

先生、共通テストは何割取れば安心ですか? 友達は「7割」、SNSでは「8割」と言っていて、数字が渋滞しています!

数字だけ集めると、たしかに大渋滞ですね(笑)。でも必要な割合は、志望する大学・学部・方式で変わります。

では、みんな共通の正解はないんですか?

ありません。ただし、自分の正解を出す手順はあります。平均点、大学の配点、最新のボーダーを順番に見ていきましょう!
【今回の真実】
共通テストで必要な割合は、全員一律ではありません。平均の6割前後は現在地を見る目安であり、合格目標は志望校が使う科目・換算配点・最新ボーダーの3点から決めます。
①共通テストは何割必要?まず6割の意味を知ろう
②「何割」を決める3種類の数字
③国公立と私立では割合の意味が違う
④自分の目標を決める3手順
⑤目標まで足りない点の埋め方
⑥割合が分からないときの確認先
①共通テストは何割必要?まず6割の意味を知ろう

結論から言うと、共通テストは「何割なら全大学に合格できる」という試験ではありません。
ただ、全体の現在地を知る数字としては6割前後が一つの出発点になります。
河合塾の2026年度概況分析では、6教科を受験した文系型・理系型の推定平均得点率は、どちらも60%でした。
一方、大学入試センターが公表した同年度の科目別平均点を見ると、数学Ⅰ・数学Aは47.20点、地理総合・地理探究は61.87点です。
科目によって平均点が動くため、合計だけでなく科目別にも見なければなりません。
ここで大切なのは、6割は受験者全体の位置を考える目安であって、あなたの志望校の合格ラインではないということです。
6割で十分に検討できる方式もあれば、もっと高い得点率が求められる方式もあります。
反対に、8割に届かなかったからといって、すべての志望校が無理になるわけでもありません。
周りの数字を見て焦らなくて大丈夫です。
まず「全国で見て高いか低いか」と「志望校に届くか」を分けましょう。
②「何割」を決める3種類の数字

共通テストの割合を考えるときは、次の3種類を混ぜないことが大切です。
たとえば河合塾のボーダーラインは、合格可能性が50%に分かれると予想したラインです。
「ここを1点超えれば合格確定」という最低合格点ではありません。
また、河合塾の共通テスト得点率は、各大学の科目・配点に沿って算出されています。
自分の全受験科目を単純に足した割合と、同じ数字になるとは限らないわけですね。
志望校との距離を見るなら、素点より先に大学換算後の得点率をそろえる。
これが「共通テストは何割?」に答えるための土台です。
③国公立と私立では割合の意味が違う

国公立大学の一般選抜は、共通テストと大学ごとの個別学力検査、いわゆる二次試験の得点を合わせて合否を決める形が一般的です。
そのため、同じ共通テスト7割でも、共通テストの配点が大きい大学と二次試験の配点が大きい大学では重みが変わります。
さらに、大学によっては共通テストで第1段階選抜を行います。
まず確認したいのは、ボーダーだけでなく、共通テストと二次試験の配点比率、第1段階選抜の条件です。
私立大学も一括りにはできません。
共通テストの成績だけを使う方式なのか、大学独自の試験などと組み合わせる方式なのか、採用科目はいくつかで意味が変わります。
同じ大学・学部でも方式が違えば、必要な得点率が変わる場合があります。
「国公立なら7割」「私立なら8割」と大学群だけで決めず、学部・学科・日程・方式までそろえて確認しましょう。
④自分の目標を決める3手順

では、自分は何割を目標にすればよいのか。
次の3手順で出せます。
少し面倒に見えますが、志望方式ごとに点数表を1枚作れば、その後の模試でも同じ形で使えますよ。
手順1 志望方式の科目と配点を写す
大学公式サイトの最新募集要項を開き、学部・学科・日程・方式を確かめます。
そのうえで、使う科目、科目ごとの配点、共通テスト全体の満点、二次試験の満点を書き出しましょう。
昨年度の情報や、大学名だけが一致する別方式を見ないように注意してください。
手順2 自分の点を大学の配点へ換算する
仮に、英語200点を100点へ、国語200点を100点へ換算し、数学100点はそのまま使う300点満点の方式を考えます。
英語140点、国語130点、数学60点なら、換算後は70点、65点、60点です。
合計は195点、得点率は65%となります。
この例のように、志望校が実際に使う形へ直してから割合を出すのがポイントです。
手順3 最新ボーダーと照らして目標を置く
換算後の得点率を、同じ年度・学部・学科・日程・方式のボーダーと比べます。
ボーダーは50%予想の境目ですから、その数字そのものを「安心点」とは呼べません。
模試ごとの点数の振れ、二次試験の得意不得意、併願校の確保まで見て、学校や塾の先生と目標を決めましょう。
全国共通の「ボーダーより何%上なら安全」という数字はありません。
だからこそ、根拠のない上乗せより、自分の過去数回の得点幅を材料にするほうが現実的です。
⑤目標まで足りない点の埋め方

目標との差が分かったら、全科目を同じように上げようとしないでください。
まず、大学換算後であと何点必要かを出します。
次に、返却された模試や過去問の失点を、次の3つに分けましょう。
●知識がなくて解けなかった
●知識はあったが、資料の読み取りや解法の再現ができなかった
●時間配分やマーク、計算でミスをした
ここで、配点が大きく、なおかつ次回に直せる問題が多い科目から手をつけます。
たとえば、傾斜配点で半分に圧縮される科目の10点と、そのまま使われる科目の10点では、合否判定に入る重さが違います。
ただし、配点だけを見て極端に苦手な科目へ全時間を入れるのも危険です。
「換算後の1点が大きいか」と「次に回収できる失点があるか」の両方で優先順位を決めましょう。
私が生徒さんと目標を決めるときも、「とりあえず7割」で終わらせず、どの科目の、どの大問で、換算後の何点を増やすかまで下ろします。
割合が一問単位の行動に変わると、勉強はかなり進めやすくなりますよ!
⑥割合が分からないときの確認先

ネットの早見表は、志望校を考え始めるきっかけとしては便利です。
ただし、最後の判断には次の順番で確認してください。
1.志望大学の公式募集要項で科目・配点・選抜方法を見る
2.最新年度の予備校ボーダーを、学部・学科・日程・方式まで合わせて見る
3.学校や塾の先生に、二次試験と併願校を含めて相談する
高1・高2で志望校がまだ決まっていない人は、6割、7割、8割のどれかを永久の目標にする必要はありません。
候補を2~3校挙げ、それぞれの必要科目と配点を並べるところから始めれば大丈夫です。
保護者の方も、「何割だった?」だけで会話を終えず、「その大学の配点に直すと何点になる?」と一緒に見てあげてください。
共通テストの割合は、周囲と比べて不安になるための数字ではなく、次に取る一問を決めるための数字です。
自分の志望方式に合わせて計算できれば、「何となく8割」より、ずっと役に立つ目標になります。
割合を見て立ち止まるのではなく、今日直す一問まで決めて、一歩ずつ進んでいきましょう!
参考リンク
●大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト 実施結果の概要」
●河合塾「2026年度大学入学共通テスト概況分析」
●河合塾「入試難易予想ランキング表 ヘルプ」
●河合塾「共通テストと2次試験で決まる国公立大学入試」




●素点の得点率:自分が受けた科目の得点を、そのまま満点で割った割合
●大学換算後の得点率:志望校の科目・傾斜配点に直した割合
●ボーダー得点率:予備校などが方式ごとに予想した合格可能性の境目