

『基礎問題集』なら、漢文がほぼ読めない私もいきなり始めて大丈夫ですか?

そこは書名に少しワナがあります(笑)。基礎から確認できる本ですが、中心は文章を読んで解く演習です。

では、句形を覚えたのに問題になると選べない人向けですか?

まさにその段階です。知識を答案へ変える練習として使いましょう!
【今回の真実】
『マーク式基礎問題集 漢文』は、句形をゼロから習う本というより、覚えた知識を客観式問題で使える形にする演習書です。解いて丸を付けるだけで終えず、根拠確認と音読まで行うと力になります。
①マーク式基礎問題集 漢文が向く人
②六訂版の構成と買う前の注意
③始める前に確認したい3つの土台
④得点につなげる4段階の使い方
⑤伸びないときは誤答の原因へ戻る
⑥終えた後は過去問で仕上げる
①マーク式基礎問題集 漢文が向く人

先に結論からいきましょう。
『マーク式基礎問題集 漢文』が向くのは、句形や重要語を一度学び、共通テストや私立大学の客観式問題へ進みたい高校2・3年生です。
河合出版は六訂版の対象を高校2・3年生、目的を共通テスト対策としています。
ただし、学年だけで決める必要はありません。
次のような状態なら、取り組む価値があります。
反対に、返り点の読み順や基本句形がほとんど分からないなら、先に教科書や句形教材へ戻るほうが近道です。
書名の「基礎」は、完全な初学者向けというより、入試問題を基礎から演習するという意味で考えるとズレません。
また、国公立大学の個別試験で記述式の漢文が必要なら、この一冊だけで対策を完結させないようにしましょう。
客観式の選び方を鍛える役割と、記述答案を作る役割は分けて考える必要があります。
②六訂版の構成と買う前の注意

河合出版の公式情報によると、六訂版はA5判232ページで、税込1,210円です。
発売日は2026年10月26日と案内されており、この記事の執筆日である2026年10月24日時点では発売前です。
書店によって案内日が異なる場合があるため、購入時はISBN「978-4-7772-3159-1」を見ると六訂版を見分けやすいです。
中身は大きく3部に分かれています。
●第Ⅰ部:基本句形確認編。重要句形をドリル形式の30題で確認
●第Ⅱ部:演習編・基礎。客観式問題で知識を読解に結びつける
●第Ⅲ部:演習編・完成。共通テストを意識した予想問題に取り組む
第Ⅱ部と第Ⅲ部を合わせた演習問題は18題です。
公式サンプルを見ると、解答・解説編には本文解説、書き下し文、全文解釈、設問ごとの解説まで用意されています。
「句形確認→基礎演習→完成演習」と難度を上げられるのが、この本の使いやすいところです。
なお、五訂版は2020年発売のA5判220ページで、ISBNは「978-4-7772-2337-4」です。
これから新品を買うなら六訂版を選び、すでに五訂版を持っているなら、志望校の過去問と現在の共通テスト形式を別に確認しながら使うとよいでしょう。
版名を見ずに中古を買うと取り違えやすいので、表紙だけでなくISBNまで見てくださいね。
③始める前に確認したい3つの土台

問題集を開く前に、短い漢文を一題用意して次の3点を確かめてみましょう。
●返り点どおりに読めるか
●句形の目印と意味を説明できるか
●主語が変わる場所を追えるか
3点ともおおむねできるなら、第Ⅰ部を確認したうえで第Ⅱ部へ進めます。
返り点で止まるなら訓読、句形で止まるなら句形教材、人物関係で止まるなら短い本文の読解へ戻りましょう。
大事なのは「漢文が苦手」と一まとめにせず、読み順・句形・文脈のどこで止まったかを分けることです。
指導の場でも、問題集を増やしただけでは動かなかった生徒が、戻る場所を一つに絞ると進み始めることはよくあります。
全部を最初からやり直す必要はありません。
苦手な人ほど、やり直す範囲を広げすぎると気持ちが重くなります。
今日直す場所が一つ分かれば、それで十分に前進です。
第Ⅰ部のドリルは、弱点を見つける診断としても使えます。
正解したかだけでなく、「なぜその読み方・意味になるか」を口で説明できるかまで確認してください。
④得点につなげる4段階の使い方
この本は、次の4段階で進めると効果を引き出しやすくなります。

1.初見は時間を決めて解く
公式サンプルでは、慣れないうちは20~30分ほど、慣れてきたら20分以内を目安にする使い方が示されています。
まずは本文へ印を書き込みすぎず、本番に近い状態で解きましょう。
ただし、制限時間が来たら直ちに答えを見るのではなく、そこまで解けた場所へ印を付け、残りも考えてから採点します。
2.正解の根拠を本文へ戻す
正解した問題にも、「根拠を説明できたか」を確認します。
なんとなく選んで当たった一問は、次に外れる可能性が高い一問です。
選択肢のどの言葉が本文と合い、どこが他の選択肢と違うのかまで言葉にしましょう。
3.書き下し文と全文解釈で穴を埋める
読み方や意味が曖昧だった箇所は、解説編の書き下し文と全文解釈で照合します。
知らなかった句形や語句は、問題番号と一緒に手持ちの句形教材へ印を付けておくと、復習先が散らかりません。
4.最後に本文を音読する
公式サンプルも、解説確認後に本文を二度三度と声に出して読むよう勧めています。
書き下し文を見ながら意味のまとまりを意識し、その後は本文へ戻って読みます。
一題の終了は採点した瞬間ではなく、誤答の根拠を直し、本文を音読できた時点です。
⑤伸びないときは誤答の原因へ戻る

何題も解いているのに正答率が変わらないときは、周回数より誤答の中身を見ます。
間違えた設問へ、次のどれか一つをメモしてみてください。
●知識:句形や語句を知らなかった
●訓読:返り点や送り仮名を読み違えた
●文脈:主語・目的語・人物関係を取り違えた
●選択肢:本文の根拠を確認せず、印象で選んだ
知識のミスなら第Ⅰ部や句形教材へ戻ります。
訓読のミスなら、正しい書き下し文を見て本文へ戻す練習をします。
文脈や選択肢のミスなら、根拠となる一文へ線を引き、誤りの選択肢がどこでズレたかを確認しましょう。
二周目は全問を機械的に解き直すより、「根拠を説明できなかった問題」を優先するほうが効率的です。
マーク式は、選べば終わりに見えます。
しかし得点を安定させるには、選んだ答えの裏側にある読み方を再現できることが必要なんですね。
「当たったからOK」ではなく、「次も同じ根拠で選べるか」まで考えてみましょう。
⑥終えた後は過去問で仕上げる

この本を終えたかどうかは、何周したかではなく、初見の一題で次のことができるかで判断します。
●時間を意識して最後まで解ける
●句形問題の根拠を説明できる
●内容問題の根拠箇所を本文から探せる
●誤答を4分類し、戻る教材を自分で決められる
ここまでできたら、共通テストだけで漢文を使う人は過去問や実戦形式の問題へ進みましょう。
私立大学を受ける人は、志望校の出題が客観式中心かを過去問で確認します。
記述式がある人は、書き下し・現代語訳・内容説明を実際に書く教材を追加してください。
大学入試センターも、大学ごとに国語の利用範囲が異なるため、志望大学の募集要項を確認するよう案内しています。
この一冊の役割は、句形知識と過去問の間をつなぐことです。
買うべきか迷ったら、まずは自分が「句形を覚える前」なのか、「覚えた句形を文章で使う段階」なのかを見てください。
後者なら、『マーク式基礎問題集 漢文』は次の一歩として使いやすい一冊ですよ!




●返り点に従って基本的な書き下しができる
●否定・使役・受身・反語などの基本句形を一度学んだ
●句形単体なら分かるのに、文章問題では選択肢を絞れない
●共通テストや客観式問題の演習を始めたい