




【今回の真実】
中学校の9教科が4と5だけなら、偏差値は55〜60前後が一つの参考目安です。ただし評定から偏差値は計算できません。内申は4と5の個数で出し、実力は地域の高校受験向け模試で確認し、志望校は過去問の得点まで重ねて判断しましょう。
①成績4と5なら偏差値は55〜60前後が目安
②4と5の個数から9教科の内申を計算しよう
③同じ成績でも偏差値が違うのはなぜ?
④高校選びは3つの数字をそろえて判断する
⑤4を5へ、偏差値も上へ伸ばす見直し方
①成績4と5なら偏差値は55〜60前後が目安
まず、いちばん知りたい答えからお伝えしましょう!
中学校の9教科がすべて4か5なら、教育情報で紹介されているオール4とオール5の目安を踏まえると、偏差値55〜60前後をひとまずの参考にできます。
5が多くなるほど、60前後かそれ以上の学力がある可能性も考えられます。
ただし、これは通知表を偏差値へ換算した結果ではありません。
「4と5だけだから偏差値は必ず○○」という全国共通の対応表はないのです。
実際の偏差値は、この目安より上下することがあります。
ですので、目安の数字を見て「自分は偏差値60だ!」と確定させるのは、少し待ってくださいね(笑)。
一方で、4と5だけという通知表は、学校での学習がしっかりできていることを示す立派な成績です。
ここまで積み上げてきた努力は、まず素直に喜んでくださいね!
文部科学省の区分では、中学校の評定4は「十分満足できる」、5はその中でも「特に程度が高い」状況です。
まずは胸を張って大丈夫です!
そのうえで、本当の偏差値は高校受験向け模試の成績表で確認する、という順番にしましょう。
②4と5の個数から9教科の内申を計算しよう
偏差値は計算できませんが、通知表の合計はすぐ計算できます。
国語・数学・英語・理科・社会と実技4教科を合わせた、9教科の評定を足してください。
9教科が4と5だけで、両方が少なくとも一つずつある場合、単純合計は37〜44です。
この記事では、この45点満点の単純合計を「素内申」と呼びます。
5の個数だけ見れば計算できる
全部を4として数えると、4×9教科で36です。
そこへ、5の教科が一つ増えるたびに1点を足します。
●5が1教科、4が8教科なら37、評定平均は約4.11
●5が4教科、4が5教科なら40、評定平均は約4.44
●5が8教科、4が1教科なら44、評定平均は約4.89
つまり、9教科の素内申は「36+5の教科数」で出せます。
ここで注意したいのは、「主要5教科が4と5」という話なのか、「9教科全部が4と5」という話なのかです。
志望地域の入試で実技教科も使う場合、主要5教科だけでは全体の内申を判断できません。
さらに、入試用の調査書点は地域によって計算が変わります。
たとえば東京都の令和9年度入試案内では、5教科の学力検査を行う場合、実技4教科の評定を2倍して点数化します。
通知表の単純合計と、志望地域の入試で使う換算内申は分けて確認することが大切ですよ。
③同じ成績でも偏差値が違うのはなぜ?
通知表と偏差値は、似ているようで役割が違います。
通知表は、学校で学ぶ目標に対して、どこまで到達したかを見るものです。
現在の中学校では「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点を基に、教科の学習状況をまとめて評定します。
テスト一回の順位だけで4や5が決まるわけではありません。
一方、偏差値は、同じ模試を受けた集団の中で自分がどの位置にいるかを表します。
平均点と同じなら偏差値50で、得点だけでなく受験者全体の点数のばらつきも計算に使われます。
評定は学校の目標への到達度、偏差値は模試の受験集団での位置です。
だから、同じ「数学5」でも模試では差が出ます。
学校の授業範囲を丁寧に仕上げて5を取った生徒と、入試形式の初見問題まで練習して5を取った生徒では、通知表が同じでも模試の得点が違うことがあるからです。
私も多くの生徒を見てきましたが、4と5だけの成績表でも、模試で得意教科と苦手教科の差が大きく出ることは珍しくありません。
これは通知表がおかしいのではなく、二つの数字が別の角度から学力を見ているためです。
内申が高いことを喜びつつ、模試では入試問題への対応力を別に確かめると、数字に振り回されなくなります。
④高校選びは3つの数字をそろえて判断する
では、成績が4と5なら、どの高校を目指せるのでしょうか?
ここで「偏差値60の高校なら大丈夫」と一つの数字だけで決めるのは早いです。
次の3材料をそろえましょう。
●住んでいる地域の高校受験向け模試の判定
●都道府県の方式で換算した内申点
●志望校の過去問を時間どおりに解いた得点
模試・換算内申・過去問の3つがそろうと、志望校までの距離がかなり具体的に見えます。
模試の偏差値を見るときは、志望校の偏差値と同じ模試会社の基準で比べるのがポイントです。
模試が違えば受験者の集団も違うため、数字をそのまま横並びにはできません。
また、一回だけの偏差値より、同じ模試を続けて受けたときの推移を見ましょう。
内申が十分でも過去問の点が届かないなら、入試形式の演習を増やします。
反対に、模試や過去問は届いているのに内申が弱いなら、観点別評価を見て4の教科を5へ上げる作戦を立てます。
内申と偏差値のどちらが悪いかではなく、足りない側へ対策を合わせるのが受験勉強のコツです。
⑤4を5へ、偏差値も上へ伸ばす見直し方
今の成績が良いからこそ、勉強時間をただ増やすより、数字ごとに改善点を分けましょう。
4を5へ上げたい場合
通知表の観点別評価を開き、どの観点が5に届いていないのかを確認します。
分からなければ、「次に5へ上げるには、どの評価材料を改善すればよいですか?」と教科担当の先生へ聞きましょう。
提出物を増やせばよいと決めつけず、記述問題、発表、振り返りなど、実際に不足している材料へ狙いを定めます。
評定を上げるときは、弱い観点と次の行動を一致させることが近道です。
偏差値を上げたい場合
模試の答案を、知識不足、解き方が分からない、時間不足、単純ミスの四つに分けます。
次の一週間では、最も失点が大きかった一教科・一単元に絞って直しましょう。
解説を読んで終わらず、自力で解き直し、数日後にもう一度解ければ前進です。
成績が4と5だけ取れているなら、学校の勉強を進める力はすでにあります。
あとは「通知表を上げる勉強」と「入試問題で点を取る勉強」を混ぜずに、必要なほうへ時間を配っていきましょう。
目安の偏差値で安心しきらず、実際の模試を受けて次の一手を決めるところから始めてくださいね!









