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勉強お役立ちコラム

大学への数学の難易度は一冊の中で違う!記事区分a〜eと始める3つの確認

数学の参考書を抱えた制服の女子高生が、朝の光が差す大学の正門前に立っている様子

ステコ
ステコ

『大学への数学』を買ってみたら、最初の数ページで私の数学力が静かに帰宅しました……。


野口先生
野口先生

まだ帰宅させるのは早いよ(笑)。その雑誌は、最初から最後まで同じ難易度ではないんだ。


ステコ
ステコ

では、解ける欄を選べば再登校できますか?


野口先生
野口先生

もちろん!まずは月刊誌とシリーズ本を分けて、今の自分に合う入口を見つけよう。

【今回の真実】

『大学への数学』は難関大志望者にも使われる教材ですが、月刊誌の中には足固め向けからかなり難しい記事まであります。難易度を一冊の評判で決めず、記事の区分と自力で再現できるかで選ぶのが正解です。

 

①大学への数学の難易度は一冊の中でも違う

明るい図書館の閲覧席で、私服の男子高校生が数学の月刊誌のページをめくって内容を確かめている様子

先に結論からお伝えすると、月刊『大学への数学』を「難しい一冊」とひとまとめにするのは正確ではありません。
東京出版の公式案内では、月刊誌の記事が学習状況や目標に応じてa〜eに分けられています。
足固めをしたい人向けの記事もあれば、基本が十分に身についている人向け、意欲的な人向けのかなり難しい記事、読み物もあります。

つまり、同じ号を開いても「今すぐ取り組みたいページ」と「今は眺めるだけでよいページ」が一緒に入っているのです。

一方、月刊誌そのものは、公式に難関校を目指す大学受験生、数学が好きな高校生、入試問題を自力で解けるようになりたい人のための雑誌と案内されています。
教科書を初めて習うための本というより、学んだ基本を使って、入試問題への見方や考え方を深くする教材だと考えると分かりやすいでしょう。

 

②月刊誌は記事の区分を見て選ぼう

書店の学習参考書コーナーで、制服の女子高生が色分けされた見出しを見ながら一冊を選び出している様子

公式の区分は、偏差値表よりも実用的な道しるべになります。

月刊誌の記事区分

●a:足固めをしたい人向け
●b:すべての受験生向け
●c:基本は十分に身についている人向け
●d:意欲的な人向けで、かなり難しい
●e:すべての人向けの読み物

たとえば、ベーシック演習やスタンダード演習はa、日日の演習はbとc、学力コンテストはc、宿題はdに位置づけられています。
さらに、各演習記事や入試特集には目標時間と難易度も示されます。

ここで大事なのは、最初から全部を解こうとせず、まずaやbなど今の目的に合う欄を選ぶことです。
「宿題が解けないから、この雑誌は自分には早い」と決める必要はありません。
反対に、読み物や足固めの記事が分かっただけで、難しい演習まで完成したことにもなりません。

一冊の中のどこへ取り組んだかまで分けて考えると、難易度を見誤りにくくなりますよ。

 

③始めてよいか判断する3つの確認

では、自分は取り組める段階なのか。
私は、模試の偏差値だけでなく、次の3点を確かめることをおすすめします。

教科書の例題を読む、解き方の方針をつかむ、解説を閉じて白紙に書き直す、という3つの確認の流れを描いた図解

確認1 教科書の例題を答えなしで解けるか

その号で扱う単元の公式を知っているだけでなく、教科書の例題で「なぜこの式を立てるのか」を説明できるか確認します。
ここで止まるなら、まず学校教材や基礎教材へ戻るほうが早いです。

確認2 解説の最初の方針を理解できるか

答えを最後まで追えるかより、「なぜ最初にこの見方を選んだのか」が分かるかを見ます。
式変形だけを写して終わる状態では、別の問題へ応用しにくいからです。

確認3 解説を閉じて再現できるか

分かったつもりと、解けることは別物です。
翌日、何も見ずに方針を立て直せるか試してみましょう。

3つのうち一つでも大きく止まるなら、才能不足ではなく入口が一段高いだけです。
戻る教材を一冊決めれば、きちんと前へ進めます。
むしろ、一段戻る判断が自分でできるのは、立派な勉強法ですよ。

 

④月刊誌とシリーズ本は役割が違う

薄い月刊誌1冊と、揃いの装丁で並んだシリーズの演習書4冊を、明るい本棚前の机に並べて見比べた様子

検索すると、『大学への数学』という言葉が月刊誌と関連書籍の両方に使われています。
ここを分けないと、「難易度は高い」「いや基礎から使える」という正反対の感想が出てきます。

月刊誌は、その時期の特集や演習を通して、考え方を深く掘り下げられるのが魅力です。
公式の年間予定では、1年間を通して高校数学の全域を扱う構成ですが、毎号のすべてを順番にこなす必要はありません。

一方、シリーズ本は、入試数学の基礎、典型問題の演習、標準から発展への演習など、目的を絞って選びやすい教材です。
東京出版の公式学習例でも、足固めに「1対1対応の演習」や「新数学スタンダード演習」などを使い、その後に月刊誌の標準〜発展問題へ進む流れが示されています。

基礎から順番に積みたいならシリーズ本、得意分野を掘り下げたり新しい見方に触れたりしたいなら月刊誌という選び分けが一つの目安です。
名前が同じだからといって、全部を同じ難易度の階段へ並べなくて大丈夫です。

 

⑤難しいときに力へ変える使い方

ダイニングテーブルで難しい問題に手が止まった高校生に、隣に座る父親が最初の手がかりを指し示している様子

難しい教材ほど、冊数や解いた問題数を競うと苦しくなります。
次の3手順で、一問から持ち帰るものを増やしましょう。

一問を力へ変える3手順

●問題を読み、分かる条件と試した方針を残す
●解説では答えよりも、方針が決まった箇所を探す
●解説を閉じ、白紙から答案を作り直す

指導していると、鮮やかな解説を読んだ直後は「分かりました!」と言えても、翌日に同じ問題を開くと最初の一手が出ないことがあります。
これはよくあることです。
読む力はついていますが、まだ自分で方針を選ぶ練習が足りていないだけです。

解説を読んだ問題ほど、閉じてからもう一度解くところまでが勉強だと思ってください。

それでも解説の言葉自体が分からないなら、その問題に粘り続けるより、関連する教科書例題へ戻りましょう。
難問から逃げるのではなく、難問へ届く足場を作る行動です。
今日解けなかった一問も、戻る場所を教えてくれたなら十分に役立っています。

 

⑥自分に合う入口から始めればよい

参考書を持った私服の高校生が、公園の小径で低い飛び石の一つ目に足をかけて歩き出そうとしている様子

『大学への数学』の難易度は、月刊誌かシリーズ本か、月刊誌ならどの記事かによって変わります。
ですので、「自分の偏差値なら買ってよいか」という一つの数字だけでは決めきれません。

まず書店や公式の案内で扱う単元と記事区分を確認し、興味のあるaまたはbの記事を一つ選んでみてください。
そして、教科書例題が解けるか、解説の方針が分かるか、閉じて再現できるかを試します。

難しすぎれば一段戻り、解けるなら次の欄へ進む。
それで十分です。

難しい本を持つことが目標ではありません。
今の自分に合う問題から、使える考え方を一つずつ増やしていきましょう!