

中学英語レベルって、三単現のsを付けられたらクリアですか? あれ、よく家出するんですよ。

まずはsを連れ戻そうか(笑)。でも、それだけで中学英語を判定するのは難しいんです。

じゃあ、テストの点数で決めるのはどうですか? 数字なら一発で分かりますよ!

そうですね。読む・聞く・話す・書くを分けて見れば、今のレベルと次にやることがかなり分かりやすくなりますよ!
【今回の真実】
中学英語レベルは、文法問題の点数だけでは決まりません。英検3級を卒業時の大まかな目安にしながら、聞く・読む・話す・書くのどこまでを自力で使えるか確認すると、次に戻る場所が見えてきます。
①中学英語レベルは一つの数字では決まらない
②中学卒業までに学ぶ範囲を知ろう
③英検5級・4級・3級を目安にする
④5領域で現在地を診断する
⑤弱点別に復習のスタート地点を変える
⑥一段上へ進むための一週間の使い方
①中学英語レベルは一つの数字では決まらない

結論から言うと、「中学英語レベル」という一つの点数や資格があるわけではありません。
学校の定期テスト、模試、英検、英会話では、測っている力が少しずつ違います。
定期テストで文法問題がよく解けても、初めて聞く会話では言葉が出てこないことがあります。
反対に、英会話には抵抗がなくても、つづりや語順で失点する生徒さんもいます。
文部科学省は中学校英語の目標を、「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の五つに分けています。
つまり、文法知識は大切ですが、それを使って内容を受け取り、自分から伝えるところまでが中学英語なんですね。
まずは「英語ができる・できない」と一まとめにせず、五つの領域に分けて考えましょう。
そうすると、「英語が全部苦手」という大きな悩みが、「聞き取りで止まる」「英文を作るときに止まる」といった直せる課題へ変わります。
②中学卒業までに学ぶ範囲を知ろう

中学校の英語は、単語と文法を覚えて終わりではありません。
学習指導要領の解説では、小学校で学ぶ600~700語に加え、中学校で1600~1800語程度を扱うとされています。
ただし、これは「1800語を単語帳で全部暗記できれば卒業」という意味ではありません。
語句や文法を、目的や場面に合わせて聞く・読む・話す・書く活動の中で使うことが求められています。
文法では、be動詞や一般動詞から始まり、過去形、助動詞、不定詞、比較、受け身、現在完了、関係代名詞などへ進んでいきます。
学年ごとの順序は教科書や学校の年間計画で多少前後します。
ですので、市販教材に書かれた「中2レベル」だけを見て、自分が遅れていると決めつけなくて大丈夫です。
範囲の確認は、今使っている教科書の目次と学校の学習範囲を基準にするのが最も確実です。
③英検5級・4級・3級を目安にする

中学英語レベルを外から確かめたいときは、英検の級が分かりやすい目安になります。
日本英語検定協会は、5級を中学初級程度、4級を中学中級程度、3級を中学卒業程度と案内しています。
●英検5級:習い始めの基礎を確かめたい
●英検4級:中学内容の途中までを確かめたい
●英検3級:中学卒業程度を一通り確かめたい
ただし、「中1なら必ず5級、中2なら必ず4級」と機械的に決まるわけではありません。
学校の進度、英語を始めた時期、得意な技能によって現在地は変わります。
さらに、英検3級はリーディング・ライティング・リスニングに加え、面接形式のスピーキングも測ります。
学校の文法テスト一回とは、見ている範囲が同じではないんですね。
英検級は序列ではなく、「どの問題なら自力で使えるか」を確かめる物差しとして使いましょう。
合格・不合格だけでなく、技能別の結果や間違えた問題を見ると、次の勉強につながります。
④5領域で現在地を診断する

今のレベルを知るために、新しい参考書を何冊も買う必要はありません。
学校の教科書で既に習った一つの本文とその音声、または目標に近い英検の公式過去問を使いましょう。
次の五つを順番に確認します。
●聞く:英文を見ずに、話題と大事な情報をつかめるか
●読む:知らない語が少しあっても、誰が何をした話か分かるか
●話す[やり取り]:質問を聞き、短くても自分の答えを返せるか
●話す[発表]:本文の内容や自分の考えを、数文で説明できるか
●書く:見本を写さず、習った表現で自分の文を作れるか
一回で完璧にできる必要はありません。
大切なのは、答えを見た後の「分かった」ではなく、何も見ずにできた場所を数えることです。
同じ素材を五つの方法で使うと、教材の難しさではなく、自分が止まる技能を見つけられます。
たとえば読めるのに聞けないなら、文法を最初から全部やり直すより、音と文字を結び付ける練習が先です。
読めるのに書けないなら、基本文の一部を自分の情報へ置き換える練習から始めましょう。
⑤弱点別に復習のスタート地点を変える

診断した後は、いちばん手前で止まった場所へ戻ります。
英語は積み重ねの科目なので、難しい長文を何本も解くより、土台の一か所を直したほうが先へ進みやすいことがあります。
単語を見ても意味が浮かばない
今の教科書本文に出てくる語から、英語を見て意味を言う練習をします。
一度に広げすぎず、その日の本文で必要な語へ絞りましょう。
単語は分かるのに文が読めない
主語と動詞を見つけ、疑問文・否定文・時制の形を確認します。
答えを覚えるのではなく、「なぜこの語順になるか」を声に出して説明できると強いです。
読めるのに聞けない・話せない
教科書音声を聞き、英文で確認し、まねして音読します。
その後に一部の語を自分のことへ替え、見ずに言ってみましょう。
復習は中1の最初へ無条件に戻るのではなく、五領域チェックで最初に止まった場所へ戻るのがコツです。
⑥一段上へ進むための一週間の使い方

レベルが分かったら、一週間は弱点を一つだけ追いかけてみましょう。
一日目に教科書本文か公式問題を一つ選び、五領域で止まる場所を確認します。
二~五日目は、単語、語順、音読、短い英作文など、止まった原因に合う練習をします。
六日目は答えや本文を閉じて、同じ課題へもう一度挑戦します。
七日目に、別の短い素材でも同じことができるか試します。
私が生徒さんを見ていてよく感じるのは、「英語が全部苦手」と思っていた子でも、分けて確かめると、できている領域がきちんと見つかることです。
読めているなら、それはすでに身に付いている大切な力です。
その読む力を使って音読へ進むなど、できることから一つずつ広げればよいんですね。
次の目標は「中学英語を全部やる」ではなく、「一つの英文を聞いて要点をつかむ」のように技能と行動で決めましょう。
英検3級は中学卒業程度の分かりやすい目印ですが、級だけであなたの英語力すべてが決まるわけではありません。
今できることを五領域で見つけ、いちばん手前の弱点を一つ直す。
それが、中学英語レベルから着実に一段上へ進む近道です!




単語数は扱う語の目安であり、個人の暗記数をそのまま測る数字ではありません。教科書で習った表現を、違う場面でも使えるかまで見ていきましょう。