



【今回の真実】
中学生が成績を上げる近道は、勉強時間をむやみに増やすことではありません。テストの点数と通知表を分け、答案や評価から一番大きな原因を見つけ、その原因に合う行動を一つずつ続けることです。
①中学生が成績上げる方法は、まず二つに分ける
②成績が上がらない原因を答案から見つけよう
③テストの点数を上げる勉強の順番
④通知表を上げるなら3観点を確認しよう
⑤まず一週間、この5つを実行しよう
①中学生が成績上げる方法は、まず二つに分ける
「成績を上げたい!」と思ったとき、いきなり問題集を買いに行く必要はありません。
最初に確認するのは、上げたい成績が「定期テストの点数」なのか「通知表の評定」なのかです。
この二つは関係していますが、まったく同じではありません。
テストで思うように点が取れないなら、知識の不足、解き方の理解、練習量、ミスの出方を見直します。
一方、テストの点は悪くないのに通知表が伸びないなら、観点別評価、提出物、授業中の課題や発表など、別の材料も確認する必要があります。
まず「点数」と「評定」のどちらを上げたいのか決める。
これだけで、やることはかなり絞れます。
さらに目標は「全部上げる」ではなく、「次の数学で前回より失点を減らす」「英語の観点別評価で課題を聞く」のように具体的にしましょう。
全部を一度に立て直そうとすると、結局どれも中途半端になりやすいからです。
②成績が上がらない原因を答案から見つけよう
次に、直す場所を答案から探します。
「自分は頭が悪いから」と決めつける必要はありません。
答案は、次に何を直せばよいか教えてくれる診断表です。
できなかった自分を責めるためではなく、次の作戦を決めるために使います。
間違えた問題を、次の三つに分けてみてください。
●知識不足:英単語、用語、公式などを覚えていなかった
●解き方不足:知識はあったが、問題でどう使うか分からなかった
●ミス:符号、単位、問題文の読み飛ばし、時間配分で落とした
一番多かった失点の種類が、次の勉強で最優先する場所です。
たとえば同じ数学の50点でも、計算のやり方を忘れている人と、計算はできるのに文章題で式を作れない人では、必要な勉強が違います。
英語でも、単語が読めないのか、文法で語順を間違えるのか、長文を最後まで読む時間がないのかで対策は変わります。
教科名だけで「数学が苦手」とまとめず、どの問題で、なぜ止まったかまで見てみましょう。
知識不足が多いのに難しい応用問題ばかり解いても、なかなか伸びません。
解き方不足なら、解説を読んで終わらず、何も見ずにもう一度解けるところまで戻します。
ミスが多いなら、「気をつける」ではなく、途中式を書く、単位に丸を付ける、最後に見直す問題を決めるなど、動作に変えましょう。
指導現場では、勉強時間だけを増やしたときより、失点を分けてから取り組んだときのほうが、今日やることが具体的になる生徒さんをよく見ます。
やる気が足りないのではなく、やることが大きすぎただけ、という場合もけっこうあるんですね。
③テストの点数を上げる勉強の順番
原因が見えたら、勉強は「学校の範囲を理解する→自力で解く→間違いを解き直す」の順で進めます。
まず使うのは、学校の教科書、ワーク、プリント、授業ノートです。
定期テストなら、先生が示した範囲と学校で扱った内容を外さないことが大切です。
提出するために答えを埋めるのではなく、テスト本番に一人で解ける状態を目指しましょう。
「分かった」と「解ける」は別です
解説を読むと分かった気持ちになりますが、テストで必要なのは、自分で答えを作る力です。
答えを閉じ、少し時間を空けて、もう一度最初から解いてみてください。
正解した問題まで何周もするより、間違えた問題と迷った問題に印を付け、そこを優先すると時間を使いやすくなります。
丸付けは勉強の終了ではなく、弱点を見つける開始地点です。
テスト前だけ急に長時間やるより、普段から学校の授業で分からなかった問題に印を付け、その日のうちに一問だけでも解き直すほうが、苦手をため込みにくくなります。
部活で帰宅が遅い日は、ワークを何ページも進めようとしなくて構いません。
「英単語を答えを隠して確認する」「数学の間違いを一問解き直す」のように、短くても終わりが見える課題を決めましょう。
余裕のある日に量を増やせばOKです。
ベネッセ教育総合研究所の調査では、成績上位で勉強時間が平均より短い中学生の群は、成績下位で勉強時間が平均より長い群より、「何が分かっていないか確かめる」「丸付け後に解き方を確かめる」といった方法を高い頻度で使っていました。
これは「短く勉強すれば上がる」という意味ではありません。
時間を確保したうえで、間違いの確認まで行うことが大切だと考える材料です。
④通知表を上げるなら3観点を確認しよう
中学校の学習評価は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で整理されています。
文部科学省の報告でも、論述やレポート、発表、話し合い、作品制作などを取り入れ、ペーパーテストの結果だけにとどまらない評価が必要だとされています。
つまり、通知表を上げたいときに「次のテストだけ頑張れば大丈夫」とは限りません。
かといって、先生に気に入られるための行動をする必要もありません。
大切なのは、各教科で求められている学びを確認し、足りない観点を改善することです。
通知表の観点別評価を見て、弱い観点を一つ選びましょう。
何を直せばよいか分からないときは、教科担当の先生へこう聞いてみてください。
「どうすれば成績が上がりますか」だけより、先生も具体的に答えやすくなります。
返ってきた答えは、その日のうちに一つの行動へ変えましょう。
「提出物を丁寧に」なら、途中式や直しまで書くなど、何をもって丁寧とするかも確認できると安心です。
ただし、実際にどの課題をどの観点で見るかは教科や学校によって異なります。
インターネットで見た「これをすれば評定が上がる」という方法を、そのまま自分の学校へ当てはめないでください。
評価方法の説明資料、観点別評価、先生の説明という、自分の学校で確認できる情報を優先しましょう。
⑤まず一週間、この5つを実行しよう
ここまで読んで「やることが多い!」と思った人も大丈夫です。
この記事では、成績を上げる行動を5つに整理しました。
●上げたいものを、テストの点数か通知表か決める
●直近の答案を、知識不足・解き方不足・ミスに分ける
●一番多い原因に合う勉強を、学校教材でやり直す
●答えを見ずに解けるか、翌日もう一度確かめる
●通知表なら、弱い観点と改善方法を先生に聞く
最初の一週間は、全教科を変えず、一教科・一原因に絞って試してください。
できた日には印を付け、週末に「続いたか」「同じ種類のミスが減ったか」を見ます。
うまくいかなければ、意志の弱さで片付けず、量が多すぎなかったか、始める時刻が曖昧でなかったかを直しましょう。
一週間続いたら、同じ教科でもう一つ原因を直すか、別の教科へ移るかを決めます。
小さく試して確認する流れを繰り返せば、「何となく勉強する」状態から抜け出せます。
反対に続かなかったなら、やる量を半分にして再スタートしても大丈夫です。
計画を小さくするのは逃げではなく、続けるための調整ですよ。
保護者の方は「勉強しなさい」と回数を増やすより、「今週は何を直す作戦?」と聞いてみてください。
できた行動を具体的に認め、困っている部分だけ一緒に整理するほうが、本人も話しやすくなります。
成績は、気合だけで上げるものではありません。
答案と評価に残った手がかりを使えば、次の一歩は決められます。
まずは今日、いちばん新しい答案を一枚出すところから始めてみましょう!








