

先生、「大会でよい成績をおさめた」の漢字って「修」ですか?勉強っぽいので!

惜しい!勉強そのものを身につけるなら「修」ですが、得られた成績には「収」を使います。

「おさめる」が4人もいるなんて、漢字界の同姓同名大会ですね。

しかも全員、担当が違います(笑)。言葉の前後を見れば、きちんと見分けられますよ!
【今回の真実】
「成績をおさめる」の漢字は「収める」です。結果を得るなら「収」、学問を身につけるなら「修」というように、何をどうする場面かで考えれば、納・治を含む4種類を迷わず選べます。
①「成績をおさめる」の漢字は「収める」

まず答えからお伝えすると、「よい成績をおさめる」は「よい成績を収める」と書きます。
「収める」には、成果を手に入れるという意味があるからです。
答えだけを確かめたかった方は、まずこの一行を覚えれば大丈夫ですよ。
文化庁の常用漢字表にも「収」の訓として「おさめる」が示されています。
また、漢字ペディアの異字同訓の説明では、「収める」の例として「成果を収める」が挙げられています。
スポーツ庁のページでも「優秀な成績を収める」という表記が使われています。
つまり、学校のテストだけに限った特別な書き方ではありません。
学業、スポーツ、コンクール、仕事などで得られた結果を表すときに使えます。
ここで一つ気をつけたいのは、「成績」という言葉自体は、評価や結果を表す言葉だということです。
「収める」と組み合わせる場合は、「よい成績」「優秀な成績」「好成績」など、望ましい結果を得たことが伝わる形が自然です。
迷ったら「結果を得た」と言い換えられるかを確認しましょう。
②「収める」と「修める」の違い

学校や勉強の話でいちばん迷いやすいのは、「収める」と「修める」の二つでしょう。
どちらも学習に関係する文章に登場するので、音だけで選ぼうとすると混乱します。
違いは、結果を手に入れたのか、学問や技術を身につけたのかです。
●よい成績を収める=勉強した結果として、よい評価を得る
●学問を修める=学んで、知識や教養を身につける
●課程を修める=定められた学びを終える
文化庁の「異字同訓」の使い分け例でも、「修める」は人格や行いを立派にすること、学問などを身につけることと整理され、「学を修める」などの例が示されています。
ですから、「成績」なら収、「学業・学問」なら修と対象の言葉に注目すると、かなり見分けやすくなります。
たとえば、次の一文では二つを一緒に使えます。
大学で専門分野を修め、優秀な成績を収めた。
前半は専門分野を「身につけた」話なので修める、後半は成績という「結果を得た」話なので収めるです。
同じ人の同じ学びについて書いていても、動詞が受け持つ役割は違うんですね。
③納める・治めるを含む4種類の早見表
「おさめる」には、収める・修めるのほかに「納める」「治める」もあります。
丸暗記を増やすより、それぞれの担当を一つずつ決めておきましょう。
●収める=手に入れる、整理して中に入れる(成果を収める・写真に収める)
●修める=学んで身につける、行いを整える(学問を修める・身を修める)
●納める=渡すべき所へ渡す、終わりにする(税金を納める・仕事納め)
●治める=乱れを落ち着かせる、支配する(国を治める・騒ぎを治める)

何を「おさめる」のかを見ることが、正しい漢字を選ぶ近道です。
成績や成果は自分の側に得るものなので「収」、税金は決められた所へ渡すものなので「納」と考えられます。
国や地域をまとめる場面では「治」です。
そして、知識や技術を自分の中に身につける場面では「修」を使います。
ただし、「物を中に入れる」という意味では、収めると納めるの使い分けに迷う場面もあります。
その場合は無理に一字だけで決めつけず、辞書で前後を含む用例を確認するのが確実です。
少なくとも「よい成績」の場合は、成果を得る「収める」で迷わなくて大丈夫です。
④作文で自然に使う例文と言い換え

漢字が合っていても、言葉の組み合わせが不自然だと、文章は少し読みにくくなります。
作文、学校だより、表彰文などでは、「何の場面で、どんな結果を得たか」が伝わるように書きましょう。
「成績を収める」を使う例
●日々の練習を続け、大会で優秀な成績を収めました。
●苦手な単元を復習し、期末試験でよい成績を収めました。
●研究チームは長年の取り組みによって、大きな成果を収めました。
「よい」「優秀な」「好」などを添えると、どのような成績だったのかが一読で伝わります。
別の動詞にしたほうが自然な例
「1位を収める」より、「1位を獲得する」「1位になる」のほうが自然で意味も明確です。
「テストで90点を収める」も意味を推測できますが、「90点を取る」「90点を獲得する」と書くほうが、すっきり伝わります。
また、まだ結果が出ていない段階なら「よい成績を目指す」と書きましょう。
「収める」は成果を得ることを表すため、目標や予定について書くなら、時制も含めて「よい成績を収めたい」とする必要があります。
難しい表現を使うことより、読み手が一度で意味をつかめることのほうが大切です。
作文で同じ表現が何度も続いたら、「結果を残す」「成果を上げる」「目標を達成する」などへ言い換えてみてください。
⑤迷わなくなる覚え方と確認クイズ

4種類を覚えるときは、漢字一字をにらみ続けるより、よく知っている熟語とつなげる方法がおすすめです。
●収めるは「収穫」や「収入」から、成果を手に入れる
●修めるは「修学」や「修業」から、学んで身につける
●納めるは「納税」や「納品」から、決められた所へ渡す
●治めるは「統治」から、国や乱れをまとめる
読みが同じ漢字は、意味を代表する熟語とセットで覚えると、初めて見る文でも判断できます。
これは「おさめる」だけでなく、「はかる」「つとめる」などの異字同訓にも使える勉強法です。
では、最後に3問だけ確認してみましょう。
第1問 全国大会で好成績を(おさめる)。
第2問 大学で法律学を(おさめる)。
第3問 期限までに税金を(おさめる)。
答えは、第1問が「収める」、第2問が「修める」、第3問が「納める」です。
第1問は結果を得る、第2問は学問を身につける、第3問は決められた所へお金を渡す、と言い換えられますね。
「成績をおさめる」の答えは「収める」。そして迷ったら、前後の言葉を簡単な動詞へ言い換える。
この二つを押さえれば、漢字テストでも作文でも、自信を持って選べるようになりますよ!




●努力を重ね、学年末の試験でよい成績を収めた。
●選手たちは全国大会で優秀な成績を収めた。
●新しい取り組みが成果を収めた。