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勉強お役立ちコラム

漢文送り仮名がわからない人へ!4ルールと白文3段階の決め方

漢字カードと平仮名の札、返り点を示す赤い糸を机に並べ、漢文の送り仮名の仕組みを表した写真

ステコ
ステコ

先生、漢文の送り仮名って、漢字の気持ちを読んで付けるんですか? 私にはまだ本音を話してくれません……。


野口先生
野口先生

漢字と面談する必要はありません(笑)。訓点付きの文を書き下すのか、白文に自分で訓点を付けるのかで、やることを分ければ大丈夫ですよ。


ステコ
ステコ

同じ「送り仮名」の問題でも、別の作業なんですね!


野口先生
野口先生

そうです。まず問題文に送り仮名があるかを確認しましょう。そこが分かれば、迷いはかなり減ります。

【今回の真実】

漢文の送り仮名は、勘で付けるものではありません。訓点付きの文なら示された読みを平仮名に直し、白文なら読む順・句法・活用・文脈の順に根拠を探すと判断できます。

 

①送り仮名は問題の種類で決め方が変わる

訓点付きの漢文プリントと白文のプリントを並べ、色違いのクリップで見分ける高校生の手元

漢文の送り仮名がわからないとき、最初に確認してほしいのは「何を答える問題なのか」です。

結論から言えば、訓点付き漢文の送り仮名は、漢字の右下に小さな片仮名で書かれ、活用語尾や「を・に・と」などを補います。

これを書き下し文にするときは、片仮名を平仮名に直し、歴史的仮名遣いのまま書きます。

大きく分けると、次の二つがあります。

先に見分ける2種類

●訓点付きの漢文を書き下し文にする問題
●白文に送り仮名や返り点を付ける問題

訓点付きの漢文では、漢字の右下に片仮名で送り仮名が示されています。

この場合は、ゼロから送り仮名を考えるのではありません。

返り点に従って読む順番を直し、示された片仮名を平仮名にして書きます。

一方、白文には読み方の手掛かりが付いていません。

漢字の意味だけでなく、句法や前後関係を見て、日本語としてどの形で読むかを決める必要があります。

「写す問題」と「読みを組み立てる問題」を分けることが、最初の一歩です。

なお、漢字の読みそのものを示す振り仮名と、活用語尾や助詞などを補う送り仮名も別物です。

たとえば「読ム」の「ム」は送り仮名で、書き下し文では「読む」とします。

 

②訓点付き漢文は4ルールで書き下す

図書室で漢文の練習プリントの読む順番を指でたどりながら書き下し文を書く高校生

訓点付き漢文を書き下し文へ直すときは、次の4ルールを順番に確認します。

1.返り点どおりの順番へ並べる

まず、レ点・一二点などに従って読む順番を決めます。

送り仮名から先に考えると、どの字へつながる仮名なのかを見失いやすくなります。

2.片仮名の送り仮名を平仮名にする

訓点では右下に片仮名で示されますが、書き下し文では平仮名に直します。

古典の文章なので、たとえば「謂フ」は「謂ふ」のように歴史的仮名遣いのまま書きます。

3.助詞・助動詞に当たる字を平仮名にする

「不」を打消しの助動詞として読むなら「ず」、「也」を断定として読むなら「なり」のように書きます。

元の漢文に漢字であったからといって、全部を漢字のまま残すわけではありません。

4.置き字は書かない

「而」「於」「矣」など、訓読で声に出さない置き字は、書き下し文にも書きません。

再読文字は少し特殊で、一度目に読む部分を漢字で、二度目に読む部分を平仮名で書きます。

書き下し文は「片仮名を平仮名にするだけ」ではなく、語順・仮名書き・置き字まで整えて完成です。

 

③白文では読む順・句法・活用から補う

自宅の窓辺で白文のプリントに付箋を貼り、語順や句法を確かめる高校生

白文に送り仮名を付ける問題は、訓点付き文より一段難しくなります。

ここで「この漢字はいつもこの送り仮名」と暗記すると、文が変わったときに対応できません。

次の3段階で考えてみましょう。

1.誰が何をする文かをつかむ

まず主語・動作・対象を大まかに考え、日本語ならどの順番で読むかを決めます。

返り点を付ける問題なら、この段階で戻る位置も確認します。

2.句法の目印を探す

否定・使役・受身・疑問・反語などの形があれば、その句法に決まった読み方があります。

たとえば、後ろに打消しが続く動詞は未然形になるため、「読む」ではなく「読ま」の形が必要になることがあります。

3.前後につながる活用形へ直す

最後に、続く助詞・助動詞に合わせて動詞や形容詞の形を整えます。

基本形だけを思い出すのではなく、「この後ろへ何が続くか」を見るのがポイントです。

送り仮名は漢字一字だけで決めず、句法と後ろに続く語までセットで判断しましょう。

白文の訓読には複数の表し方が成り立つ場合もあります。

定期テストでは、自由に意味が通ればよいとは考えず、教科書・授業プリント・先生が示した書き下し文を基準にするのが安全です。

 

④送り仮名で間違えやすい4つのポイント

自習室で漢文の答案の誤りを消しゴムで直し、赤いペンで読む順番を書き込む高校生

送り仮名のミスは、知識不足というより作業の混線から起きることが多いです。

自分がどこで間違えたかを分けてみましょう。

よくある間違い

●返り点を処理する前に、上から順に仮名をつなげる
●訓点の片仮名を、書き下し文でも片仮名のまま書く
●動詞をいつも基本形の送り仮名にしてしまう
●現代語訳から想像して、元の訓読にない言葉を足す

特に大事なのは、書き下し文と現代語訳を混ぜないことです。

書き下し文は、漢文を日本語の語順と古典の言葉で読み直したものです。

現代語訳は、その意味を現代の自然な日本語で表したものです。

訳が同じ方向を向いていても、使う言葉や語順は同じとは限りません。

送り仮名を直す段階では、先に書き下し文を完成させ、現代語訳はその後に考えます。

また、教科書と参考書で細かな表記が違うとき、すぐにどちらかが誤りとは限りません。

学校の答案では授業で採用された表記へそろえ、不明なら先生に確認しましょう。

 

⑤例文で付け方と書き下し方を確認

漢字カードを読む順番に並べ替え、返って読む位置を赤い矢印で示す手元

短い例で、考える順番を確認してみます。

「我 読ムレ 書ヲ。」という訓点付きの文があるとします。

レ点があるので、「書」を読んでから「読」へ戻ります。

送り仮名をつなげると、「我、書を読む。」です。

ここでは「ム」「ヲ」を自分で発明したのではなく、訓点にある読みを平仮名へ直しています。

次に「我 不レ 読マレ 書ヲ。」なら、読む順番は「我→書→読→不」です。

「読」の後ろに打消しの「不」が続くため、「読ま」と未然形になり、「不」は助動詞として平仮名の「ず」にします。

したがって、書き下し文は「我、書を読まず。」となります。

同じ「読」でも、後ろに続く語によって「読む」と「読ま」のように送り仮名が変わります。

答え合わせでは、正解を書き写すだけではもったいありません。

「読む順番」「句法」「活用」「仮名書き」のどこが違ったかを一つだけでも言葉にすると、次の問題へ知識を持っていけます。

 

⑥3段階の練習で「わからない」を抜け出す

ノートを鞄に入れ、朝の通学路を落ち着いた足取りで学校へ向かう高校生

送り仮名を身につけるなら、長い文章をいきなり何題も解く必要はありません。

教科書の短文を使い、次の3段階を繰り返してみてください。

おすすめの練習手順

1.訓点を見て、返り点どおりに音読する
2.訓点を見ながら、書き下し文を書く
3.書き下し文を隠し、白文や漢字部分を見て読みを再現する

最初から白文だけで完璧に読もうとすると、返り点・句法・活用の全部を同時に考えることになります。

難しく感じて当然です。

まずは訓点付きの文を正確に書き下せるようにし、その後で一部を隠していきましょう。

指導していても、送り仮名で止まる生徒さんが、実は返り点の順番で迷っていたということはよくあります。

反対に、読む順番は合っているのに、未然形や連用形で崩れている場合もあります。

「漢文が全部わからない」とまとめず、止まった場所を一つに絞れば、戻る勉強も短くできます。

返り点で迷ったら読む順番へ、仮名の形で迷ったら句法と活用へ戻るのが近道です。

送り仮名は、ただの小さな文字ではありません。

その字を文の中でどう働かせるかを示す、大切な手掛かりです。

一問ごとに根拠を確認していけば、書き下し文だけでなく現代語訳も読みやすくなりますよ!