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勉強お役立ちコラム

数学を解くのが遅いのは計算のせい?一問を3区間に分けて測る4手順

ストップウォッチを机に置いて数学の一問に取り組む高校生

ステオ
ステオ

数学、時間があれば解けるんです。でもテストは僕が最後のページを開く前に終わります。


野口先生
野口先生

テストだけ先にゴールしているね(笑)。でも「遅い」の中身が分かれば、練習する場所は絞れるよ。


ステオ
ステオ

計算を全部ダッシュすればいいですか?


野口先生
野口先生

その前に、一問のどこで時間を使っているか測ろう。急ぐ練習はそれから!

【今回の真実】

数学を解くのが遅いとき、計算だけを速くしても解決するとは限りません。一問を「読む・方針を決める・処理する」に分け、最も時間を使う区間に合った練習をすると、正確さを守りながら速度を上げられます。

 

①数学を解くのが遅いなら、まず急がず止まる場所を測ろう

方眼ノートの余白に3色の付箋を貼り、ストップウォッチと並べて止まった場所を記録している手元

「解くのが遅いから、計算問題をたくさんやろう」と考える生徒さんは多いです。
もちろん、基礎計算に時間がかかっているなら有効です。
しかし、問題文を何度も読んでいる、使う公式が決まらない、一問を見直し続けるという遅さは、計算練習だけでは直りません。

私が生徒さんの解き方を見ていると、計算している時間よりも、最初の式を書くまでの時間が長いことがあります。
本人はずっと考えているので、全部まとめて「計算が遅い」と感じてしまうんですね。
頑張りが足りないのではなく、直す場所がまだ見えていないだけというケースも多いです。

だから、最初にやることはスピード勝負ではありません。
一問を解く時間を区切り、どこで止まったかを見える形にすることが第一歩です。

これは「遅い自分」を責めるための計測ではありません。
直す場所を一つに絞り、遠回りを減らすための計測です。

また、数学の力は速さだけでは決まりません。
じっくり考えられることは長所ですし、丁寧な途中式も捨てる必要はありません。
テストという制限時間のある場面に合わせて、考える時間と進む時間を使い分けられるようにしていきましょう。

 

②一問を3区間に分けると遅い原因が見える

学校ワークや返却されたテストから、「答えを見れば分かるけれど、自力では少し時間がかかる問題」を一問選びます。
難問ではなく、今の自分なら正答を目指せる問題が向いています。

ストップウォッチを動かしたら、次の3つの時刻を余白へ書いてください。

一問で記録する3つの時刻

①問題文を読み終えた時刻
②最初の式・図・方針を書いた時刻
③答えまで出た時刻

①までが長ければ「読む」、①から②が長ければ「方針を決める」、②から③が長ければ「計算や答案にする」区間が主な改善場所です。

問題を読む・方針を決める・計算して答案にするの3区間を3つの時刻で区切った時間の流れ図

正解したかどうかも必ず一緒に記録します。
時間だけ短くなって誤答が増えたなら、速くなったのではなく、必要な確認や途中式を削りすぎた可能性があります。

文部科学省の中学校学習指導要領解説でも、見通しをもって問題を解き、その過程や結果を振り返る活動が重視されています。
計測後は「遅かった」で終わらず、どの区間で何をしていたかまで振り返るのがポイントです。

 

③遅い区間ごとに練習を変えよう

図書室で文章題の条件を図に描き直している中学生

読む区間が長い場合

問題文へ戻る回数が多い人は、数字、単位、求めるもの、条件へ短い印を付けます。
文章題や図形なら、頭の中だけで抱えず、図・表・数直線へ移しましょう。

米国教育省系の数学の問題解決に関する研究ガイドでも、問題解決の過程を自分で点検して振り返ることと、図などの視覚的な表現を使うことが推奨されています。
きれいな図を描く必要はなく、条件を一度で拾うためのメモで十分です。

方針を決める区間が長い場合

解説を読んで分かった問題を、翌日にもう一度だけ白紙から解きます。
そのとき、答えより先に「なぜこの公式・考え方を選ぶのか」を一言で説明してください。

「二点があるから傾きを出す」「相似を使いたいから平行を探す」のように、条件と最初の一手を結びます。
解法名の暗記ではなく、問題のどの条件がその解法の合図なのかを覚えることが大切です。

処理する区間が長い場合

符号、分数、展開、方程式など、止まった計算だけを教科書の例題レベルへ戻します。
同じ種類を短く続け、正答できるようになってから時間を測ります。

文字を雑に小さくする必要はありません。
式を縦にそろえる、分数線をはっきり書く、図の横に必要な長さを書くほうが、やり直しを減らせます。

 

④正確さを落とさず速くする4手順

前回と今回の答案を見比べ、正答のまま速くなったか確かめている中学生

ここからは、正確さを守りながら速くする練習を4手順で進めます。

速度を上げる4手順

①正答を狙える同じ種類の問題を3問選ぶ
②3つの時刻と正誤を記録する
③最も長い区間に合う練習をする
④翌日に似た問題で、時刻と正誤を比べる

1回目と2回目は、同じ難しさの問題で比べます。
いきなり難しい問題へ変えると、練習の効果なのか難度の差なのか分からなくなってしまいます。

記録は「全体で何分」だけでも構いませんが、最初のうちは3区間に分けたほうが改善点をつかみやすいです。
慣れてきたら、毎問ではなく単元の最初の数問だけ測れば十分でしょう。

前回より速いかだけでなく、正答のまま速くなったかを確認してください。
誤答が増えたら、途中式を一段戻す、時間設定を緩める、問題を易しくするのどれかを選びます。

タイマーは友達と順位を競う道具ではなく、昨日の自分と比べる道具です。
焦りが強くなる人は、制限時間内に終える方式ではなく、まず「普通に解くと何分か」を測るだけで大丈夫です。

 

⑤テスト本番は解ける順番で時間を守る

試験中に問題用紙を見渡し、解ける問題から手をつけている高校生

普段の練習で速くなっても、一問に粘り続ければ最後まで届きません。
テストが始まったら、最初から問題番号順に完答しようとせず、短時間で方針が立つ問題から答案を作ります。

一度読んでも最初の式が出ない問題には印を付け、次へ進みます。
戻ったときは、分かっている条件や使えそうな公式を余白へ書くと、思考を再開しやすくなります。

本番で迷ったときの順番

●すぐ方針が立つ問題を解く
●方針はあるが計算が長い問題へ戻る
●方針が立たない問題を最後に考える
●空欄、単位、符号、解答欄のずれを見直す

「全部に同じ時間を使う」のではなく、「取れる問題へ先に時間を使う」ことが得点を守る基本です。

大問ごとの目安時間は、試験の問題数や自分の得意不得意で変わります。
誰かの配分をそのまま借りるより、過去のテストで自分が各大問に使った時間を測り、次回の上限を決めるほうが現実的です。

 

⑥速くならないときは教材の難しさを見直そう

教室で先生と一緒に教科書の例題へ戻って確認している高校生

時間を測っても速くならず、最初の式も出ない問題が続くなら、速度より理解を先に直す段階かもしれません。
この状態でタイマーだけ厳しくすると、「分からないのに急ぐ」という苦しい練習になります。

教科書の例題へ戻り、解説を読んだあとに閉じて、最初から自力で再現できるか確かめましょう。
そこで止まるなら、前の単元の公式や計算へもう一段戻ります。

反対に、時間をかければ正答でき、3区間の一つだけが長いなら、今回の区間別練習が合っています。
「理解不足」と「解けるけれど遅い」を分けると、戻る勉強と速める勉強を混ぜずに済みます。

数学を速く解くとは、手を慌てて動かすことではありません。
条件を一度で拾い、使う考え方を選び、ミスを増やさない形で答案にすることです。

まずは今日、一問だけ3つの時刻を記録してみてください。
遅さの正体が見えれば、「もっと急がなきゃ」という焦りは「ここを練習しよう」という作戦に変わります。
一問ずつ、落ち着いて速くしていきましょう!

 

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