

先生、数学が80点でした!これなら成績は自動的に4ですよね?

通知表に自動採点ボタンは付いていないんだ(笑)。80点だけでは、まだ4とは決められないよ。

では、あと何点取れば安心できるんですか?

まず自分の学校の評価基準と、3観点のどこで点が取れているかを見よう。今日はその確かめ方を説明するね!
【今回の真実】
中学校の5段階評価には、全国共通の「何点なら5」という表はありません。定期テストだけで予想せず、学校の評価基準と3観点の内訳を見れば、自分が次に直す場所まで分かります。
①結論!5段階評価に全国共通の点数表はない
②成績は点数から直接ではなく3観点を通って決まる
③同じ80点でも評定が違うのはなぜ?
④ネットの点数早見表は自校の基準と分けて見る
⑤自分の5段階評価を確かめる3手順
⑥評定を上げるなら点数ではなく弱い観点から直す
①結論!5段階評価に全国共通の点数表はない

「定期テストで90点なら5、80点なら4ですか?」
この質問への答えは、その点数だけでは5段階評価は決まりません、です。
中学校の評定は5・4・3・2・1の5段階ですが、全国共通の「定期テストが何点なら5」という点数表はありません。
評定は、教科の目標にどこまで到達したかを複数の材料から見て、学校が定めた方法で総括するものだからです。
もちろん、定期テストは大切な評価材料です。
しかし、80点という一つの数字だけを見て、「4のはず」「5は無理」と決めることはできません。
最初に区別したいのは、テストの点数と評定です。
●テストの点数:そのテストで何問正解できたかを示す数字
●5段階の評定:一定期間の学習状況を教科ごとに総括した数字
この二つは関係していますが、同じものではありません。
点数のわりに評定が低く見えると、本人も保護者も「なぜ?」と引っかかるのは当然です。
そのモヤモヤは我慢せず、点数以外の材料まで順番に確かめれば大丈夫ですよ。
点数は評定を作る材料の一つであって、評定そのものではないと考えると分かりやすいでしょう。
②成績は点数から直接ではなく3観点を通って決まる

では、5段階評価はどのように決まるのでしょうか。
現在の中学校では、学習状況を次の3観点で捉え、それらを総括して教科の評定を出します。
流れにすると、テスト・小テスト・レポート・実技などの評価材料→3観点→5段階評定となります。
ここで大事なのは、テスト一枚の中でも問題によって観点が違うことです。
漢字や用語を答える問題は「知識・技能」、資料を読み取って理由を書く問題は「思考・判断・表現」の材料になる場合があります。
また、主体的に学習に取り組む態度は、単なる挙手回数や提出の有無ではなく、粘り強く取り組みながら自分の学習を調整しようとしているかを見る観点です。
提出物でも、出したかどうかだけでなく、間違いを直したか、振り返りを次へ生かそうとしているかが材料になる場合があります。
ただし、どの課題をどの観点で見るかは学校や教科によって違います。
だからこそ、自校の説明資料を確認する必要があるのです。
③同じ80点でも評定が違うのはなぜ?

同じ80点を取った二人でも、必ず同じ評定になるとは限りません。
たとえば一人は、知識問題はほぼ正解したものの、理由を書く問題が空欄だったとします。
もう一人は、知識問題で少し失点したものの、記述問題、レポート、振り返りで学んだことを使えていたとします。
合計点が同じでも、3観点の中身は違います。
さらに、学期中の小テスト、実技、発表、レポートなども加われば、評定に違いが出ることは十分にあります。
上尾市立原市中学校の公開シラバスでは、3観点の材料として定期テストのほか、ノートやプリント、小テスト、レポートなども挙げられています。
これは全国共通の配点表ではなく、実際の学校では一枚の定期テスト以外にも複数の材料を見ていることが分かる例です。
反対に、テストが高得点でも、ほかの材料が不足していれば、期待した評定に届かないことがあります。
「先生の気分で決められた」と急いで考える前に、どの観点のどの材料が不足したのかを確認しましょう。
見るべきなのは合計点だけでなく、観点別評価と評価材料の組合せです。
④ネットの点数早見表は自校の基準と分けて見る

ネット上では「90点以上なら5」「80点以上なら4」という早見表を見かけます。
分かりやすいので、つい自分の通知表にも当てはめたくなりますよね。
しかし、その表は特定の学校の基準、塾が作った目安、大学の成績区分、あるいはExcelで任意に設定した分類かもしれません。
中学校の通知表にそのまま使えるとは限りません。
実際に、府中市立府中第一中学校は目標達成度をもとにした評定の基準を公開しています。
一方、上尾市立原市中学校は3観点のA・B・Cの組合せと評定の対応を公開しています。
どちらも自校の学習状況を伝えるための正式な資料ですが、示し方は同じではありません。
この違いからも、他校の点数表は「一例」として読み、自校のルールと混ぜないことが大切だと分かります。
大学ではS・A・B・C・不合格を点数帯で区切ることもありますが、今回扱っている中学校の5・4・3・2・1とは別の制度です。
検索結果で見つけた表に「GPA」「単位認定」「S評価」と書かれていたら、中学校の通知表の表ではない可能性が高いので注意してください。
早見表より先に、学校が配った評価資料を見る。
これが一番確実です。
⑤自分の5段階評価を確かめる3手順

では、自分の点数がどの評定につながりそうか、どう確かめればよいのでしょうか。
確認は「学校の資料」「返却物」「先生への質問」の3手順です。
手順1 学校の評価資料を探す
まず、年度初めや学期初めに配られたシラバス、学習の手引き、評価・評定の説明、教科ごとの評価規準を探しましょう。
学校サイトにPDFで公開されていることもあります。
探す場所が分からなければ、担任や教科担当へ「この教科の評価基準が書かれた資料はありますか」と聞けば大丈夫です。
手順2 通知表と返却物を観点ごとに並べる
通知表のA・B・C、定期テスト、小テスト、レポート、実技の記録、振り返りなどを机に並べます。
そして、どの材料がどの観点に入るのかを学校の資料と照らします。
「80点だった」から一歩進み、「知識・技能は取れたが、思考・判断・表現の記述で落とした」のように分けるのがポイントです。
手順3 教科担当へ一つずつ質問する
「どうして4ではないんですか」と結果だけをぶつけると、話がかみ合いにくくなります。
次のように、観点・材料・次の行動へ分けて聞きましょう。
●今回の評定に最も影響した観点はどれですか
●その観点は、どのテストや課題で評価されましたか
●次の評定へ近づくには、どの材料で何ができればよいですか
これなら、先生も具体的に答えやすくなります。
何点必要かだけでなく、どの観点をどの課題で改善するかまで聞くと、次の勉強につながります。
⑥評定を上げるなら点数ではなく弱い観点から直す

5段階評価を上げたいとき、いきなり全部の勉強量を増やす必要はありません。
まず一教科を選び、その中で弱い観点を一つだけ決めましょう。
「知識・技能」が弱いなら、用語や公式を覚え、答えを閉じて基本問題を解き直します。
「思考・判断・表現」が弱いなら、記述問題で根拠を一文添え、途中式や考え方を残す練習をします。
「主体的に学習に取り組む態度」が弱いなら、提出物を出して終わりにせず、間違い直しや振り返りで次の学び方まで書きます。
全部を一度に直そうとすると、結局どの行動も薄くなりがちです。
次の小テスト、レポート、実技など、いちばん近い評価機会を一つ選んで試してみましょう。
評定を動かす近道は、点数を眺め続けることではなく、弱い観点と次の評価材料を結び付けることです。
保護者の方も、「何点だったの?」の次に「どの観点が惜しかった?」「学校の基準を一緒に見ようか」と聞いてみてください。
数字を責める話から、次の一手を探す作戦会議へ変えられます。
5段階評価は、あなたの能力を一生決める数字ではありません。
今の学習で何が身に付き、次に何を直すとよいかを知らせる資料です。
今日やることは、学校の評価資料を一枚探し、通知表の3観点と見比べること。
そこまでできれば、次の評定へ向けたスタートはもう切れていますよ!




●知識・技能
用語、公式、計算、基本的な技能などが身に付いているか
●思考・判断・表現
学んだ知識を使って考え、理由や根拠を示し、記述や発表で表現できるか
●主体的に学習に取り組む態度
粘り強く取り組み、自分の学び方を振り返って調整しようとしているか