育館で先生の助言を聞きながら動きを直していく体操服の中学生

「運動神経がよくないから体育は無理」「絵が苦手だから美術は上がらない」と諦める生徒さんがいます。
でも、これは技能教科について一番外してほしい誤解です。

現在の中学校の学習評価は、各教科の目標に照らし、次の3観点で整理されています。

成績を見る3つの観点

●知識・技能
●思考・判断・表現
●主体的に学習に取り組む態度

たしかに歌唱、演奏、運動、制作、調理などの技能は評価材料になります。
しかし、それだけではありません。

学んだ知識を使えているか、課題を見つけて工夫しているか、振り返りを次の改善につなげているかも学習の大事な部分です。
生まれつきの得意不得意だけで成績が固定される仕組みではないのです。

学んだ知識を使い、工夫しながら作り、振り返って次に生かす流れが評価につながることを示した図解

ここで注意したいのは、「元気よく参加すれば態度はAになる」という単純な話でもないことです。
国立教育政策研究所の資料では、主体的に学習に取り組む態度について、自分の学習状況を把握し、進め方を調整しながら学ぼうとしているかを見る考え方が示されています。

先生から助言をもらったら、作品や動きをどう直したかまで残しましょう。
努力を「頑張った気持ち」で終わらせず、改善した行動に変えるのがポイントです。

 

③技能教科を学ぶ意味と内申への関わり

技術室で最初に作った試作と作り直した木製作品を見比べながら仕上げる中学生の手元

技能教科で身につけるものは、テストに出る用語だけではありません。

音や形で表現すること、体と健康を理解すること、道具や情報を安全に扱うこと、生活をよりよく整えること。
どれも学校を卒業した後まで使う力です。

技能教科には、正解を一つ覚えて終わりではなく、「もっとよくするにはどうするか」を試す場面が多くあります。
この試行錯誤そのものに、学ぶ意味があります。

さらに、中学校の成績や調査書を考えるときも、技能教科だけを外してよいわけではありません。
高校入試で調査書を使う場合、どの学年の評定を使うか、各教科をどう換算するかは地域や選抜方法によって異なります。

そのため、「技能教科は入試で何倍になる」と全国共通の決まりのように覚えるのは危険です。
自分の都道府県の入試要項と志望校の選抜基準で確認しましょう。

ただ、入試のためだけに授業を受けると考えると、苦手な時間はますますつらくなります。
まずは生活に結びつく一つを見つけ、その結果として評価材料も増やす順番のほうが前向きに取り組みやすいですよ。

 

④4教科それぞれで大切にしたいこと

家庭科室で手順を確かめながら分担して調理実習を進める2人の中学生

技能教科を全部「実技」とまとめてしまうと、何を直せばよいかわからなくなります。
教科ごとに、授業で何を学んだかを見ていきましょう。

音楽

歌や楽器の演奏だけでなく、楽譜の記号、音楽の特徴、鑑賞した曲から感じ取ったことも学びます。
上手に歌うことだけを目標にせず、「どんな表現にしたいか」と、そのために変えた点を言葉にしましょう。

美術

完成作品だけでなく、発想、構想、材料の使い方、鑑賞も大切です。
下書きや途中のメモを残すと、自分がどこを考え、どう改善したのか振り返りやすくなります。

保健体育

運動の技能だけでなく、ルール、安全、健康に関する知識、自分や仲間の課題を考える学習があります。
運動が苦手なら、先生の助言を一つ選び、次の授業で試した結果まで確認しましょう。

技術・家庭

技術分野と家庭分野のどちらも学びます。
道具を安全に扱う手順、材料や情報の特徴、生活上の課題を見つけて改善する考え方を押さえましょう。

4教科に共通するのは、完成した結果だけでなく、知識を使って工夫し、振り返ることです。

 

⑤定期テストと実技を両立する勉強法

自宅で教科ごとに色分けしたファイルを棚へ整理する中学生

技能教科が勉強しにくい理由は、主要5教科ほど問題集がそろっていないことです。
そこで、市販教材を探す前に、学校でもらったものを次の3つに分けてください。

最初にそろえる3つ

●教科書、授業プリント、ノート
●テスト範囲表と提出物の一覧
●作品カード、実技の記録、先生のコメント

まず範囲表を見て、教科書とプリントの太字や専門用語を「見ればわかる」状態から「何も見ずに説明できる」状態へ変えます。
穴埋めプリントは答えを書き写すだけでなく、紙で答えを隠して問いに直すと練習しやすくなります。

次に、実技や作品は一度で完成させようとしないことです。
先生から示された手順や安全上の注意を確認し、助言を受けた場所を一つ直します。

最後に、「できなかった」「頑張った」だけではなく、何を変えたらどうなったかを一文で残しましょう。
筆記対策と実技対策を別々にせず、授業で学んだ知識を実技でどう使ったかまでつなぐのがコツです。

技能教科をテスト直前まで放置すると、4教科分のプリント整理から始めることになります。
週末に各教科10分ずつ、配布物をそろえて一問だけ自分に出すだけでも、直前の負担はかなり変わりますよ。

 

⑥苦手な人は評価材料を一つずつ増やそう

翌日の授業に必要な道具を玄関で確認して笑顔になる制服の中学生

1000人以上の生徒さんを見てきた中でも、技能教科が苦手な子ほど「センスがない」の一言で全部を片づけてしまう傾向があります。
でも、実際には忘れ物、未提出、用語の未定着、手順の勘違いなど、才能とは別の場所で止まっていることも少なくありません。

だから最初から「美術を得意にする」のような大きな目標を立てなくて大丈夫です。

●配布プリントを一冊のファイルへ入れる
●次の授業で必要な道具を前日にそろえる
●先生の助言を一つメモする
●返された作品カードに改善点を一文書く

この中から一つだけ選び、次の授業で実行しましょう。
苦手な技能を一気に得意へ変えるより、自分で増やせる評価材料を一つずつ確実に増やすほうが現実的です。

評価の方法や材料は学校や題材によって異なります。
何を直せばよいかわからない場合は、「今回、3観点のどこが不足していましたか」「次の授業で何をできるようにすればよいですか」と先生に聞いてみてください。

技能教科は、器用な人だけの教科ではありません。
知り、試し、工夫して、前より少しよくする教科です。
苦手な子にも動かせる部分はちゃんとありますから、まず次の一時間でできる一つから始めましょう!