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勉強お役立ちコラム

中学の通知表は作戦表!評定・3観点・所見から次の一行動を決める

明るいダイニングで通知表を一緒に見ながら笑顔で話す母親と中学生の娘

ステママ
ステママ

先生、通知表が返ってきました。まず評定を全部足して、ため息の数も足せばいいですか?


野口先生
野口先生

ため息は集計しなくて大丈夫です(笑)。数字だけでなく、その横の3観点を見ると「なぜこの評定か」が分かりやすくなりますよ。


ステママ
ステママ

「3が二つ」より、「次に直す場所が二つ」と見ればいいんですね。


野口先生
野口先生

その見方なら通知表が作戦表に変わります。評定、3観点、所見の順に一緒に読んでみましょう!

【今回の真実】

中学の通知表は、5段階評定だけを見て一喜一憂するための紙ではありません。評定で変化をつかみ、3観点と所見から理由を探し、次に変える行動を一つ決めると、通知表を学習改善に生かせます。

 

①通知表は中学生活の判決ではなく次の学びの資料

通知表・テスト答案・提出物ファイルを机に並べて確認する親子の手元

中学の通知表を開くと、どうしても最初に「5がいくつ、3がいくつ」と数えたくなりますよね。
良ければホッとしますし、予想より低ければ「このままで大丈夫?」と不安になるのも自然です。

ただ、通知表はお子さんの能力や将来を決める判決文ではありません。
その学期や学年の学習状況を振り返り、次の学び方を考えるための資料です。

予想より低い数字があっても、そこでお子さん全体を低く評価する必要はありません。
一教科の一つの観点まで分ければ、家庭で動かせることはずっと見つけやすくなりますよ。

文部科学省も、通知表は本人や保護者に学習状況を伝え、その後の学習支援に役立てるためのものと説明しています。
つまり、受け取った日のゴールは「良かった」「悪かった」で終わることではなく、次に続けることと直すことを見つけることなんですね。

なお、通知表の名称、欄の並び、記号、所見の書き方は学校によって違います。
この記事の読み方を土台にしつつ、最終的には自校から配られた評価方法の資料や通知表の注記を優先してください。

まずそろえるもの

通知表だけで原因を当てようとせず、前回の通知表、定期テストの答案、提出物や振り返り、学校の評価資料も手元に置きましょう。
数字の背景が見えやすくなります。

 

②最初は5段階評定で全体の変化を見る

明るい校舎の廊下で資料を抱え、自分の学習の変化を静かに振り返る制服の中学生

中学校の各教科の評定は、5・4・3・2・1の5段階です。
評定は各教科の学習状況を総括して表す数字なので、最初は全体像をつかむために使います。

見るポイントは、今回の数字だけではありません。
前回から上がった教科、下がった教科、変わらなかった教科に分けてみましょう。

ここで大切なのは、評定を友達との順位表として読まないことです。
現在の学習評価は、学習目標をどの程度実現できたかを見る「目標に準拠した評価」が基本です。
「周りよりテストの点が高かったから4のはず」とは限りません。

親としては「同じ点数の友達は4だったのに」と言いたくなる場面もあるでしょう。
でも、比べたい相手は友達ではなく、前回のお子さん自身と今回の評価材料です。

逆に、数字が変わっていなくても中身まで同じとは限りません。
たとえば評定3のままでも、以前は低かった観点が上がり、別の観点が次の課題になっている場合があります。

ですから、5段階評定は入口です。
評定の変化を見つけたら、そこで結論を出さず、横や下にある観点別評価へ進みましょう。

 

③数字の理由は3観点から探す

理科室で実験結果の図を示しながら根拠を説明する制服の女子中学生

今の中学校の観点別学習状況は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で整理されています。
学校によってA・B・C、◎・○など表示は異なりますが、ここが評定の中身を読む場所です。

知識・技能

用語、計算、文法、実技の基礎など、学んだ内容や技能が身に付いているかを見る観点です。
定期テストや小テストだけでなく、授業中の課題や実技などが材料になることもあります。

低かった場合は、答案の基本問題や小テストへ戻り、「答えを見ずにできるか」を確かめるのが第一歩です。

思考・判断・表現

覚えた知識を使って考え、理由を説明し、文章・式・図・発表などで表せるかを見る観点です。
用語を覚えただけで終わらず、記述問題の根拠や途中式まで確認しましょう。

主体的に学習に取り組む態度

「主体的に学習に取り組む態度」は、単に挙手の回数やノートのきれいさだけを見る欄ではありません。
学習へ粘り強く取り組み、自分の学び方を振り返って調整しようとしているかも含まれます。

たとえば間違いを直したか、振り返りを次の学習へ生かしたか、助言を受けて方法を変えたかなど、自分で改善した跡が大切になります。

3観点は「どこが悪いか」を責める欄ではなく、「次にどんな行動を増やすか」を探す欄です。

 

④所見・活動・出欠は数字にない情報として読む

放課後の明るい教室で担任の先生に活動の様子を笑顔で話す女子中学生

評定と3観点を見たら、所見、学校生活や特別活動の記録、出欠の記録など、自校の通知表にある他の欄も読みます。
ここには5段階の数字だけでは見えない成長や気がかりが表れます。

所見では、先生が書いた「粘り強く取り組んだ」「発表で根拠を示せた」「係の仕事を続けた」といった具体的な行動に注目してください。
抽象的に「もっと頑張る」と決めるより、所見に書かれた良い行動を次の学期も続けるほうが具体的です。

活動の記録は、委員会や行事での役割だけを眺めるのではなく、本人が何を工夫し、何を身に付けたかを聞く材料にできます。
出欠欄に気になる変化がある場合も、まず怠けと決めつけず、体調、睡眠、友人関係、学校で困っていることがないかを落ち着いて聞きましょう。

通知表にない欄を他校の見本で探す必要はありません。
様式は学校ごとに工夫されるため、自校の通知表に書かれた情報を、本人との会話を始める材料として使えば十分です。

 

⑤受け取った日の親子会議は3手順で進める

週間予定帳に次の一行動のチェックを一つだけ書き込む中学生の手とタイマー

通知表を見た直後は、親も子も感情が動きます。
そんな日に反省点を全部並べると、話し合いが長くなり、最後には「次は頑張ります」という便利な一言だけが残りがちです(笑)。

親子会議は3手順で進めると整理しやすくなります。

手順1 本人の見方を先に聞く

最初の質問は、「どうしてこんな成績なの?」ではなく、「自分ではどの教科が意外だった?」がおすすめです。
本人の予想と結果がずれた教科には、評価方法を理解できていない場所や、努力が結果につながっていない場所が隠れています。

手順2 続けたい行動を一つ認める

上がった数字だけでなく、期限を守った、解き直しをした、質問できたなど、結果につながった行動を見つけます。
良かった行動を先に言葉にすると、改善の話も「叱られる時間」ではなく「作戦を立てる時間」になりやすいです。

1000人以上の生徒さんを指導してきてよく感じるのは、評定を見てすぐ大人が答えを出すより、本人に予想との差を話してもらったほうが原因を具体化しやすいということです。
勉強していなかったのか、やったのに方法が合わなかったのかでは、次の一手がまったく違いますからね。

手順3 次の一行動だけ決める

「全教科を上げる」では大きすぎます。
一教科・一観点に絞り、「英語の小テストを翌日に解き直す」「数学の記述で途中式を残す」のように、実行したか分かる形にします。

通知表を受け取った日に決めるのは、完璧な学習計画ではなく、次の一週間で試す一行動で十分です。

 

⑥分からない評価は先生に具体的に確認する

放課後の教室で答案を前に先生へ評価の理由を具体的に質問する男子中学生

通知表、答案、提出物を並べても理由が分からないときは、推測だけで対策を決めず、教科担当の先生へ確認しましょう。

「なぜ3なんですか?」だけでは、先生も広い説明になってしまいます。
次のように分けると、家庭で何をすればよいかまで聞きやすくなります。

先生へ確認する3つの質問

●今回の評定に特に影響した観点はどれですか
●その観点は、どのテスト・課題・活動で評価されましたか
●次の評価までに、何ができると改善に近づきますか

先生へ質問することは、評価に文句を言うことではありません。
お子さん自身が次の学び方を理解するための確認ですので、遠慮しすぎなくて大丈夫ですよ。

聞きたいのは数字を変えてもらう方法ではなく、評価された事実と次に示すべき行動です。
学校の評価資料があれば持参し、本人の認識と先生の説明を照らし合わせましょう。

また、通知表と「内申」は同じ言葉のように使われることがありますが、きちんと分けて考える必要があります。
通知表は学校が家庭へ学習状況を伝える資料、調査書は高校入試などの選抜資料で、目的と機能が違います。
入試でどの学年の評定をどう使うかは地域や選抜で異なるため、受験への影響を知りたい場合は、都道府県教育委員会の当年度資料と志望校の選抜方法を確認してください。

中学の通知表で本当に大切なのは、数字を見てお子さんの価値を決めることではありません。
評定で変化を見つけ、3観点で理由を探し、所見や本人の話を重ねて、次の一行動を決めることです。

通知表を「終わった学期の採点表」から「次の学期の作戦表」へ変えていきましょう!

 

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