

グラフを見たら数字がいっぱいで、どれも大切そうに見えます。全部書けば安心でしょうか?

全部書くと、答案が資料の実況中継になってしまいます。まずは設問が求める数字だけを選びましょう。

では、グラフの小さい数字まで読み上げるアナウンサー役は降板します!

はい、今日からは「事実・推測・主張」を仕分ける編集長になりましょう!
【今回の真実】
小論文の資料読み取り型は、数字をたくさん写す問題ではありません。設問に必要な事実を選び、推測と自分の主張を分けてからつなぐと、資料を根拠にした筋道の通る答案になります。
①小論文の資料読み取り型は設問から読む
②資料は基本情報と目立つ動きを分けて確認する
③事実・推測・主張の3欄メモを作る
④読み取りを答案へつなぐ4ブロック
⑤書き終える前に3つの混同を点検する
⑥過去問は根拠まで戻って復習する
①小論文の資料読み取り型は設問から読む

資料読み取り型では、文章・グラフ・表・統計などを正確に読み、その内容を根拠に自分の意見を筋道立てて述べます。
大学の公式対策資料でも、資料小論文で問われるものとして「読み取る力」「考える力」「伝える力」が挙げられています。
ここで大切なのは、資料を眺める前に設問を読むことです。
この記事では、解く流れを5手順に整理します。
同じグラフでも「特徴を説明しなさい」と「原因を考えなさい」と「対策を述べなさい」では、答案に必要な部品が違います。
設問の動詞に丸をつけ、次のように分けてください。
●「読み取れること」「特徴」なら、資料内の事実
●「背景」「原因」なら、事実をもとにした推測
●「あなたの考え」「対策」なら、自分の主張と根拠
最初の手順は、設問の動詞から必要な部品を決めることです。
資料を全部説明するのではなく、問いに答えるために資料を使う、と順番を入れ替えましょう。
②資料は基本情報と目立つ動きを分けて確認する

次は資料そのものを読みます。
いきなり最大値を探すのではなく、まず「何を比べている資料なのか」を確定させましょう。
最初に基本情報を確認する
●タイトル
●縦軸と横軸
●単位
●対象となる期間・地域・人
●凡例と出典
たとえば縦軸が「人数」なのか「割合」なのかで、同じ右上がりでも意味は変わります。
順位のグラフなら、数字が小さくなるほど上位になることもあります。
上がった線を見てすぐ「増えた」と書かず、軸と単位を声に出せる状態にしてください。
次に4種類の動きを探す
見る場所は、増減・比較・転換点・例外の4つです。
すべての数字をメモする必要はありません。
全体の傾向と、設問に関係する目立つ動きを一つか二つ選びます。
複数資料なら、まず各資料を一文ずつ要約しましょう。
そのあとで「同じ時期に動いた」「全体と年代別で傾向が違う」など、資料同士の接点を探します。
基本情報で読み違いを防ぐ→増減・比較・転換点・例外から、設問に必要な特徴を選ぶ。
③事実・推測・主張の3欄メモを作る

資料から特徴を見つけても、すぐ本文を書き始めるのは少し待ちましょう。
メモを「事実・推測・主張」の3欄に分けます。
たとえば、ある地域で若年層の人口が減った資料を想定します。
●事実:資料の期間中、若年層の人口が減少している
●推測:進学や就職を機に転出した可能性がある
●主張:地域内で学び、働ける選択肢を増やすべきだ
このうち、資料だけで直接確認できるのは最初の文です。
進学や就職が原因だという説明は、別の根拠が示されていなければ推測になります。
2つの数値が同じ方向へ動いていても、資料だけで「一方がもう一方の原因だ」とは断定できません。
「一因と考えられる」「関連している可能性がある」と、資料が証明できる範囲に表現を合わせることが大切です。
事実には資料番号と数値、推測には「可能性」、主張には「私は〜と考える」と印をつけます。どの文がどの役割か、書く前に見えるようにしましょう。
④読み取りを答案へつなぐ4ブロック
メモができたら、ようやく答案の設計です。
字数を機械的に四等分するのではなく、設問が求める部品に合わせて、次の順に並べます。
●読み取り:どの資料から何が分かるか
●解釈:その変化の背景や問題は何か
●主張:自分はどう考えるか
●提案:誰が何をどう変えるか

設問が「読み取れる特徴だけ」を尋ねるなら、勝手に提案まで広げません。
反対に「資料を踏まえて意見を述べよ」なら、数字の説明だけで終えると自分の意見が不足します。
一文ずつ橋をかける
書き出しは、「資料1によると、Aは〇年以降に増加している」のように、資料と事実を対応させます。
次に「この背景には〜があると考えられる」と推測へ移り、「したがって私は〜すべきだと考える」と主張へつなぎます。
資料の事実が主張の根拠になっているかを、矢印で結べる答案にしましょう。
立派な提案でも、資料とのつながりがなければ別のテーマにも使える一般論になってしまいます。
読み取り→解釈→主張→提案の順に一文メモを置きます。ただし、設問で求められていないブロックは入れず、求められた部品へ字数を使います。
⑤書き終える前に3つの混同を点検する

最後の手順は、誤字脱字より先に論の混同を探すことです。
次の3つは、文章が自然でも中身を弱くします。
割合と実数を混同していないか
割合が上がっていても、全体の人数が減っていれば実数も増えたとは限りません。
「割合」と「人数」は、資料に書かれた単位のまま扱いましょう。
一部と全体を混同していないか
一つの年や一つの年代だけを見て、「常に」「すべて」と広げるのは危険です。
「資料が示す期間では」「この年代では」と範囲を限定します。
相関と因果を混同していないか
同時に変化した事実は書けても、原因だと確定できるとは限りません。
別資料が原因を支えているのか、それとも自分の推測なのかをもう一度分けます。
数字の写し間違いだけでなく、資料より強く言い切っていないかを確認してください。
割合と実数/一部と全体/相関と因果。この3組を混同していなければ、資料の読み違いと強すぎる断定をかなり見つけやすくなります。
⑥過去問は根拠まで戻って復習する

資料読み取り型は、解説を読んで分かった気になるより、実際に資料を言葉へ変える練習が大切です。
志望校の過去問を使い、最初は時間を測らずに5手順を丁寧に通しましょう。
書き終えたら、答案の各文の横へ「資料のどこが根拠か」を書き戻します。
根拠の場所を示せない文は、推測か一般論なのに事実のように書いている可能性があります。
大学の公式資料でも、特徴的な箇所を指摘して背景や原因を探る練習や、答案を添削後に書き直す練習が案内されています。
添削は赤字を眺めて終わりではなく、同じ資料でもう一度3欄メモと答案を作り直して完了です。
慣れてきたら、本番と同じ制限時間で解きます。
その際も、速く書くことより「設問に答えたか」「事実と推測を分けたか」「資料と主張がつながったか」を優先してください。
資料が多いと、最初は圧倒されるかもしれません。
けれど、見る順番はいつも同じです。
設問を読み、資料の基本情報と動きを確認し、3欄メモを作り、4ブロックで組み、3つの混同を点検する。
この型を過去問で繰り返せば、初めて見る資料でも「まず何をするか」が分かるようになりますよ!




「何を説明するか」「何を考察するか」「自分の意見が必要か」を余白へ短く書きます。複数の指示がある場合は、答案で一つも落とさないよう番号を振りましょう。