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勉強お役立ちコラム

漢文の疑問形はどこを見る?疑問詞一覧と反語の見分け方3手順

明るい学校図書室で漢文の本文を読みながら、疑問形か反語かを考え込んでいる制服姿の高校生

ステコ
ステコ

漢文で「何」を見つけたので疑問だと思ったら、答えは反語でした。漢字に質問したい気分です……。


野口先生
野口先生

その「何」は、こちらが質問されている側です(笑)。字だけで決めず、何を尋ねているのかを見れば整理できますよ。


ステコ
ステコ

疑問詞を全部暗記してから文脈を見るんですか?


野口先生
野口先生

丸暗記より先に「情報を求める問いか、主張を伝える問いか」を確認しましょう。今日は3手順で見分けられるようにします!

【今回の真実】

漢文の疑問形は、知らない情報を尋ねる文です。疑問詞や文末助字を見つけたら、何を聞いているかを特定し、訓読の形と文脈を合わせれば、反語との混同を防げます。

 

①漢文の疑問形とは?まず反語との違いを確認

一つの漢文が「情報を求める疑問」と「主張を伝える反語」の二方向に分かれることを、虫眼鏡とメガホンで表した図

漢文の疑問形は、話し手が相手に問いかけ、答えを求める表現です。
「誰が来たのか」「どこへ行くのか」「知っているか」のような問いを思い浮かべるとよいでしょう。

一方、反語は問いの形を使いながら、話し手の判断を強く伝える表現です。
「どうして忘れようか、いや忘れない」のように、実際には答えを求めていません。

疑問は情報を求める文、反語は問いの形で主張を伝える文と押さえるのが出発点です。

ただし、「乎」があれば疑問、「何」があれば反語、というように一字だけで決めることはできません。
「乎」は疑問だけでなく、反語・仮定・詠嘆などにも使われます。

同じ形が疑問にも反語にもなり得るため、最後は文脈まで見る必要があります。

最初に覚える違い

疑問:相手から答えを得たい
反語:問いの形を借りて自分の判断を伝えたい

 

②疑問形は「はい・いいえ型」と「疑問詞型」に分ける

二枚のカードを手に持ち、はい・いいえ型と疑問詞型の違いを先生と確認している制服姿の高校生

漢文の疑問は、まず2タイプに分けるとすっきりします。

はい・いいえで答える疑問

一つ目は、「知っているか」「行くのか」のように、肯定か否定で答えられる問いです。
文末の「乎・邪・耶・与・歟」などが目印になることがあります。

たとえば「子知之乎。」なら、「子、之を知るか」「あなたはこれを知っているか」と読みます。
この場合は、何かの名前や場所ではなく、知っているかどうかを尋ねています。

尋ねたい内容がある疑問詞の疑問

二つ目は、「誰・何・どちら・どこ・どうして・どのように」など、具体的な情報を求める問いです。
「誰・孰・何・安・焉・悪・胡・奚・如何・何如」などが手掛かりになります。

疑問詞を見つけたら、日本語訳を急ぐ前に「人・物・場所・理由・方法のどれを聞いているか」を決めましょう。

文末助字がなくても、文中の「誰」や「何」だけで疑問文が成立する場合があります。
この2タイプを区別すると、訳の空欄に何を入れればよいかまで見えてきます。

 

③漢文の疑問詞・文末助字を役割で覚える

人・物・場所・道具のミニチュアを色別の仕切りに分け、漢文の疑問詞を役割ごとに整理した様子

疑問の語を一覧で丸暗記すると、「安」を見た瞬間にすべて「どうして」と訳すようなミスが起こります。

読み方より先に、何を尋ねる語なのかを整理しましょう。

人・物・選択を尋ねる

誰(たれ)=誰
孰(たれ・いづれ)=誰、どちら
何(なに・なんぞ)=何、どうして

場所・理由を尋ねる

安(いづくに・いづくんぞ)=どこに、どうして
焉・悪(いづくに・いづくんぞ)=どこに、どうして
胡・奚(なんぞ)=なぜ、どうして

状態・方法を尋ねる

何如・何若(いかん)=どうであるか
如何・奈何(いかん・いかんせん)=どうするか、どうしたらよいか

高校漢文では、何如を状態、如何を方法の目安として整理することが多いですが、実際には語の並びと後ろに続く内容も確認します。
学校の教材に訓点がある場合は、その読みを優先してください。

文末では「乎・邪・耶・与・歟・哉」などが、疑問を考える手掛かりになります。
ただし、文末の一字はあくまで入口です。

疑問詞と文末助字は「判定ボタン」ではなく、どこを詳しく読むか教える目印だと考えましょう。

 

④疑問と反語を3手順で見分ける

漢文の本文に色ペンで印を付け、疑問詞と文末助字の手掛かりを拾っている高校生の手元

疑問と反語で迷ったら、次の順番で確認します。

手順1 疑問の目印と述語を見つける

「何・誰・安」などの疑問詞や、「乎・哉」などの文末助字に印を付けます。
同時に、誰が何をする文なのか、中心となる述語も確認します。

「何を読むのか」なら、何は「読む」の目的語です。
この関係が分かれば、「どうして読むのか」という別の訳へ飛びにくくなります。

手順2 何を尋ねているか考える

人・物・場所・理由など、話し手が知らない情報を本当に求めているなら疑問です。
すでに判断が決まっており、相手を説得したり否定を強めたりしているなら反語を疑います。

訓点付きの文では、疑問が連体形に「か・や」を添える形、反語が未然形に「んや」を添える形になることが多く、読みも大きな手掛かりです。
ただし白文では読み自体を文脈から決めるため、語尾だけの暗記では足りません。

手順3 両方で訳して前後へ戻す

迷うときは、疑問と反語の両方で仮に訳します。
疑問なら「何を知りたいか」、反語なら「結局何を主張しているか」を一文にし、前後につながる方を選びます。

目印を拾う→尋ねる内容を決める→文脈へ戻す、の3手順なら根拠をもって判別できます。

返答が書かれていないだけで反語と決めないことも大切です。

 

⑤書き下し文と現代語訳を例題で確認

小型ホワイトボードに書いた対応関係を友人に説明しながら、書き下し文と現代語訳を確かめ合う高校生

ここでは学習用に作った短文で、疑問の訳し方を確認しましょう。

例1 君何読。

書き下し文:君、何をか読む。
現代語訳:あなたは何を読んでいるのか。

「何」は読む対象を尋ねています。

疑問詞を訳すだけでなく、その疑問詞が述語とどう結び付くかまで見るのがポイントです。

例2 二人孰賢。

書き下し文:二人、孰れか賢き。
現代語訳:二人のうち、どちらが賢いか。

「孰」は二人から一方を選ぶ語です。
「賢き」は、疑問の係助詞「か」と結ぶ連体形になっています。

例3 客安在。

書き下し文:客、安くにか在る。
現代語訳:客はどこにいるのか。

「安」はここでは場所を尋ねます。
「安を見たら、いづくんぞ・どうして」と固定すると、客がいないという反語に誤訳してしまいます。

どの例も、最初に「何を答えれば問いが解決するか」を考えると判断できます。

 

⑥疑問形を得点につなげる練習法

朝の校舎の廊下で、カードを見ながら疑問形と判断した根拠を声に出して確認している男子高校生

指導でよく見るのは、疑問詞の一覧は言えるのに、文章では訳が決まらないというつまずきです。
これは暗記不足というより、疑問詞と述語を結び付ける練習が足りていない状態です。

そこで、一つの例文につき次の4点をセットで書いてみてください。

例文1つにつき書く4点

●疑問の目印
●尋ねている内容
●書き下し文
●現代語訳

さらに、間違えた問題は「語を知らなかった」「何を尋ねるか外した」「反語と取り違えた」のどこで迷ったかを記録します。

正解を写して終えるより、判断がずれた場所を一つ特定する方が次の文章に生きます。

最後は教科書や問題集の一文を使い、疑問か反語かだけでなく、その根拠を声に出して説明しましょう。
「何があるから疑問」ではなく、「場所を知らない人物が居場所を尋ねているから疑問」と言えれば合格です。

漢文の疑問形は、覚える字が多く見えても、やることは「何を聞いているか」を見抜くことです。
いきなり一覧を全部暗記しなくても大丈夫です。
まず教科書の一文で、目印、尋ねる内容、文脈の順に確認してみてください。
この順番が身に付けば、初めて見る文でも訳の方向を決められるようになりますよ!

 

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