

先生、受験勉強って何から始めればいいの?とりあえず一番分厚い問題集を買えば、見た目だけは強そうだけど。

問題集の威圧感で合格はできないぞ(笑)。先に確認するのは、今の実力と志望校までの距離だよ。

じゃあ、苦手な数学を毎日ずっとやればいい?英語と理社には、しばらく冬眠してもらおうかな。

受験科目を冬眠させたら、起きるころには入試が終わっている(笑)。学校の成績と入試の得点を分けて考え、毎週の勉強に落とし込もう!
【今回の真実】
中学生の受験勉強は、難しい問題集から始める必要はありません。学校の成績を守る勉強と入試で点を取る勉強を分け、現在地を確認してから、基礎・自力演習・解き直しの順で進めるのが近道です。
①中学生の受験勉強は二本立てで考えよう
②最初に現在地を三つの資料で確認する
③点につながる勉強法を4段階で回す
④5教科は同じやり方で勉強しない
⑤一週間の計画は「時間」より「できる」で作る
⑥進まないときは原因に合う助けを借りよう
①中学生の受験勉強は二本立てで考えよう

「高校受験の勉強を始めよう!」と思ったとき、いきなり入試問題ばかり解く必要はありません。
まず知ってほしいのは、受験対策には次の二本があることです。
文部科学省は、調査書を高校入試の資料として作成し、その様式や記載事項は各都道府県教育委員会などが定めると説明しています。
つまり、内申の扱いや試験科目を全国共通だと思い込まず、受験年度の教育委員会の案内や志望校の募集要項を確認する必要があるわけです。
学校の勉強と入試の勉強は、どちらか一方を選ぶものではありません。
中学1・2年生なら学校の授業と定期テストを中心にしながら、苦手をためないことが立派な受験対策になります。
中学3年生なら、学校の範囲を進めつつ、前学年までの穴を埋める時間を別に確保しましょう。
②最初に現在地を三つの資料で確認する

受験勉強の最初の一手は、新しい問題集を買うことではありません。
通知表、直近の定期テストや実力テスト、模試の成績表を机に並べてみましょう。
まだ模試を受けていなければ、学校の実力テストや自治体が公開している入試問題でも構いません。
ここで見るのは、点数の高さだけではありません。
間違いを次の三つに分けます。
●知識不足:単語、用語、公式を知らなかった
●再現不足:解説を読めば分かるが、自力では解けなかった
●実戦不足:時間切れ、読み違い、計算や記号のミスがあった
最も多い失点の種類を見つけ、一教科の一単元から直すのがスタートです。
たとえば数学で再現不足が多いのに、英単語帳を新しくしても数学の点は上がりませんよね。
当たり前に聞こえますが、受験への不安が強いほど「あれもこれも」と教材を増やし、この順番が崩れやすくなります。
これまで多くの中学生を見てきても、勉強時間が足りない生徒さんだけでなく、直す場所が曖昧なまま長時間頑張っている生徒さんは少なくありません。
まずは「次の一週間で何を解けるようにするか」を一つ言える状態にしましょう。
③点につながる勉強法を4段階で回す
勉強は、読んで分かったところで終わりではありません。
入試本番では、教科書や解説を閉じた状態で答えを出す必要があるからです。
そこで、次の4段階を一つのセットにします。

1.理解する
教科書、学校ワーク、授業ノートを使い、解き方や言葉の意味を確認します。
分からないところは、先生へ質問しても大丈夫です。
2.何も見ずに解く
解説を閉じ、途中式や理由も含めて自力で答えを作ります。
ここで止まった問題が、本当に復習すべき問題です。
3.間隔を空けて再テストする
その場で解けただけで安心せず、翌日や数日後にもう一度解きます。
学習法の研究レビューでも、自分で答えを思い出す練習と、学習を一度に詰め込まず間隔を空ける方法は、有用性の高い方法として評価されています。
4.混ざった問題を時間内に解く
単元別では解けても、別の単元と混ざると解法を選べないことがあります。
最後は実力テストや過去問で、使う知識を自分で判断する練習をしましょう。
「分かった」を「何も見ずに、時間内にできた」へ変えるところまでが受験勉強です。
④5教科は同じやり方で勉強しない

5教科を毎日まったく同じ時間ずつ勉強すると、平等には見えます。
でも、必要な直し方は教科によって違います。
英語・数学は、つながりが切れた場所まで戻る
英語と数学は、前に習った内容を使って次の内容へ進む場面が多い教科です。
今の単元で止まったら、関連する前学年の文法、計算、関数などへ戻ります。
全部を最初からやり直すのではなく、今のつまずきにつながる場所だけ戻るのがコツです。
理科・社会は、読む時間より答える回数を増やす
教科書を何度も眺めるだけでなく、用語を隠して答える、図を白紙に再現する、理由を一文で説明する練習を入れます。
計算分野や資料問題は、暗記だけで終わらせず問題演習まで進みましょう。
国語は、正解の根拠を本文へ戻す
選択肢を勘で選ばず、正解と不正解の理由を本文中の言葉で説明します。
漢字や文法など、練習量が点に結びつきやすい分野も落とさないようにしましょう。
教科を均等に扱うのではなく、失点の原因に合う練習を配ることが大切です。
⑤一週間の計画は「時間」より「できる」で作る

「今週は20時間勉強する」という計画だけでは、何ができるようになったか分かりません。
時間は枠として使い、中身は行動で決めましょう。
●週の初め:答案から直す単元と問題を決める
●平日:基礎確認と自力演習を少しずつ進める
●週末:答えを閉じて再テストする
●週の終わり:解けた問題と残った問題を分け、翌週へ一つだけ持ち越す
部活や学校行事がある週は、最初から勉強量を減らして構いません。
予定が崩れたときに全てを翌日へ押し込むと、雪だるま式に計画が重くなります。
予備の時間を残し、終わらなかったら優先順位の低い課題を外しましょう。
良い計画とは、きれいな予定表ではなく、毎週直しながら続けられる計画です。
保護者の方は「今日は何時間やった?」より、「今週は何ができるようになった?」と聞いてみてください。
監視される感覚を減らしながら、勉強の中身を一緒に確認できます。
⑥進まないときは原因に合う助けを借りよう

計画どおり進まないからといって、すぐに「やる気がない」と決める必要はありません。
解説が理解できないなら、前の単元へ戻るか、学校や塾の先生へ質問する必要があります。
何を優先すべきか選べないなら、答案と志望校の情報を見せて、学習計画を一緒に作ってもらいましょう。
机に向かえない状態が続くなら、生活時間や勉強を始める場所から整えるほうが先です。
困っている原因が違えば、必要な助けも違います。
受験勉強は、特別な一日で一気に完成するものではありません。
学校の成績と入試の得点を二本立てで見ながら、一教科の一単元を選び、理解、自力演習、再テストを回していけば大丈夫です。
まず今日、直近の答案を一枚だけ机に出してみてください。
そこに、合格へ進む最初の一問がありますよ!




●学校の成績を守る勉強:授業、定期テスト、提出物を丁寧に進める
●入試で点を取る勉強:既習範囲の復習、模試の解き直し、過去問演習を進める