

先生、もう秋なのに共テの過去問をまだ解いていません。これは出遅れでしょうか……。

秋なら、ここから本格的に始めれば大丈夫ですよ。ただし、いきなり全科目を何年分も解く必要はありません。

安心しました!では今日、勢いで全科目を解いて明日は燃え尽きます!

燃え尽きる予定まで立てないでください(笑)。過去問は、解く日より直す日まで決めると力になりますよ。
【今回の真実】
共テ過去問は、夏までに1回だけ解いて現在地を知り、秋から本格演習へ進むのがおすすめです。開始月だけで決めず、解いた後に基礎へ戻って復習できる時間まで確保しましょう。早さより、直した内容を次の回で使えるかが大切です。
①共テ過去問は夏までに1回、秋から本格的に始めよう
②始めてよいかは基礎完成より復習できるかで決める
③高2冬から直前期までの進め方
④過去問1回分を点数に変える4ステップ
⑤何年分やる?教材は役割で選ぼう
①共テ過去問は夏までに1回、秋から本格的に始めよう

「共テ過去問はいつから?」への答えは、目的を2つに分けるとスッキリします。
夏までに1回だけ解き、秋から本格演習に入る二段階で進めます。
夏までの1回は、高得点を取るためではありません。
問題文の量、資料の読み取り方、時間の足りなさを知るための「診断」です。
習っていない範囲が残っていても、既習範囲の多い科目なら試す価値があります。
点数が低くても、この段階では落ち込まなくて大丈夫です。
本格演習は、高3の9〜11月を一つの目安にします。
ここでは時間を計り、採点し、解き直しまでを一つのセットとして繰り返します。
ただし、全員が9月1日に一斉スタートするわけではありません。
共通テストの配点が大きい大学を目指す人は早めに比重を上げ、二次試験の配点が大きい大学を目指す人は秋も記述対策を残します。
「何月か」だけでなく、志望校の配点と今の弱点を見て始めることが大切です。
まだ一度も解いていない高3生は、今が秋でも冬でも、まず1科目を1回分だけ解きましょう。
遅れを気にして大量に手を出すより、1回分をきちんと復習するほうが次につながります。
②始めてよいかは基礎完成より復習できるかで決める

「基礎が完璧になってから過去問へ進もう」と考える生徒さんは多いです。
しかし、基礎の完成を待ち続けると、形式や時間配分を知るのが直前になってしまいます。
逆に、用語も公式もあやふやなまま毎週過去問だけを解いても、答えを読んで終わりになりがちです。
これでは過去問が、できなかった確認会になってしまいます。
始める条件は、満点に近い基礎力ではありません。
解いた後に「どこへ戻れば直せるか」が分かり、その復習時間を取れることです。
解説を読んでもほとんど理解できない科目は、まだ基礎学習を優先します。
ただし、その科目の過去問を完全に封印する必要はありません。
大問を一つだけ見て、どんな知識がどのように使われるかを確認する程度なら役立ちます。
大切なのは、「過去問を始める」か「基礎をやる」かの二者択一にしないことです。
過去問で穴を見つけ、基礎教材へ戻り、もう一度解く。
この往復ができる時期こそ、その人にとっての始めどきです。
③高2冬から直前期までの進め方
開始時期で迷ったら、次の流れを土台にしてください。
学校の進度や志望校の配点によって前後させて構いません。

高2冬〜高3春:問題を見て、1科目だけ試す
この時期は、共通テスト対策へ全面的に切り替える必要はありません。
英語や国語など既習範囲の多い科目を1回分試し、文章量と時間の感覚を知ります。
未習範囲が多い科目は、問題構成を見るだけでも十分です。
高3夏:最近の形式で現在地を測る
夏休みまでに、受験で使う主要科目を1回分解きます。
ここで見るのは合計点より、時間切れになった大問と、基礎へ戻るべき単元です。
夏の学習計画を具体的にするための材料にしましょう。
高3秋:必要な科目から本格演習
9〜11月は、志望校で配点の大きい科目や、形式慣れで伸びやすい科目から定期的に解きます。
全科目を毎週そろえるより、一回ごとの復習を終えることを優先してください。
二次試験で使う科目は、記述対策との時間配分も崩さないようにします。
12月〜直前期:本番の時間割に近づける
12月以降は、科目単位の練習から複数科目を続けて解く練習へ移ります。
休憩の使い方や集中力の切り替えも含めて確認します。
直前は新しい問題を増やし続けず、過去に落とした問題と暗記事項を回収しましょう。
早い時期は「知る」、秋は「直す」、直前期は「本番どおりに再現する」と役割を変えるのがコツです。
④過去問1回分を点数に変える4ステップ
過去問は、解いた回数だけでは力になりません。
解いた後の動きまで、次の4ステップで固定しましょう。

ステップ1:本番の試験時間で解く
途中でスマホを見たり、分からない語句を調べたりせず、まずは今の力で最後まで進めます。
各大問を終えた時刻も問題冊子へ小さく残すと、どこで時間を使ったかが分かります。
ステップ2:点数と未着手問題を記録する
正誤だけでなく、時間がなくて読めなかった問題にも印をつけます。
たまたま当たった問題は、正解でも復習対象です。
ステップ3:失点原因を4つに分ける
間違いは「知識不足」「読み取り・解法」「時間不足」「単純ミス」の4つに分けます。
知識不足なら教科書や単語帳へ戻ります。
読み取り・解法で止まったなら、解説を読んで最初の一手を自分で再現します。
時間不足なら大問ごとの時間と解く順番を見直します。
単純ミスなら、見直す場所を具体的に決めます。
ステップ4:解説を閉じて解き直す
解説を読んで「なるほど」と思っただけでは、本番で使えるとは限りません。
その日のうちか翌日に、何も見ずにもう一度解きます。
さらに数日後、最初に止まった一手を説明できるか確かめましょう。
過去問1回に時間がかかっても問題ありません。
解く量を半分にしてでも、次に同じ原因で落とさないところまで直すほうが効果的です。
⑤何年分やる?教材は役割で選ぼう

「何年分やれば安心ですか」と聞かれますが、全員共通の正解はありません。
受験科目数、残り期間、二次試験の負担、1回分の復習にかかる時間が違うからです。
まずは新しい出題形式と自分の受験科目に合う年度を優先します。
古い年度は、現在と科目名や出題範囲が違うことがあるため、本番得点の判定ではなく、使える大問を選ぶ練習素材として扱いましょう。
年数を先にノルマ化せず、「1回解く→弱点を直す→別の回で確かめる」を一単位にしてください。
大学入試センターの公式サイトでは、直近3年分の試験問題と正解が公開されています。
まず公式の問題と正解を基準にし、詳しい途中式や考え方が必要なら、解説の充実した過去問集で補うと進めやすいです。
過去問を解き切った科目や、現行形式の問題数が少ない科目は、試作問題や予想問題集を使います。
ただし、予想問題は本物の過去問と同じではありません。
最初に公式問題で形式を確認し、その後の初見演習を増やすために使いましょう。
●まだ一度も解いていない人:受験科目から1科目を選び、今週中に解く日と復習日を決める
●夏までに診断済みの人:失点が多かった1科目から本格演習を始める
●すでに何回も解いた人:年数を増やす前に、4分類のどこで同じ失点をしているか確認する
共テ過去問は、早く始めた人が自動的に勝つ教材ではありません。
今の課題を見つけ、普段の教材へ戻り、次の回で改善を確かめた人が伸ばしやすい教材です。
「もう秋だから遅いかも」と心配している人も、焦って何年分も開く必要はありません。
カレンダーを見て焦るより、まず1科目の「解く日」と「直す日」をセットで決めて始めてみてください!




●学校で習った範囲なら、解説を読んで内容を理解できる
●間違えた単元を教科書や問題集で探せる
●演習と同じくらい、またはそれ以上の復習時間を確保できる
●受験に使う科目と志望校の配点を確認している