

『漢文早覚え速答法』を買ったんですが、速く答える本なら速読すればいいんですよね?

本の名前に引っぱられましたね(笑)。速く読むより、まず本を閉じて公式を言えるかが大事です!

では、読んだページ数ではなく、思い出せた数を数えます!

その考え方なら使いこなせます。最後は初見の漢文で使えるところまで進めましょう。
【今回の真実】
『漢文早覚え速答法』は、句法と重要漢字を絞って学び、入試漢文の土台を作るのに向く本です。ただ読むだけで終えず、公式の再現、例文、初見問題の順につなげてこそ得点力になります。
①漢文早覚え速答法は「知識の入口」として使える
②始める前に返り点と書き下しを確認する
③得点につなぐ5ステップの使い方
④何周より「本を閉じてできるか」で判断する
⑤向く人・これだけでは足りない人
⑥終えたら初見問題と過去問へ進もう
①漢文早覚え速答法は「知識の入口」として使える

結論から言うと、『漢文早覚え速答法』は、漢文の句法をどこから覚えればよいか迷っている高校生に使いやすい一冊です。
現行の『漢文早覚え速答法 パーフェクト版 共通テスト完全対応』は、田中雄二先生の著書で、Gakkenから2025年3月27日に発売されています。
高校1〜3年生を対象とした310ページの参考書で、定価は1,540円です。
中心になるのは、漢字そのものよりも送り仮名などの「漢字以外の読み」に注目する10の「いがよみ」公式と、「コレだけ漢字91」です。
使役・受身・比較・反語などを、ばらばらに丸暗記するのではなく、見抜く手がかりを絞って整理できるのが強みですね。
ただし、この本の役割は「漢文のすべてを一冊で終わらせること」ではありません。
句法と重要漢字を整理し、初見問題へ進むための土台を作る本だと考えると、自分に合うか判断しやすくなります。
書店には2020年発売の「共通テスト対応版」が並んでいる場合もあります。
これから新品を選ぶなら、表紙の「パーフェクト版」とISBN「978-4-05-306084-6」を確認すると、版の取り違えを防げますよ。
②始める前に返り点と書き下しを確認する

「漢文が苦手だから、さっそく公式を覚えよう!」と進みたくなりますが、その前に小さな確認をしましょう。
レ点・一二点に従って読む順番をたどれるか、短い文を書き下し文にできるか、再読文字を見たことがあるかの3点です。
この土台が抜けていると、公式の説明を読んでも、例文のどこを見ればよいのか分かりにくくなります。
反対に、ここができるなら、返り点の勉強を何週間も続ける必要はありません。
教科書の短い例文を一つ書き下せれば、本書を始めて大丈夫です。
まだ難しければ、学校の教科書や基礎ドリルで返り点と書き下しだけを先に確認してください。
これは遠回りではなく、『漢文早覚え速答法』を速く進めるための準備です。
●返り点どおりに読む順番へ番号を振れる
●送り仮名を補って書き下し文にできる
●「未」「将」などの再読文字を見ても固まらない
全部を完璧にする必要はありませんので、安心してください。
どこで止まったかが分かれば、その部分だけ教科書へ戻ればよいのです。
「漢文ができない」のではなく、スタート地点が一つ手前だっただけかもしれません。
③得点につなぐ5ステップの使い方

『漢文早覚え速答法』は、最初から一字一句を覚えようとすると進みにくく、読むだけで周回すると知識が残りません。
おすすめは、理解と再現と演習を分ける5ステップです。

ステップ1 公式の意味をつかむ
まず一つの公式を読み、何を見つける公式なのかを理解します。
この段階では、細かな説明を全部暗記しようとしなくて構いません。
ステップ2 例文の目印に線を引く
句法を見抜く根拠になった送り仮名や語尾を探し、例文の中へ線を引きます。
名前だけでなく、文中のどこを見たかまでセットにしましょう。
ステップ3 本を閉じて再現する
本を閉じ、句法名・読み方・意味を声に出します。
見れば分かる状態と、何も見ずに言える状態は別物です。
詰まったらすぐ開き、もう一度閉じて言い直します。
ステップ4 練習問題で使う
覚えた直後に、その公式の練習問題を解きます。
間違えたときは答えだけを書き写さず、「公式を忘れた」「漢字の意味を知らなかった」「文脈を取り違えた」に分けましょう。
ステップ5 翌日に混ぜて再テストする
翌日は前日の公式と新しい公式を混ぜ、本なしで判定します。
同じ並び順でしか答えられない状態を避けるため、順番を変えるのがポイントです。
公式と並行して「コレだけ漢字91」も少しずつ確認します。
日本語訳だけを眺めるのではなく、漢字を見て読みと意味を答え、短い文の中でも意味を選べるか確かめてください。
④何周より「本を閉じてできるか」で判断する

参考書の相談でよく出るのが、「何周すれば完成ですか?」という質問です。
2周、3周という回数は計画を立てる目安にはなりますが、完成の基準にはなりません。
丁寧に1周しても初見文で使えなければ、もう一度そこだけ練習する必要があります。
反対に、すでに習った範囲なら少ない復習で通過できることもあります。
多くの高校生を見ていると、伸び始めるのは「何ページ読んだか」から「閉じた後に何ができたか」へ基準を変えたときです。
これは特定の一人の成功談ではなく、参考書学習でよく見られる傾向です。
周回数ではなく、次の4項目で卒業を判断しましょう。
●10の公式を見て、意味と見抜く手がかりを説明できる
●例文の句法の根拠を示し、自然な現代語訳を作れる
●重要漢字の読みと意味を、順番を変えても答えられる
●初見問題で、使った公式を説明できる
一つでも迷う項目があれば、全ページを最初から読み直す必要はありません。
間違えた公式の例文と、その公式を使う問題だけを往復すれば十分です。
⑤向く人・これだけでは足りない人

この本が向くのは、漢文の学習順が分からない人、覚える範囲を絞って早く問題演習へ進みたい人、理系で国語に使える時間が限られている人です。
説明の親しみやすさや独自の整理法が合うなら、漢文への苦手意識をほどく入口にもなります。
一方、すでに主要句法を即答できるのに点数が安定しない人は、同じ本を何周しても原因が解決しないことがあります。
語彙、文章全体の論理、設問処理、時間配分のどこで失点したかを過去問で確かめたほうがよいでしょう。
また、難関国公立大の記述問題や、精密な現代語訳を練習したい人にも本書だけでは演習量が足りません。
その場合は、準拠問題集や志望校の過去問、添削を組み合わせます。
説明が分からないのか、覚えたのに使えないのかを分けましょう。前者なら基礎へ戻り、後者なら初見問題を増やします。目的の違う教材を何冊も同時に始める必要はありません。
⑥終えたら初見問題と過去問へ進もう

卒業チェックを通過したら、次は文章全体を読む練習です。
現行版には「共通テスト漢文攻略マニュアル+私大&記述対策」の別冊が付きますから、まずはそこへ進みましょう。
さらに演習を増やしたい人には、公式や重要漢字を使って入試問題を解く準拠教材『漢文早覚え速答法読解トレーニング』もあります。
ただし、教材を追加する前に、志望校で漢文が必要か、共通テストだけか、個別試験の記述まであるかを募集要項と過去問で確認してください。
大学入試センターは、共通テスト「国語」の出題分野を「近代以降の文章」と「古典(古文、漢文)」に分けていますが、大学によって利用する分野は異なります。
最後の仕上げは、受ける試験と同じ形式の初見問題を時間内に解くことです。
句法を覚えたのに点が取れなかった問題は、失点を「句法」「漢字・語彙」「文脈」「設問の読み違い」に分けます。
句法なら本書へ戻り、文脈や設問なら問題演習を続ける。
この戻り先が分かれば、勉強はかなり進めやすくなりますよ。
『漢文早覚え速答法』は、持っているだけで速答できる魔法の本ではありません。
でも、覚える範囲を絞り、閉じて再現し、初見文で使うところまで進めれば、漢文を得点源へ変える頼もしい入口になります。
まず今日、一つの公式だけで構いません。
読んだページ数ではなく「本を閉じて一つ説明できたか」を記録してみてください!




句法を10の公式で整理する
重要漢字91の読みと意味に慣れる
設問の見方や読解の手がかりを知る
別冊を使って共通テスト・私大・記述対策へつなぐ