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勉強お役立ちコラム

小論文の資料読み取り型はグラフより設問が先!事実と推測を分ける5手順

資料のグラフと設問の紙を見比べながら小論文の問題に取り組む高校生

ステコ
ステコ

グラフを見たら数字がいっぱいで、どれも大切そうに見えます。全部書けば安心でしょうか?

野口先生
野口先生

全部書くと、答案が資料の実況中継になってしまいます。まずは設問が求める数字だけを選びましょう。

ステコ
ステコ

では、グラフの小さい数字まで読み上げるアナウンサー役は降板します!

野口先生
野口先生

はい、今日からは「事実・推測・主張」を仕分ける編集長になりましょう!

【今回の真実】

小論文の資料読み取り型は、数字をたくさん写す問題ではありません。設問に必要な事実を選び、推測と自分の主張を分けてからつなぐと、資料を根拠にした筋道の通る答案になります。

 

①小論文の資料読み取り型は設問から読む

図書室で設問の紙を先に読み、グラフの資料は手に持ったまま考えている高校生

資料読み取り型では、文章・グラフ・表・統計などを正確に読み、その内容を根拠に自分の意見を筋道立てて述べます。
大学の公式対策資料でも、資料小論文で問われるものとして「読み取る力」「考える力」「伝える力」が挙げられています。

ここで大切なのは、資料を眺める前に設問を読むことです。
この記事では、解く流れを5手順に整理します。
同じグラフでも「特徴を説明しなさい」と「原因を考えなさい」と「対策を述べなさい」では、答案に必要な部品が違います。

設問の動詞に丸をつけ、次のように分けてください。

●「読み取れること」「特徴」なら、資料内の事実
●「背景」「原因」なら、事実をもとにした推測
●「あなたの考え」「対策」なら、自分の主張と根拠

最初の手順は、設問の動詞から必要な部品を決めることです。
資料を全部説明するのではなく、問いに答えるために資料を使う、と順番を入れ替えましょう。

手順1 設問を部品に分ける

「何を説明するか」「何を考察するか」「自分の意見が必要か」を余白へ短く書きます。複数の指示がある場合は、答案で一つも落とさないよう番号を振りましょう。

 

②資料は基本情報と目立つ動きを分けて確認する

折れ線グラフの横軸を指さす高校生と、凡例を指し示して確認をうながす先生

次は資料そのものを読みます。
いきなり最大値を探すのではなく、まず「何を比べている資料なのか」を確定させましょう。

最初に基本情報を確認する

●タイトル
●縦軸と横軸
●単位
●対象となる期間・地域・人
●凡例と出典

たとえば縦軸が「人数」なのか「割合」なのかで、同じ右上がりでも意味は変わります。
順位のグラフなら、数字が小さくなるほど上位になることもあります。
上がった線を見てすぐ「増えた」と書かず、軸と単位を声に出せる状態にしてください。

次に4種類の動きを探す

見る場所は、増減・比較・転換点・例外の4つです。
すべての数字をメモする必要はありません。
全体の傾向と、設問に関係する目立つ動きを一つか二つ選びます。

複数資料なら、まず各資料を一文ずつ要約しましょう。
そのあとで「同じ時期に動いた」「全体と年代別で傾向が違う」など、資料同士の接点を探します。

手順2 資料を二段階で読む

基本情報で読み違いを防ぐ→増減・比較・転換点・例外から、設問に必要な特徴を選ぶ。

 

③事実・推測・主張の3欄メモを作る

色分けした3枚のメモカードを3つのトレーへ仕分けながら資料を確認する生徒と先生

資料から特徴を見つけても、すぐ本文を書き始めるのは少し待ちましょう。
メモを「事実・推測・主張」の3欄に分けます。

たとえば、ある地域で若年層の人口が減った資料を想定します。

●事実:資料の期間中、若年層の人口が減少している
●推測:進学や就職を機に転出した可能性がある
●主張:地域内で学び、働ける選択肢を増やすべきだ

このうち、資料だけで直接確認できるのは最初の文です。
進学や就職が原因だという説明は、別の根拠が示されていなければ推測になります。

2つの数値が同じ方向へ動いていても、資料だけで「一方がもう一方の原因だ」とは断定できません。
「一因と考えられる」「関連している可能性がある」と、資料が証明できる範囲に表現を合わせることが大切です。

手順3 3欄メモ

事実には資料番号と数値、推測には「可能性」、主張には「私は〜と考える」と印をつけます。どの文がどの役割か、書く前に見えるようにしましょう。

 

④読み取りを答案へつなぐ4ブロック

メモができたら、ようやく答案の設計です。
字数を機械的に四等分するのではなく、設問が求める部品に合わせて、次の順に並べます。

●読み取り:どの資料から何が分かるか
●解釈:その変化の背景や問題は何か
●主張:自分はどう考えるか
●提案:誰が何をどう変えるか

グラフ・虫眼鏡・電球・人々のアイコンが矢印で結ばれ、読み取りから解釈・主張・提案へ進む4ブロックの流れを示した図解

設問が「読み取れる特徴だけ」を尋ねるなら、勝手に提案まで広げません。
反対に「資料を踏まえて意見を述べよ」なら、数字の説明だけで終えると自分の意見が不足します。

一文ずつ橋をかける

書き出しは、「資料1によると、Aは〇年以降に増加している」のように、資料と事実を対応させます。
次に「この背景には〜があると考えられる」と推測へ移り、「したがって私は〜すべきだと考える」と主張へつなぎます。

資料の事実が主張の根拠になっているかを、矢印で結べる答案にしましょう。
立派な提案でも、資料とのつながりがなければ別のテーマにも使える一般論になってしまいます。

手順4 4ブロックで骨組みを作る

読み取り→解釈→主張→提案の順に一文メモを置きます。ただし、設問で求められていないブロックは入れず、求められた部品へ字数を使います。

 

⑤書き終える前に3つの混同を点検する

提出前に答案と資料のグラフを見比べ、3つのチェック欄を確認している制服姿の高校生

最後の手順は、誤字脱字より先に論の混同を探すことです。
次の3つは、文章が自然でも中身を弱くします。

割合と実数を混同していないか

割合が上がっていても、全体の人数が減っていれば実数も増えたとは限りません。
「割合」と「人数」は、資料に書かれた単位のまま扱いましょう。

一部と全体を混同していないか

一つの年や一つの年代だけを見て、「常に」「すべて」と広げるのは危険です。
「資料が示す期間では」「この年代では」と範囲を限定します。

相関と因果を混同していないか

同時に変化した事実は書けても、原因だと確定できるとは限りません。
別資料が原因を支えているのか、それとも自分の推測なのかをもう一度分けます。

数字の写し間違いだけでなく、資料より強く言い切っていないかを確認してください。

手順5 提出前の3点検

割合と実数/一部と全体/相関と因果。この3組を混同していなければ、資料の読み違いと強すぎる断定をかなり見つけやすくなります。

 

⑥過去問は根拠まで戻って復習する

書き終えた答案から資料のグラフへ色分けした矢印を引き、根拠の場所を確かめている高校生

資料読み取り型は、解説を読んで分かった気になるより、実際に資料を言葉へ変える練習が大切です。
志望校の過去問を使い、最初は時間を測らずに5手順を丁寧に通しましょう。

書き終えたら、答案の各文の横へ「資料のどこが根拠か」を書き戻します。
根拠の場所を示せない文は、推測か一般論なのに事実のように書いている可能性があります。

大学の公式資料でも、特徴的な箇所を指摘して背景や原因を探る練習や、答案を添削後に書き直す練習が案内されています。
添削は赤字を眺めて終わりではなく、同じ資料でもう一度3欄メモと答案を作り直して完了です。

慣れてきたら、本番と同じ制限時間で解きます。
その際も、速く書くことより「設問に答えたか」「事実と推測を分けたか」「資料と主張がつながったか」を優先してください。

資料が多いと、最初は圧倒されるかもしれません。
けれど、見る順番はいつも同じです。
設問を読み、資料の基本情報と動きを確認し、3欄メモを作り、4ブロックで組み、3つの混同を点検する。
この型を過去問で繰り返せば、初めて見る資料でも「まず何をするか」が分かるようになりますよ!