

テストが返ってきたんですが、前より下がっていて……。私のほうが答案を見て固まってしまいました。

まずは答案をテーブルに置きましょう。固まるのは答案ではなく冷凍うどんだけで十分です笑。

すぐ「もっと勉強しなさい」と言わないほうがいいですか?

はい。勉強量を増やす前に、何が下がり、どこで崩れたかを一緒に見ましょう。原因が違えば対策も変わります。

叱る会議ではなく、作戦会議ですね。
【今回の真実】
成績が下がったからといって、学力そのものが落ちたとは限りません。点数・順位や偏差値・通知表のどれが下がったかを分け、答案と生活の変化から原因を一つに絞ることが、立て直しの第一歩です。
①成績が下がった=学力が落ちたとは限らない
②最初に点数・順位・評定のどれが下がったか分ける
③答案から原因を3種類に分ける
④生活の変化と心身のサインも確認する
⑤最初の7日間で一教科を立て直す
⑥保護者は追及役ではなく整理役になる
①成績が下がった=学力が落ちたとは限らない
成績が返ってきた直後は、「このまま下がり続けたらどうしよう」と不安になりますよね。
ただ、一度の結果だけで「学力が落ちた」「努力が足りなかった」と決めるのは早いです。
テスト範囲が難しくなった、平均点が下がった、苦手な単元が多く出た、時間配分に失敗したなど、同じ点数低下でも中身は違います。
周りが伸びたために順位や偏差値だけが下がることもあります。
反対に、点数があまり変わっていなくても、基本問題での失点が増えていれば見直しが必要です。
見るべきなのは「何点下がったか」だけではなく、「前回と何が変わったか」です。

この記事では原因を「比べ方」「答案」「生活」「評価」の4方向から確認します。
成績が下がった日は反省文を書く日ではありません。
次の勉強を当てるための資料が手に入った日だと考えてみてください。
②最初に点数・順位・評定のどれが下がったか分ける

「成績が下がった」と言っても、定期テストの点数、模試の順位や偏差値、通知表の評定では意味が違います。
最初に、どの数字の話をしているのかをはっきりさせましょう。
定期テストの点数が下がった場合
前回と今回の答案に加えて、それぞれの平均点とテスト範囲を確認します。
自分が10点下がっていても、平均点も同じように下がっていれば、問題が難しくなった影響を受けた可能性があります。
平均点は変わらず自分だけ下がったなら、答案の失点箇所を詳しく見ます。
順位や偏差値が下がった場合
順位や偏差値は、周囲の出来にも左右されます。
違う会社の模試や受験者層が違うテストを、そのまま横に並べないことが大事です。
同じ模試の同じ教科で、得点、平均点、設問別結果を前回と比べましょう。
通知表の評定が下がった場合
中学校・高校の観点別評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で整理されています。
そのため、テストの点数だけを見ても、評定が下がった理由を確定できないことがあります。
通知表の観点、返却された課題、学校から示された評価方法を並べ、不明なら先生に「どの観点を改善すればよいですか」と聞くのが近道です。
点数なら答案、順位や偏差値なら同じ模試の成績表、評定なら3観点と評価材料を見ます。
③答案から原因を3種類に分ける

下がった原因を探すとき、「数学が苦手だった」で終わると対策が広すぎます。
間違えた問題を、次の3種類に分けてみましょう。
●知識不足:公式、英単語、用語などを知らず、手が止まった
●自力再現不足:解説を読めば分かるが、何も見ずに解くと手順を作れなかった
●時間・ミス:時間切れ、読み違い、計算や記号のミスで落とした
知識不足なら、該当する教科書や授業プリントまで戻って覚え直します。
自力再現不足なら、解説を閉じ、最初の一手から自分で解き直します。
時間・ミスなら、「次は気をつける」では弱いですね。
大問ごとの時間を決める、問題文の条件に印を付ける、途中式を一行増やすなど、ミスが起こりにくい動作へ変えます。
私はこれまで1000人以上を指導してきましたが、成績が下がった相談で最初に役立つのは、気合いの入れ直しより、答案と前回の結果を机に並べることです。
そこで初めて「勉強しなかった」のか、「勉強したけれど自力で解ける所まで届かなかった」のかが分かれます。
まず一番多かった失点原因を一つ選び、そこに合う対策だけを始めましょう。
④生活の変化と心身のサインも確認する

複数教科が同じ時期から下がったときは、教科ごとの勉強法だけでなく、生活全体も確認します。
部活の終了時刻、塾の日数、就寝時刻、朝起きられるか、食欲、学校や友人関係で気になる変化がなかったかを、下がる前後で比べてみてください。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9〜12時間、中学生・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが勧められています。
勉強時間を作ろうとして睡眠を削り、授業中やテスト中の集中を落としては本末転倒です。
複数教科が一緒に下がったなら、勉強時間を足す前に睡眠と一週間の予定を見直しましょう。
また、急に表情が暗くなった、朝起きられない、食欲が落ちた、学校へ行くことを強く嫌がるなど、成績以外にも以前と違う様子が続くなら、勉強の話だけで片づけないでください。
公的な教育相談資料でも、急な成績低下には思春期の悩みや葛藤が関係する場合があり、担任やスクールカウンセラー、教育センターなど第三者への相談が選択肢として示されています。
原因を親子だけで当てようとせず、本人が話しやすい大人につなぐことも立派な対応です。
⑤最初の7日間で一教科を立て直す

原因が見えたら、全教科を一気に直そうとしないことがポイントです。
まず一教科、一単元、一つの失点原因に絞ります。
問題数は目安なので、その単元の量に合わせて調整して構いません。
大事なのは、長時間机に向かったかではなく、助けなしで解ける問題が増えたかです。
7日後の合格条件は、「前に間違えた問題を何も見ずに解けること」にしましょう。
この一週間も、学校で新しく習う内容や提出物は止めません。
今の授業についていく勉強を続けながら、過去の穴は一か所ずつ埋めます。
小さくても一度この流れが回れば、ほかの教科にも同じ方法を広げられます。
⑥保護者は追及役ではなく整理役になる

お子さんの成績が下がると、保護者の方が焦るのは当然です。
ただ、返却されたその日に「どうして下がったの?」「ちゃんと勉強したの?」と聞いても、本人もまだ原因を説明できないことがあります。
最初は「悔しかったね。落ち着いたら一緒に答案を見る?」くらいで十分です。
そして話せる状態になったら、次のように事実を確認します。
●平均点は前回と比べてどうだった?
●時間が足りなかった問題はある?
●解説を見れば分かる問題はどれ?
●次の一週間で、どの教科なら直せそう?
保護者の役割は答えを決めることではなく、答案と予定を整理し、本人が次の一手を選べるようにすることです。
成績が一度下がったことは、もちろん嬉しい出来事ではありません。
でも、早い段階で勉強のズレや生活の無理に気づけたなら、次へつながる意味のある結果に変えられます。
大丈夫です。
下がった一回分の数字より、そこから何を見つけてどう直したかのほうが、これからの成績には大切です。
まずは下がった数字を分け、答案を3種類に分類し、一教科だけ7日間取り組んでみてください。
自分たちだけでは原因を絞れないときは、学校や塾の先生に答案を見てもらいましょう。
「何をもっとやればいいですか」ではなく、「この答案で一番先に直すべき原因は何ですか」と聞くと、具体的な話になりやすいですよ!




1日目:前回と今回の答案を並べ、間違いを3種類に分ける
2日目:一番多い原因から、直す問題を3〜5問選ぶ
3日目:教科書や解説を使って理解し、手順を言葉で説明する
4日目:何も見ずに同じ問題を解き直す
5日目:似た問題を解き、条件が変わっても使えるか確かめる
6日目:間違えた問題だけをもう一度解く
7日目:最初にできなかった問題を白紙から再挑戦する