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勉強お役立ちコラム

漢文の否定形の覚え方は一覧暗記より4分類!読みと訳が出る3ステップ

四色に分けた台紙の上に筆文字カードを仕分ける制服姿の高校生

ステコ
ステコ

否定形の一覧を見ていたら、「不」と「未」と「非」が全員同じ顔に見えてきました……。


野口先生
野口先生

漢字は違うので、そこは落ち着いてください(笑)。でも、一覧を横一列に覚えると混ざるのは本当です。役割で分けましょう!


ステコ
ステコ

役割ごとの引き出しを作る感じですか?


野口先生
野口先生

その通りです。形・読み・訳を一組にして、最後は白文から言えれば完成です!

【今回の真実】

漢文の否定形は、句形を一列に丸暗記するより、基本・不可能と禁止・否定の範囲・二重否定の4つに分けると覚えやすくなります。形・読み・訳を一組にし、白文から再現できるまで練習しましょう。

 

①否定形は4つの役割に分けて覚える

色違いの四つのトレーに筆文字の単語カードを仕分ける生徒の手元

漢文の否定形で最初にやってほしいのは、たくさんの句形を一気に暗記することではありません。
まず、次の4つの引き出しを作ります。

否定形の4分類

●基本の否定語……不・未・非・無など
●不可能と禁止……不可・不能・勿など
●否定の範囲……部分否定と全部否定
●否定の重なり……二重否定

この分け方は、教科書上の句形を新しく作り変えるものではありません。
覚える順番を整理するための、この記事内の学習用分類です。
最初から細かな違いを全部覚えず、「どの引き出しの話か」を言える状態を目指しましょう。

一覧を眺めるだけだと、見た瞬間には分かった気がします。
ところが白文で出されると、読みが出てこないことがよくあります。

指導でも、覚えたはずの句形が使えない生徒さんは、形と意味だけを目で追っていることが少なくありません。
だからこそ、読みまで声に出して一組にする必要があるんですね。

 

②基本の否定語は「何を否定するか」で整理

基本の否定語は、同じ「ない」と訳せても役割が違います。
高校漢文の入口では、不・弗は「~ず」、未は「いまだ~ず」、非は「~にあらず」、無は「~なし」と整理すると見分けやすくなります。

形 代表的な読み 覚える役割
不・弗 ~ず 動作や状態を打ち消す
未 いまだ~ず まだ実現していない
非 ~にあらず 判断を打ち消す
無 ~なし 存在がない

四枚の筆文字カードに時計や禁止マークなどの小物を並べた明るい机の上

たとえば「未」は、ただ「~ない」ではなく、「今のところ、まだ~していない」という時間の含みがあります。
「非」は「Aではない」、「無」は「Aがない」と考えると、現代語訳の違いが見えやすくなります。

ここで大事なのは、漢字一字と日本語訳一語だけを結び付けないことです。
「未=ず」とだけ覚えると、不との違いが消えてしまいます。
「未=いまだ~ず=まだ~していない」のように、読みと訳をひと続きで口に出して覚えましょう。

 

③不可能・禁止は後ろの字まで一組にする

赤いロープで閉じられた校内の階段前で立ち止まり手で制止を示す高校生

次は、不可能と禁止です。
ここは否定語一字ではなく、組み合わせをかたまりで見ます。

「不可A」は「Aすべからず」と読み、文脈に応じて「Aできない」または「Aしてはならない」と訳します。
「不能A」は「Aするあたわず」で、「Aできない」です。
一方、勿・毋・莫などが禁止で使われる場合は「~するな」「~してはいけない」という向きになります。

同じ否定でも、「できない」のか「するな」なのかを分けるのがポイントです。

覚えるときの言い方

不可=べからず=不可能または禁止
不能=あたわず=能力・事情としてできない
勿=なかれ=禁止

ただし「不可」は、前後の文脈によって不可能にも禁止にもなります。
カードに訳を一つだけ書いて終えるのではなく、短い例文の中でどちらなのかを確かめてください。

 

④部分否定と全部否定は語順を見る

色タイルの並び順を逆にした紙を指さして話し合う制服姿の二人の生徒

部分否定と全部否定は、意味だけでなく語順と一緒に覚えると迷いにくくなります。
基本は次の対比です。

不必と必不の違い

不必A=必ずしもAせず=Aするとは限らない
必不A=必ずAせず=きっとAしない

「不」が「必」を先に打ち消す不必Aは、「必ず」という断定を弱める部分否定です。
「必」が先に来て、その後の不Aを強める必不Aは、全部否定として読みます。
基本として、不+副詞なら部分否定、副詞+不なら全部否定という語順で見分けます。

読みでも、「必ずしも」と「必ず」が変わります。
つまり、読みを正しく言えれば意味もかなり絞れるわけです。
「部分否定」という用語だけを暗記するより、「必ずしも~とは限らない」まで声に出すほうが実戦的です。

 

⑤二重否定は内側から一段ずつほどく

入れ子になった三つの白い箱を小さい順に開いて並べた机の上

二重否定は、否定が二つあるため、結果として肯定の意味を表します。
ただし、最初から強い肯定へ置き換えると、形ごとのニュアンスを落とすことがあります。
まずは内側から一段ずつほどきましょう。

たとえば「不可不A」なら、内側の「不A」は「Aしない」です。
その全体に「不可」がかかるので、「Aしないことはできない」となり、自然な訳では「Aしなければならない」となります。
「無不A」なら、「Aしないものがない」を経て、「すべてAする」と考えます。

二重否定は「内側の否定→外側の否定→自然な現代語訳」の順で処理します。

「二重否定=強い肯定」と一行で覚えるより、途中の直訳を一度は作ってください。
そうすると、義務を表すのか、全体を肯定するのかという違いも見えます。

 

⑥形・読み・訳を3ステップで定着させる

駅のホームのベンチで単語カードをめくって復習する制服姿の高校生

最後に、実際の覚え方を3ステップにまとめます。

ステップ1 4分類に分けてカードを作る

表にする項目は「形・読み・直訳・自然な訳」の4列です。
一枚に全部を詰め込まず、基本、不可能と禁止、否定の範囲、二重否定に分けます。

ステップ2 形を見て読みと訳を声に出す

最初は答えを見ながらで構いません。
次に読みと訳を隠し、「不必A」を見て「必ずしもAせず、Aするとは限らない」と言います。

桐原書店の漢文学習用コンテンツでは、白文を見ながら音読を聞き、返り点・送り仮名・書き下し文を確認した後、繰り返し音読する方法が案内されています。

ステップ3 混ぜた問題で見分ける

分類ごとに言えるようになったら、不必Aと必不A、不可不Aなどを混ぜます。
間違えたときは「暗記不足」で終わらせず、形・読み・訳のどこで止まったかを一言残します。

完成の基準

●形を見て分類を言える
●書き下しの読みを言える
●直訳から自然な訳へ直せる
●似た形を並べても見分けられる

一覧を見て分かる状態ではなく、白文を見て読みと訳を言える状態がゴールです。

最初から全種類を完璧にしようとしなくて大丈夫です。
今日は基本、次は部分否定というように引き出しを一つずつ増やせば、否定形はずっと整理しやすくなりますよ!

 

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