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勉強お役立ちコラム

漢文の「不」は下を先に読む!書き下し3手順とず・ざる・ずんば

学校の図書室で漢文の教科書を開き、「不」の返り読みを確かめている制服の高校生

ステコ
ステコ

漢文の「不」って、「ふ」と読むんですか? 短いのに、読む順番まで私を迷わせてきます。


野口先生
野口先生

漢字一字なのに、なかなか働き者ですよね(笑)。漢文では基本的に「ず」と読み、下の語を打ち消します。


ステコ
ステコ

では、「不」を見たらすぐ「ず」と読めば終わりですか?


野口先生
野口先生

そこが惜しい! 先に下の語を読み、不へ返って「ず」を付けます。今日は書き下し文まで迷わない形にしましょう。

【今回の真実】

漢文の「不」は、下にある動作・状態を打ち消す字で、基本は「ず」と読みます。先に打ち消される語を読み、不へ返って「ず」を付け、書き下し文ではひらがなにするのが基本です。

 

①漢文の「不」は「ず」と読む

黒板の前で、制服の高校生が指をさしながら先生に漢文の読み方を確かめている教室の様子

最初に答えをハッキリさせましょう!

漢文の「不」は、基本的に「ず」と読み、「~しない」「~ではない」と打ち消す字です。

たとえば「不知」は、「不」を音読みして「ふち」とは読みません。

下の「知」を先に読み、「知らず」と書き下します。

まず覚える形

不知
書き下し:知らず
現代語訳:知らない

ここで大事なのは、「不=ず」という一対一の暗記だけで終わらせないことです。

「不」は、すぐ下に続く動作や状態を打ち消します。

そのため、不を見つけたら、次に「何を打ち消しているのか」を探すところまでを一組にしてください。

「ず」と言えたのに書き下し文が作れない場合は、読みを忘れたのではなく、打ち消される語を見つけられていないことが多いんですね。

 

②「不」は下の語から返って読む

机の上の2枚のカードを赤鉛筆の矢印で結び、下の語から上へ返って読む順番を書き込んでいる手元

漢文は、上から一字ずつ日本語へ置き換えればよい文章ではありません。

中国語の語順を、日本語として自然な順番に組み替えて読む必要があります。

「不」も、下にある語を先に読んでから戻る返り読みをします。

手順は次の3つです。

「不」を読む3手順

①「不」を見つける
②すぐ下で打ち消される語を読む
③「不」へ返り、その語に「ず」を付ける

「不読書」なら、まず「不の下にある動作は何か」と見ます。

動作は「読」で、目的語は「書」です。

そこで「書を読む」と骨組みを作り、不へ返って「書を読まず」とします。

つまり、不から先に声を出すのではなく、打ち消される動作を読んでから不へ返るのがポイントです。

指導をしていると、返り点だけを目で追いかけて、何を否定しているのか見失う生徒さんがいます。

そんなときは「不に丸、打ち消される語に線」を付け、二つを結ぶだけでグッと読みやすくなりますよ!

返り点は「読む順番」の案内役

訓点付きの漢文では、「不」のそばにある返り点が下から戻る順番を示してくれます。

ただし、返り点が教えてくれるのは主に読む順番です。

「何を打ち消しているのか」「文全体でどんな意味になるのか」までは、自分で確かめなければなりません。

そこで、返り点をたどった後に「誰が・何を・どうしないのか」と短い日本語で言い直してみましょう。

「不読書」なら「本を・読まない」と言えれば、読む順番と意味がつながっています。

返り点を正しく追えたのに訳が不自然なら、主語や目的語を取り違えていないか、もう一度文の骨組みを見直してください。

 

③書き下し文では「不」をひらがなにする

教科書を横に置き、ノートへ書き下し文を一行ずつ書き写している制服の高校生

「読み方は合っていたのに、書き下し文で減点された」という人は、表記を確認しましょう。

書き下し文では、助詞・助動詞に当たる漢字をひらがなに直すのが基本です。

「不」は打消しの助動詞「ず」として読むため、書き下し文には漢字の「不」を残さず、「ず」とひらがなで書きます。

たとえば「百聞不如一見」は、「百聞は一見に如かず」です。

「百聞は一見に如か不」とは書きませんし、「百聞は一見に不如」と原文の並びを残すのでもありません。

訓読文と書き下し文の違い

訓読文では、原文の「不」に返り点や送り仮名を付けて読み方を示します。
書き下し文では、日本語の語順へ並べ直し、「不」をひらがなの「ず」にします。

テストでは「読みなさい」と「書き下しなさい」が別の指示です。

何を求められているかを見て、書き下しなら語順とひらがな表記の両方を確認してください。

 

④「ず・ざる・ずんば」は何が違う?

1つの墨の点から赤・青・緑の3本のしおりが枝分かれしている和紙の上の物撮り

問題集を見ると、「不」がいつも「ず」になるとは限りません。

「ざる」や「ずんば」と書かれていて、別の意味なのかと不安になりますよね。

でも、中心にある打消しの意味は同じです。

後ろに続く言葉や文中での働きに合わせて、打消しの助動詞「ず」の形が変わっています。

「ず」の形の使い分け

●文を「~しない」で結ぶなら「ず」
●後ろの名詞を「~しない○○」と説明するなら「ざる」
●「~しなければ」と条件を表すなら「ずんば」

たとえば「不知者」は「知らざる者」です。

「者」という名詞を説明するため、「ず」ではなく連体形の「ざる」になります。

また「不学不知」は「学ばずんば知らず」と書き下し、「学ばなければ分からない」という条件を表します。

「不」に複数の意味があるのではなく、「ず」が文に合わせて形を変えると考えると整理しやすいでしょう。

最初から活用表を全部覚えようとせず、「後ろが名詞なら、ざるかもしれない」のように前後を見る習慣を付けてください。

 

⑤否定する範囲は語順で見分ける

校舎前の分かれ道で、左右の方向標識を見比べて立ち止まっている制服の高校生

「不」を「ず」と読めても、意味を取り違えることがあります。

代表的なのが、「必」と組み合わさった形です。

「不必A」は「必ずしもAせず」で、Aするとは限らないという部分否定です。

一方の「必不A」は「必ずAせず」で、きっとAしないという全部否定になります。

位置で変わる否定の範囲

不+必+A:必ずしもAするとは限らない
必+不+A:必ずAしない

二つの文に使われている漢字は同じでも、「不」と「必」の順番が逆です。

その結果、「全部とは限らない」と「全部しない」ほど意味に差が出ます。

ですから、不だけを切り取らず、前後の副詞まで含めて否定の範囲を決める必要があります。

ただし、今回の最優先は一字の基本です。

まず「下の語を読んで、不へ返ってず」を安定させ、その後に部分否定や二重否定へ進めば大丈夫ですよ!

 

⑥3つの例文で仕上げよう

図書室の机で、解き終えた3枚のカードを前に笑顔で確認している制服の高校生

最後に、形の違う3問で確認しましょう。

例文1:基本の打消し

白文:不読書
書き下し:書を読まず
現代語訳:本を読まない

先に「書を読む」を作ってから、不へ返って「ず」を付けます。

例文2:後ろの名詞を説明

白文:不善者
書き下し:善からざる者
現代語訳:善くない者

「者」を説明する形なので、「ず」が連体形の「ざる」になっています。

例文3:条件を表す

白文:不学不知
書き下し:学ばずんば知らず
現代語訳:学ばなければ知らない

一つ目の不は条件の「ずんば」、二つ目は文を結ぶ「ず」です。

同じ字でも、文の中での役割を見れば形を決められます。

3問ともできたら、教科書で「不」を三つ探し、①打ち消される語、②書き下し、③現代語訳をセットで確認してみましょう。

完成の目安は、「不=ず」と答えることではなく、何を打ち消すかを示して書き下せることです。

もし止まったら、「読み方」「返る順番」「ずの形」のどこで迷ったかを分けてください。

読み方で止まったなら、「不=ず」を短い例文と一緒に音読します。

返る順番で止まったなら、不と打ち消される語を線で結び、先に読むほうへ番号を書きます。

「ず・ざる・ずんば」で止まったなら、不の直後だけでなく、その後ろに名詞があるか、条件の文になっているかまで確認します。

答えを丸ごと覚え直すより、止まった一か所だけを直したほうが、次の初見文でも使える知識になります。

翌日は同じ問題を眺めるだけでなく、教科書の別の一文で「不」を探してみてください。

違う文でも自力で書き下せたら、本当に身に付いたと判断できます。

苦手の正体が一つに絞れれば、漢文はずっと直しやすい科目になりますよ!

 

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