




【今回の真実】
中学で成績が悪いとき、最初に必要なのは勉強時間を一気に増やすことではありません。テスト・通知表・普段の学習を分けて原因を一つ見つけ、親子と学校で役割を分けると、次の一歩が具体的になります。
①中学で成績が悪くても、最初に叱らなくていい
②テスト・通知表・普段の学習を分けて見る
③成績が悪い原因を三方向から絞る
④親子作戦会議と先生への質問で役割を分ける
⑤一週間で小さく立て直し、次の結果につなげる
①中学で成績が悪くても、最初に叱らなくていい
中学の成績が悪いと、「高校受験は大丈夫?」「このまま勉強嫌いになるのでは?」と心配になりますよね。
ここで一つ、はっきりお伝えします。
悪かった成績は、子どもの能力を決める判決ではありません。
今の勉強のどこを直せばよいか知らせる材料です。
最初にすることは、叱ることでも教材を買うことでもなく、「何の成績が、何と比べて悪かったのか」を確かめることです。
定期テストが前回より下がったのでしょうか。
通知表で2がついたのでしょうか。
それとも模試の判定が目標に届かなかったのでしょうか。
同じ「成績が悪い」でも、見る資料と直し方は違います。
返却された直後に親が質問を重ねると、子どもは原因を考える前に自分を守ろうとします。
実際の指導でも、「怒られる」と身構えている間は、答案を一緒に見ても話がなかなか前へ進みません。
まずは「今日は受け取ったよ。明日、一緒に作戦を考えよう」と伝え、少し時間を置いて大丈夫です。
結果への反応と、改善の相談を別の時間にするだけでも、親子の会話はかなり変わります。
「悪い子」ではなく「困っている場所がある子」と見る
「あなたは勉強が苦手」「やる気がない」と人格まで決めつけると、直す対象が大きすぎて動けません。
「英語の単語問題で落としている」「ワークが途中だった」のように、行動へ戻せる言葉に変えましょう。
ここまで小さくできれば、「それなら直せそう!」という話になります。
問題を直せる大きさまで小さくすることが、立て直しの出発点です。
②テスト・通知表・普段の学習を分けて見る
成績の原因を見つけるときは、一枚の数字だけで判断しないことが大切です。
手元に次の資料を並べてください。
●返却されたテストの答案と問題用紙
●通知表の評定と観点別評価
●学校ワーク、ノート、プリントなど普段の学習物
この三つを並べると、「理解できていない」のか、「分かっているのにテストで出せない」のか、「評価材料が不足している」のかを分けやすくなります。
現在の中学校では、各教科の学習状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三観点で捉え、それをもとに評定をつけます。
そのため、通知表は定期テストの点数だけで決まるものではありません。
一方で、観点別評価を評定へまとめる具体的な方法は各学校が定めます。
「何点なら必ず3」といった全国共通の境界を探すより、自校の評価資料を読み、分からなければ教科担当の先生へ聞くほうが確実です。
答案は点数より「落とし方」を見る
間違えた問題に、簡単な印をつけてみましょう。
●知らなかった
●習ったが、解き方を思い出せなかった
●解き方は分かったが、時間不足やミスで落とした
点数が同じでも、知らなかった問題が多い子と、ミスが多い子では、明日からやる勉強が違います。
点数だけで「もっと頑張る」と決めず、失点の種類まで見てください。
③成績が悪い原因を三方向から絞る
資料を並べたら、原因を大きく三方向に分けます。
難しく考えなくて大丈夫です!
一つ目は、前の学年や前の単元を含む「基礎の穴」です。
英語の現在形が曖昧なまま時制が増えたり、数学の計算が不安定なまま方程式へ進んだりすると、今の授業だけを復習しても苦しくなります。
二つ目は、「勉強のやり方」です。
ノートをきれいにまとめる、答えを赤で写す、教科書を読むだけで終わると、勉強した時間は長くても、一人で答えを出す練習が足りません。
三つ目は、「勉強を続けられる状態」です。
部活後の疲れ、睡眠の乱れ、スマホが気になる環境、学校での悩みなどが先にあると、勉強法だけ変えても続きません。
原因は一度に全部直そうとせず、今いちばん点数や評価を止めているものを一つ選びます。
例えば、ワークが未提出なら、難しい参考書を始める前に提出を整える。
英単語を知らず長文が読めないなら、長文問題を増やす前に範囲の単語へ戻る。
解説を読めば分かるのに本番で解けないなら、答えを閉じて解き直す回数を増やす。
このように、原因と行動を一対一で結びます。
「勉強時間を増やす」は作戦ではなく、原因に合った練習へ時間を使って初めて作戦になります。
④親子作戦会議と先生への質問で役割を分ける
原因が見えたら、親子で短い作戦会議をします。
反省会ではなく、あくまで「次はどうする?」を決める会議です。
保護者が答えを先に決めるのではなく、まず本人へ次の三つを聞いてみてください。
●自分では、どの教科がいちばん困っている?
●やっていなかったのか、やったけれど分からなかったのか?
●家で手伝ってほしいことはある?
「スマホを預かって」「問題を出して」「先生に聞く内容を一緒に整理して」など、本人から頼み方が出てくれば、親の役割が見えます。
保護者の役割は、勉強を代わりに管理し切ることではなく、本人が決めた一歩を実行しやすくすることです。
通知表の理由が分からない場合は、推測で決めつけず学校へ確認しましょう。
「どうしてこんな成績なんですか」と聞くと、先生も広い説明しかできません。
資料を見ながら具体的に尋ねると、次に示すべき行動が分かりやすくなります。
本人は一教科の練習、保護者は環境づくり、先生は評価と学習内容の確認というように、役割を分けましょう。
⑤一週間で小さく立て直し、次の結果につなげる
作戦会議の最後に、まず一週間だけ試す行動を決めます。
長い計画を完璧に作るより、短く試して修正するほうが始めやすいからです。
2〜5日目:一教科の基本問題を、答えを閉じて解き直す
6日目:できなかった問題だけもう一度解く
7日目:最初と同じ問題で、何も見ずにできるか確かめる
ここで大事なのは、取り組んだ時間ではなく「自力でできる問題が増えたか」です。
できなければ、怠けたと決める必要はありません。
戻る単元が違った、問題が難しすぎた、時間帯が合わなかったなど、作戦を一つ変えればよいのです。
一週間後の確認は合否判定ではなく、次の作戦をよくするための小さな実験です。
ただし、睡眠の乱れ、食欲の変化、登校のつらさ、強い落ち込みなどが続いている場合は、成績より先にその困りごとを扱ってください。
担任、養護教諭、スクールカウンセラーなど、学校の相談先を早めに頼って構いません。
家庭だけで教え方や計画づくりが難しい場合は、塾や家庭教師を使う選択もあります。
その際は、授業を増やすことだけでなく、学校の答案や教材を見て原因を探し、普段の学習まで一緒に整えてくれるかを確認しましょう。
中学の成績は、悪かった結果を隠すより、原因を一つ見つけて次の行動へ変えたところから立て直せます。
成績表を親子げんかのゴングにするのは、今日でおしまいです(笑)。
親子で同じ側に立ち、まず一週間の小さな作戦から始めてみてくださいね!









