

テストは上がったのに、通知表は同じでした。成績って、先生の頭の中だけにある秘密の計算式で決まるんですか?

秘密の暗号ではありません(笑)。ただし、小中高の通知表と大学の科目評価では、仕組みも確認する資料も違います。

では、まず「どの成績の話か」を決めないといけないんですね。

その通りです!点数だけを見て悩む前に、評価材料と確認先を順番に整理しましょう。
【今回の真実】
成績は、テストの合計点を機械的に評定へ置き換えるだけではありません。小中高では3観点を軸に学習状況をまとめ、大学では科目ごとの基準で評価します。まず学校段階と資料を特定することが、正確な付け方を知る近道です。
①成績は「材料を集めて評価へまとめる」
②小学校・中学校・高校・大学で何が違う?
③小中高で使う3観点の意味
④テスト・提出物・授業はどう成績に入る?
⑤全国共通の点数換算表がない理由
⑥自分の成績の付け方を確かめる3手順
①成績は「材料を集めて評価へまとめる」
まず、成績ができる流れを一本につなげましょう。
先生は、定期テストや小テスト、レポート、発表、実技、作品、振り返りなどから、学習目標にどこまで到達したかを見取ります。
その結果を観点ごとに整理し、最後に評定や科目の評価へまとめます。

つまり、テストの合計点は大切な材料ですが、それだけを見ても成績の付け方を完全には再現できません。
「80点なら必ず4」「提出物を全部出せば一つ上がる」といった単純な式を先に探すと、かえって自分の学校のルールから離れてしまうことがあります。
ここで見るべきなのは、点数の横にある評価の仕組みです。
テストを頑張ったのに評定が動かないと、「努力を見てもらえなかったのかな」と落ち込みますよね。
でも、仕組みが分かれば、次に見直す場所はかなり具体的になります。
②小学校・中学校・高校・大学で何が違う?

「成績」という同じ言葉でも、学校段階によって表示と確認先が違います。
小学校
小学校では、教科の目標への到達状況を観点別に見ます。
文部科学省が示す指導要録上の評定は、第3学年以上で3・2・1の3段階です。
ただし、家庭に渡す通知表の名前や記号、文章での示し方は学校によって違うことがあります。
まず通知表の凡例や、年度初めにもらった評価の説明を確認しましょう。
中学校・高校
中学校では、観点別の学習状況をもとに教科の評定を5・4・3・2・1で示します。
高校も、各教科・科目の観点別評価と、それを総括した評定の両方を扱います。
ただし、同じ5段階でも、どの課題をどの観点で評価するか、観点別評価を評定へどうまとめるかは、自校の資料で確認する必要があります。
大学
大学では、小中高の通知表と同じ3観点をそのまま当てはめるのではありません。
授業ごとに、試験、レポート、発表、授業への貢献などの割合や合格基準が示されます。
大学は成績評価の基準を学生へあらかじめ示し、その基準に従って評価することが求められています。
したがって、大学の成績を知りたいなら、最初に見るのは通知表の観点ではなく、その科目のシラバスと履修要項です。
③小中高で使う3観点の意味

現在の小中高の観点別学習状況は、次の3つに整理されています。
知識・技能
習った用語、公式、手順などを理解し、実際に使えるかを見る観点です。
テストや小テスト、実技などが主な材料になり得ます。
思考・判断・表現
身に付けた知識や技能を使い、考え、選び、説明できるかを見る観点です。
記述問題、資料の読み取り、レポート、発表、作品などで確認されます。
主体的に学習に取り組む態度
難しい課題にも粘り強く取り組み、自分の学び方を振り返って調整しようとしているかを見る観点です。
ここは「手を何回挙げたか」「ノートをきれいに書いたか」だけで決まる欄ではありません。
文部科学省も、挙手回数や毎時間ノートを取っているかといった一時的な行動だけを捉える評価ではないと示しています。
3観点は性格を採点するものではなく、その教科でどのように学び、何を身に付けたかを見るための整理です。
④テスト・提出物・授業はどう成績に入る?

同じ評価材料が、一つの観点だけに使われるとは限りません。
たとえば数学のテストでも、公式を使う基本問題は「知識・技能」、考え方を説明する記述問題は「思考・判断・表現」の材料になり得ます。
提出物も同じです。
ワークを期限までに出したかだけでなく、問題を自力で解けているか、間違いをどう直したか、振り返りを次の学習へ生かしたかなど、中身に応じて見られます。
授業では、スピーチ、実験、話し合い、作品制作など、テスト用紙だけでは見えにくい力を確認する場面があります。
だからこそ、「テストか提出物か」の二択ではなく、「その材料で3観点のどこを見ていたか」と考えることが大切です。
返却されたテストの設問に観点名が書かれていたり、レポートに評価規準が添えられていたりする場合は、合計点だけでなくそこまで見てください。
⑤全国共通の点数換算表がない理由
検索すると、「90点以上なら5」「観点がAAAなら5」といった換算表が見つかることがあります。
しかし、その表が自校の正式資料とは限りません。
小中高の評価は、学習指導要領の目標に照らして到達状況を見る「目標に準拠した評価」です。
クラス内の順位だけで5の人数を先に決める相対評価とは考え方が違います。
一方、具体的な評価規準、使う材料、評定へのまとめ方は、設置者の方針も踏まえて各学校が決めます。
教科や単元によっても、適した評価場面は変わります。
したがって、全国すべての学校へ当てはまる「何点なら評定いくつ」という表はありません。

これは先生が気分で決めてよいという意味でもありません。
学校内で評価規準と方法を明確にし、組織的に評価することが求められています。
大学の場合も同じで、全科目共通の試験割合を想像するより、科目ごとに示されたシラバスを読むほうが正確です。
⑥自分の成績の付け方を確かめる3手順

仕組みが分かったら、最後は自分の学校の資料へ戻りましょう。
手順1 成績の種類を決める
知りたいのは、小中高の通知表、入試で使う調査書、大学の科目評価のどれでしょうか。
通知表と調査書は目的が違い、大学の科目評価も別の仕組みです。
ここを混ぜないだけで、探す資料をかなり絞れます。
手順2 正式な説明を探す
小中高なら、通知表の凡例、評価計画、学習の手引き、教科シラバス、学校サイトを確認します。
大学なら、科目シラバス、履修要項、成績評価規程を見ます。
ネット上の一般的な換算表より、自校が今年度示した資料を優先してください。
手順3 質問を三つに分ける
分からないときは、先生に次のように聞くと具体的な答えを得やすくなります。
●今回、どの観点や評価項目が足りませんでしたか?
●その項目は、どのテスト・課題・活動で評価されましたか?
●次は、どの場面で改善を示せますか?
「なぜこの成績なんですか?」だけで終えず、評価項目・材料・次の機会へ分けて聞くのがコツです。
成績は、あなたの能力や人柄を一つの数字で決めつける判決ではありません。
今どの目標まで届き、次にどこを直せばよいかを知る資料です。
仕組みが見えれば、やみくもに全部頑張る必要はなくなります。
「全部直さなきゃ」と身構えなくて大丈夫です。
まずは一教科だけ、学校の評価資料と手元の返却物を並べ、弱い項目と次の行動を一つ結び付けてみてくださいね!




評価材料を集める
↓
学習目標に照らして評価する
↓
通知表の評定や科目の成績へまとめる