

定期テストは上がったのに、通知表は同じで、模試の偏差値は下がりました。僕の成績、上がったんですか?下がったんですか?

三つを一つの袋に入れたら、先生でも迷子になるね(笑)。まずは別々に見よう!

成績って一人だと思っていたら、三人組だったんですね。

いい例えだね(笑)。それぞれ役割が違うから、目的に合う数字を見れば次にやることもハッキリするよ。
【今回の真実】
中学の「成績」は、通知表の評定・定期テストの点数・模試の結果に分けて考えると迷いません。同じ教科でも数字が違って見えるのは、測る範囲と役割が違うからです。目的に合う数字から次の一行動を一つ決めましょう。
①中学の成績はまず3種類に分けよう
②通知表は評定と3観点をセットで読む
③定期テストは点数より失点の中身を見る
④模試は偏差値・判定・設問別結果を見る
⑤数字がバラバラでも矛盾ではない
⑥目的から見る成績を一つ決めよう
①中学の成績はまず3種類に分けよう

「成績が悪かった」「成績を上げたい」と言うとき、何の数字を指しているでしょうか。
中学生の場合、大きく分けると次の三つがあります。
同じ「成績」でも、答えている質問が違います。
通知表は学校での学習状況、定期テストはその範囲の理解、模試は広い範囲での学力や受験での位置を考える材料です。
ですから、最初から「上がった」「下がった」の二択に押し込まなくて大丈夫です。
三つは競争している数字ではなく、それぞれ別の仕事をしている数字なんですね。
ここを分けないままでは、通知表を上げたいのに模試の問題集だけを進めたり、受験での位置を知りたいのに定期テストの順位だけを見たりします。
頑張っているのに手応えが出ないときは、努力不足ではなく、目的と資料の組み合わせがずれているのかもしれません。
ですから、三つを混ぜて「自分は頭が悪い」と結論づける必要はありません。
最初にすることは、上げたい成績の名前を決めることです。
②通知表は評定と3観点をセットで読む

中学校の必修教科の評定は、5・4・3・2・1の5段階です。
これは友達との順位で人数を割り振る数字ではなく、教科の目標に照らして学習状況をまとめた数字です。
現在の観点別評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三つに整理されています。
評定だけでなく、この三観点を見ると、次に直す場所が見つかります。
たとえば知識・技能が弱ければ、まず用語や計算手順を自力で再現できる状態を目指します。
思考・判断・表現が弱ければ、記述問題で根拠まで書く練習が必要です。
主体的に学習に取り組む態度は、単に手を挙げた回数や性格を見るものではなく、粘り強く取り組み、自分の学習を調整しようとしているかを含めて評価されます。
ただし、観点別評価から評定へまとめる具体的な方法は各学校が定めます。
ネット上の「何点なら4」「この組み合わせなら5」という表を、そのまま自分の学校へ当てはめることはできません。
学校から配られた評価規準や教科の説明があれば、通知表と一緒に置いてください。
見つからなければ、先生へ「今回の評定に一番影響した観点はどれですか」と尋ねれば大丈夫です。
通知表を上げたいなら、三観点のうち弱い一つと、その観点を確かめる課題やテストを先生に聞きましょう。
③定期テストは点数より失点の中身を見る

定期テストが返ってきたとき、点数だけを見て終わるのはもったいないです。
平均点が違えば、前回との単純比較だけでは手応えを正確につかめないこともあります。
答案の間違いを、次の三つに分けてみてください。
●知らなかった・覚えていなかった
●解説を見れば分かるが、自力では手順を作れなかった
●時間不足・読み違い・計算ミスだった
一番多い原因が、次の勉強の入口です。
知らなかった問題が多ければ教科書と学校ワークの基本へ戻り、手順が作れなければ例題を閉じて解き直します。
ミスが多ければ「気をつける」で終えず、途中式を書く、問題文の条件へ印をつけるなど行動に変えます。
平均点も一緒に見ておくと、前回より難しかったのか、自分の理解が下がったのかを切り分けやすくなります。
ただし、平均点より上なら復習不要という意味ではありません。
自分が落とした問題の中に、次も使う基礎が残っていないかを確認しましょう。
定期テストは点数の通知ではなく、次の試験までに直す一か所を見つける資料として使いましょう。
④模試は偏差値・判定・設問別結果を見る

中学生向けの模試の成績表には、得点だけでなく平均点・偏差値・順位・受験者数などが載ります。
中3向けでは、志望校判定や教科別・小問別の結果が付く模試もあります。
偏差値は、同じ模試を受けた集団の中での位置を見る数字です。
そのため、点数が上がったのに偏差値が下がることもあれば、その逆もあります。
まず全体の判定で志望校との距離を見て、次に教科別、最後に設問別の結果へ進みましょう。
判定だけで落ち込むと、肝心の「どの単元を直せばよいか」が見えなくなります。
また、実施会社や受験者層が違う模試は条件がそろいません。
推移を見るときは、なるべく同じ模試の同じ科目を並べます。
一回の判定だけで志望校を変える必要もありません。
判定が下がったら、まず前回と同じ模試かを確かめ、次に教科別の変化を見て、最後に失点した単元まで下りていきます。
すると「数学全体が苦手」ではなく、「関数の利用を解き直す」のように、今日できる言葉へ変えられます。
模試では合否を決めつけるより、志望校までの距離と、優先して復習する単元を見つけることが大切です。
⑤数字がバラバラでも矛盾ではない
定期テストは上がったのに、通知表が変わらない。
通知表は上がったのに、模試の判定が下がった。
こうしたことは起こりますが、どれかが間違っているとは限りません。
通知表は複数の観点から学校での学習状況をまとめ、定期テストは決まった範囲を測り、模試は別の範囲と受験者集団の中で見ます。
測っているものと時期が違うのです。

これまで多くの中学生を見てきても、「成績が全部下がった」と落ち込んでいた生徒さんが、三つに分けると定期テストの一教科だけが課題だった、ということはよくあります。
反対に、点数は変わらなくても、答案を見ると記述問題が少しずつ書けるようになっていることもあります。
三つの数字がそろわないときこそ、良い悪いではなく「何を測った数字か」へ戻りましょう。
⑥目的から見る成績を一つ決めよう

最後は、今の目的から見る成績を選びます。
●通知表を上げたい:評定と三観点、学校の評価資料
●次の定期テストを上げたい:答案と試験範囲、学校ワーク
●志望校との距離を知りたい:地域の高校受験向け模試と志望校判定
通知表が目的なら、教科担当の先生へ「一番不足していた観点はどれですか」「次は何で示せますか」と聞くのが早道です。
定期テストなら、間違いが最も多かった一教科・一単元を選び、翌日に答えを見ず解き直します。
受験なら、判定だけでなく教科別・設問別の結果まで見て、次の模試までに直す範囲を一つ決めます。
保護者の方は、三種類の資料を並べる整理役になってあげてください。
「どうして悪かったの?」より、「今回はどの数字の話かな?」と聞くほうが、親子の会話が作戦会議になります。
机へ並べるのは、通知表、直近の答案、模試の成績表の三つで十分です。
良かった所を一つ確認してから、困っている数字を本人に選んでもらいましょう。
大人が全部決めるより、自分で選んだ一つのほうが行動へ移しやすくなります。
今夜決めるのは、一教科・一つの成績・一つの行動で十分です。
全部を一度に直そうとしなくても大丈夫です。
見る数字が決まれば、次の一歩はきちんと作れますよ!




●通知表の評定:各教科の学習状況をまとめた1~5の数字
●定期テストの点数:決められた試験範囲の理解を確かめる数字
●模試の結果:得点・偏差値・順位・志望校判定など