

英単語帳は何周もしたのに、長文になると知っている単語まで急に知らない顔をします……。

単語たちが変装したわけじゃないよ(笑)。単語を思い出す速さや、文の骨組みの取り方を分けて確認してみよう!

では、単語帳を最初からやり直す前に、どこで止まったかを調べればいいんですね。

その通り!単語帳と長文は、どちらかを終えてから次へ進むのではなく、役割を分けて一緒に使うのがコツだよ。
【今回の真実】
英単語を覚えても長文が読めないなら、単語数だけを増やす前に「意味がすぐ出ない・一文の骨組みが取れない・段落の流れを見失う」のどこで止まるかを確かめましょう。単語帳で土台を保ち、長文で使える知識へ変える往復が必要です。
①英単語と長文は同時進行で勉強しよう
②長文が読めない場所を3つに分ける
③知らない英単語は4つの基準で仕分ける
④1つの長文を5ステップで復習する
⑤単語帳と長文を1週間でどう回す?
⑥初見の長文で伸びたかを確かめよう
①英単語と長文は同時進行で勉強しよう

「英単語帳を完璧にしてから長文へ進もう」と考えて、いつまでも読解を始められない生徒さんがいます。
反対に、分からない単語だらけのまま長文だけを解き続け、毎回ほぼ全訳を読む状態になる生徒さんもいます。
結論から言えば、どちらか一方では足りません。
単語帳は頻出語を広く覚える場所、長文は覚えた語を文脈の中で使えるか確かめる場所です。
英単語を見て意味を答えられても、長文の中で毎回数秒考えていたら、前の文とのつながりを見失います。
一方、単語がすぐ分かっても、主語と動詞や修飾関係を取り違えれば内容はつかめません。
2011年に8か国661人を調べた研究では、文章中で知っている語の割合と読解成績には、急に伸びる境目ではなく、おおむね直線的な関係が見られました。
つまり、語彙は多いほど助けになりますが、「何語覚えたら自動的に長文が読める」という一本の線はありません。
まずは手元の単語帳を続けながら、今の自分が無理なく復習できる長文を並行して読みましょう。
ここでつまずいていても、勉強が足りないと決めつけなくて大丈夫です。
知識を使う練習がまだ足りないだけなら、やることを分ければきちんと前へ進めます。
②長文が読めない場所を3つに分ける

長文を読み終えて「全然分からなかった」で片づけると、次に何を直すか決まりません。
一文ずつ戻り、最初に止まった場所を次の3つから探してください。
「語」で止まるなら、単語帳でその語と周辺の基本語を戻します。
「文」で止まるなら、知らない語を増やすより、主語と動詞に印を付けて一文の骨組みを確認します。
「段落」で止まるなら、各段落を一言で要約し、「しかし」「そのため」など流れを変える表現を追います。
指導していると、単語テストでは取れるのに長文で止まる生徒さんは珍しくありません。
よく見ると単語不足ではなく、長い一文の動詞を見つけられず、知っている語を日本語で並べていることがあります。
単語帳をもう一周する前に、語・文・段落のどこで最初に崩れたかを見る。
これだけで、復習の空振りはかなり減らせます。
③知らない英単語は4つの基準で仕分ける

長文に出た未知語をすべて単語ノートへ写すと、読解より転記に時間を使ってしまいます。
だからといって、全部を「文脈で推測すればいい」と流すのも危険です。
次の4つに当てはまる語を優先して覚えましょう。
●手元の基本単語帳に載っていた語
●本文や設問で繰り返された語
●その語が分からず、文の結論を取り違えた語
●別の長文でも見かけたテーマ語や熟語
人名・地名などの固有名詞、注釈が付いた専門語、意味を知らなくても設問へ答えられた細かな修飾語は、ひとまず深追いしなくても構いません。
ただし「覚える・捨てる」を永遠に固定するわけではありません。
別の文章でもう一度出会ったら、その時点で優先順位を上げます。
文部科学省の中学校学習指導要領解説でも、読んで意味を理解する受容語彙と、話したり書いたりする発信語彙は区別され、繰り返し触れる中で定着を深める考え方が示されています。
長文を読む段階では、まず「見たら文脈に合う意味が出る語」を増やすことが先です。
つづりを正確に書く練習は、英作文や定期テストで必要な語へ分けて行いましょう。
④1つの長文を5ステップで復習する
問題を解いて丸つけをしただけでは、次の長文を読む力には変わりにくいものです。
一つの長文を、次の5ステップで使い切ってください。
1.辞書を引かずに読み、止まった語へ△を付ける
2.答え合わせをして、失点の原因を語・文・段落に分ける
3.覚える語だけを選び、本文中の短いまとまりと一緒に意味を確認する
4.主語と動詞、段落の要点を確かめてから、英文をもう一度読む
5.翌日、和訳を閉じて同じ長文を読み直す

最初から一語ごとに辞書を引くと、何を自力で読めたのか分からなくなります。
まず△を付けて最後まで進み、答えに関わった語から調べるのがポイントです。
単語カードへ移すときも、英単語と日本語訳だけでなく、本文中の2〜5語ほどのまとまりを添えます。
たとえば「address=住所」だけで終わらず、その文章で address a problem と使われていたなら「問題に取り組む」というまとまりで戻します。
意味を確認した直後ではなく、翌日に和訳なしで読めるかまで確かめて復習完了です。
⑤単語帳と長文を1週間でどう回す?

単語帳と長文は、毎日同じ重さで行う必要はありません。
学校や部活動で忙しいなら、単語帳を短い固定枠にし、長文を扱う日だけ少し長めに取ると続けやすくなります。
たとえば平日は、単語帳の新しい範囲と前日の間違いを毎日確認します。
そのうち2〜3日は短い長文を一題読み、先ほどの5ステップを二日に分けます。
休日には新しい長文を時間を測って読み、一週間で戻した語が使えたかを確かめます。
●単語帳:頻出語を広く、素早く思い出す練習
●長文:文脈に合う意味、文の骨組み、段落の流れを確認
●翌日の再読:答えを見ずに再現できるか判定
長文の日に単語を20個も30個も追加すると、翌日の復習が破綻します。
新しく拾う語数より、選んだ語へ翌日もう一度会う仕組みを優先してください。
予定どおり進まない週は、長文の難度か量を下げれば大丈夫です。
勉強を止めるより、短い文章へ替えて往復を続けるほうが前に進めます。
⑥初見の長文で伸びたかを確かめよう

同じ長文を何度も読めば、内容を覚えて速く読めるようになります。
それは大切な復習ですが、それだけでは初見の文章にも通用するか分かりません。
一週間の最後に、同じくらいの難度と長さの新しい文章を一題読みましょう。
見るのは点数だけではありません。
●基本語で止まる回数が減ったか
●一文の主語と動詞をつかめたか
●各段落を一言で説明できるか
●根拠を本文へ戻して答えられたか
時間だけが短くなっても、内容を取り違えていたら読み飛ばしです。
反対に、まだ遅くても根拠を正確に拾えるようになったなら、読み方は前進しています。
初見文で同じ手順を使えたかを確認して、次週は最も弱かった一か所だけを重点にする。
これが、単語帳の周回数を増やすだけで終わらず、英単語を長文読解の力へ変える方法です。
焦って新しい単語帳を増やさなくても大丈夫です。
今ある単語帳と一つの長文を往復し、読めなかった理由を具体的にしていきましょう!




●語:見たことはあるのに意味がすぐ出ない
●文:単語は分かるのに、主語・動詞・修飾関係が取れない
●段落:一文ずつは読めるのに、筆者の主張や話の転換が分からない