

子どもが割合の問題を見るたびに、数字を上に書いたり下に書いたりしているんです。何かの作戦でしょうか?

たぶん「く・も・わ」の図ですね。便利な覚え方ですが、置き場所を忘れると作戦会議だけで終わります(笑)。

まさに、図は書けたのに式が立たない状態です!

では公式を増やす前に、「何を1と見るか」から整理しましょう。そこが分かれば、割合はぐっと解きやすくなりますよ!
【今回の真実】
算数の割合は、まず「もとにする量」を見つければ解けます。割合を求める式は「比べる量÷もとにする量」の1本。公式を3つ丸暗記するより、何を1と見る問題なのかを図とことばで確かめることが大切です。
①割合の求め方は「比べる量÷もとにする量」
②もとにする量は「何を1と見るか」で探す
③文章題は3手順で式にする
④百分率と歩合は小数に直して考える
⑤比べる量・もとにする量の逆算
⑥間違えたら式より先に図へ戻ろう
①割合の求め方は「比べる量÷もとにする量」
割合とは、ある量をもとにしたとき、比べる量がその何倍にあたるかを表す数です。
たとえば、20問のテストで15問正解したとします。
20問全部を「1」と見ると、15問はどれくらいにあたるでしょうか。

式は次のようになります。
答えの0.75が割合です。
百分率で答えるなら75%になります。
割合を求めるときは、「比べたいほう」を「基準にするほう」で割ります。
「く・も・わ」の図を使うこと自体は悪くありません。
ただ、文字の場所だけを覚えると、少し表現が変わった文章題で止まりやすくなります。
なぜ割り算なのかまで考えてみましょう。
15÷20は、20を1としたときの15の大きさを求める計算です。
つまり、割合は単なる割り算ではなく、基準を1にそろえて比べる考え方なんですね。
②もとにする量は「何を1と見るか」で探す

割合でいちばん迷いやすいのは、計算より「どちらで割るか」です。
ここで探すのが、もとにする量です。
先ほどのテストなら、満点の20問がもとにする量、正解した15問が比べる量でした。
文部科学省の小学校学習指導要領解説(算数編)でも、第5学年では基準量を1として比較量を割合として小数で表す考え方を扱っています。
文章の中では、次のことばが手がかりになります。
●「AはBの何倍ですか」ならB
●「Bに対するAの割合」ならB
●「BのうちAは何%」ならB
「何の何倍か」「何に対して比べるか」の「何」にあたる量が、もとにする量です。
ただし、「全体だから必ずもと」と機械的に決めるのはおすすめしません。
たとえば、去年80人だった参加者が今年100人になり、「今年は去年の何倍か」と聞かれたら、もとは去年の80人です。
今年のほうが人数は多くても、基準は去年なんですね。
式は100÷80=1.25です。
このように、割合は1を超えることもあります。
大きい数・全体らしい数を探すのではなく、問題が何を基準にしているかを読みましょう。
③文章題は3手順で式にする

では、次の問題を解いてみましょう。
「クラス40人のうち、図書委員は8人です。図書委員の割合を求めましょう」
公式へすぐ数字を入れる前に、3手順で整理します。
●手順1 何を1と見るか決める
●手順2 比べる量ともとにする量を書く
●手順3 比べる量÷もとにする量を計算する
「40人のうち8人」なので、クラス全体の40人を1と見ます。
比べる量は図書委員の8人、もとにする量はクラス全体の40人です。
したがって、8÷40=0.2となります。
数字だけで考えず、「図書委員8人÷クラス全体40人」のように、単位と意味をつけて式にするのがコツです。
答えを出したら、0.2倍という結果が場面に合うかも確かめます。
8人は40人より少ないので、割合が1より小さいのは自然です。
もし40÷8=5としていたら、「図書委員がクラス全体の5倍」というおかしな意味になります。
最後に「答えは1より大きいはずか、小さいはずか」を考えるだけでも、割る順番のミスを見つけられます。
④百分率と歩合は小数に直して考える

割合は小数だけでなく、百分率や歩合でも表せます。
見た目は違いますが、表している関係は同じです。
0.25=25%=2割5分
0.1=10%=1割
1=100%=10割
小数の割合を百分率に直すときは100倍します。
反対に、25%を計算で使うときは100で割って0.25に直します。
%が出たら、そのまま掛けずに小数へ直すと覚えておきましょう。
たとえば、1200円の25%を求めるなら、1200×0.25=300円です。
1200×25ではありません。
また、1200円の25%引きで支払う金額は300円ではなく、1200-300=900円です。
「25%の金額」と「25%引いたあとの金額」は違います。
何の割合を聞かれているのかだけでなく、最後に何を答える問題なのかまで確認しましょう。
⑤比べる量・もとにする量の逆算

割合の文章題には、割合そのものではなく、比べる量やもとにする量を求める問題もあります。
でも、新しい公式をばらばらに覚えなくても大丈夫です。
まず「もとにする量×割合=比べる量」という関係を作り、分からない場所を□にします。
比べる量を求める問題
「30人の40%は何人ですか」なら、30×0.4=12で、答えは12人です。
もとにする量の何倍かを求めるので、比べる量は掛け算で出せます。
もとにする量を求める問題
「クラスの40%にあたる12人が参加しました。クラスは何人ですか」なら、□×0.4=12と置きます。
□は12÷0.4=30で、答えは30人です。
割合=比べる量÷もとにする量
比べる量=もとにする量×割合
もとにする量=比べる量÷割合
迷ったときは、いきなり逆算の公式を探さず「もと×割合=比べる」に戻ると整理しやすくなります。
⑥間違えたら式より先に図へ戻ろう

割合が苦手な生徒さんを見ていると、計算はできるのに、文章から2つの量を取り出せていないことがよくあります。
この状態で公式だけを何度も書いても、数字の置き場所を当てる練習になってしまいます。
まず、もとにする量を1本のテープで描き、その横に「1」または「100%」と書いてみましょう。
次に、比べる量がそのテープのどのくらいになるかを描きます。
正確な長さでなくても構いません。
図の目的は上手に描くことではなく、「何を1としたのか」を見えるようにすることです。
練習するときは、答え合わせのあとに次の3点を言葉で説明してみてください。
●もとにする量はどれか
●比べる量はどれか
●答えは1より大きくなりそうか、小さくなりそうか
ここまで説明できれば、式を忘れても考え直せます。
割合の考え方は、小学校の文章題だけで終わりません。
中学校で学ぶ濃度や確率、身近な買い物の割引などを理解するときにも役立ちます。
ですから今は、速く解くことより、基準を見つける習慣をつけるほうが大切です。
「どっちで割るんだっけ?」と止まったら、「この問題では何を1と見ている?」と問い直してみましょう。
割合が苦手なのではなく、基準がまだ見つけにくいだけかもしれません。
そこが分かれば、割合の見え方はちゃんと変わってきますよ!




割合=比べる量÷もとにする量
15÷20=0.75