

先生、漢文の「パンダをやる」って、動物園で返り点を探す授業ですか?

ずいぶん平和な授業ですね(笑)。学校でいうパンダは、たいてい『必携 新明説漢文』という教材のことです。

持っています!でも、パンダを眺めるだけで安心していました……。

教材はお守りではありませんからね。見つける、読む、訳す、別の文で使うところまで進めましょう!
【今回の真実】
漢文のパンダとは、尚文出版『必携 新明説漢文』の通称です。読むだけで終わらず、句法の目印を見つけ、書き下しと訳を再現し、初見の文で使えるところまで進めると学校教材が得点源に変わります。
①漢文のパンダは『必携 新明説漢文』
②現行改訂版の中身と旧版の見分け方
③得点につなげる4ステップの使い方
④QR動画と追加問題は「見るだけ」で終えない
⑤準拠ノートは目的に合わせて選ぶ
⑥個人購入の注意と使い切った判断基準
①漢文のパンダは『必携 新明説漢文』

まず、いちばん知りたい答えからいきましょう。
高校で「漢文のパンダ」「パンダの漢文」と呼ばれている教材は、尚文出版の『必携 新明説漢文』です。
学校の先生が「パンダの否定形を復習して」「パンダの句形を覚えて」と言うときは、たいていこの本を指しています。
いきなり動物の名前で呼ばれたら分からなくて当然なので、まずは正式名が分かれば大丈夫です。
検索結果には『漢文パンダ 1』というLINEスタンプも出てきますが、学校の副教材を探しているなら別物です。
また、桐原書店の『基礎から解釈へ 漢文必携』とも違います。
似た名前の本を混同しないために、表紙だけでなく出版社名の「尚文出版」を確認してください。
現行版では、誌面のQRコードから見られる動画にオリジナルキャラクターの「パンダ孔明」も登場します。
かわいい愛称の本ですが、中身は句法だけの薄い暗記帳ではありません。
訓読のきまり、句法、漢文用字、漢詩、中国文学史や古典常識まで調べられる、漢文学習の資料集です。
②現行改訂版の中身と旧版の見分け方

手元のパンダがどの版なのか分からない人もいますよね。
現行の改訂版は全学年向けのA5判272ページで、ISBNは978-4-7805-1316-5です。
旧版の新装二版は256ページ、ISBNは978-4-7805-1315-8で、出版社の案内では在庫限りとなっています。
学校から配られた旧版をすぐ買い替える必要がある、と一律には言えません。
手元の本が旧版でも、まずは授業で先生が指定した版とページを優先しましょう。
転校や紛失で用意し直すときに版を確認すれば大丈夫です。
現行版の中心となるのは、基礎編、句法編、用字編です。
句法編には120の句形、用字編には重要漢字115字と複合語25語が収録されています。
句法の用例は、漢文、書き下し文、現代語訳を対応させて確認できる形です。
つまり「この句法の意味は何だっけ」と引くだけでなく、返り方と訳し方を一緒に確かめられます。
ただし、収録数が多いからといって、最初から272ページを順番に全部覚える必要はありません。
学校の範囲表、授業プリント、教科書の本文で出てきた項目から引くのが現実的です。
③得点につなげる4ステップの使い方

パンダを持っているのに漢文が読めない、という相談では、本を読んだことはあっても問題の中で句法を見つけられないケースがよくあります。
でも大丈夫です。
これは漢文の才能がないのではなく、勉強がインプットで止まっているだけです。
学ぶ順番を「見つける→読める→訳せる→使える」の4段階に分けます。

ステップ1 句法の目印を見つける
最初に、授業で扱った例文のどの字が句法の目印なのか指で示します。
否定形なら「不」「未」「莫」など、疑問・反語なら文末の語まで見ます。
句法名だけを覚えるのではなく、本文中で発見できる形にしておきましょう。
ステップ2 書き下し文を声に出す
次に、返り点と送り仮名を確認しながら書き下し文を音読します。
ここで詰まるなら、句法の暗記より先にレ点や一二点へ戻ったほうが早いです。
ステップ3 本を閉じて訳を言う
解説を読んだ直後は、分かった気になりやすいものです。
本を閉じ、目印、読み、現代語訳の三つを自分で言えるか試してください。
言えなかった部分だけ開き直せばよいので、毎回最初からやり直す必要はありません。
ステップ4 教科書の別の文で使う
最後に、教科書や学校ワークから同じ句法を探して訳します。
例文を覚えたかではなく、初めて見る文でも根拠を示して訳せるかが完成の基準です。
●句法の目印を囲む
●書き下し文を音読する
●本を閉じて意味を言う
●別の文で同じ句法を探す
④QR動画と追加問題は「見るだけ」で終えない

現行版は、紙の資料集だけで終わらないところも便利です。
誌面のQRコードからは、パンダ孔明が登場する解説動画や無料の追加練習問題を利用できます。
ただし、動画を一度見ただけで句法を使えるようになるわけではありません。
おすすめは、動画を見る前に「何が分からないか」を一つ決めておくことです。
たとえば「未と不の訳し分けが分からない」と決めてから見れば、注目する説明がはっきりします。
見終わったら本を閉じ、内容を20秒ほどで説明してみましょう。
説明できなければ、もう一度すべてを見るのではなく、分からなかった箇所だけ見直します。
追加問題も同じです。
丸付けをして終了ではなく、間違いを「目印を見落とした」「読みを忘れた」「訳を取り違えた」に分けます。
間違いの種類が分かれば、戻るページを迷わず決められます。
⑤準拠ノートは目的に合わせて選ぶ

本体は調べて理解する役割が中心なので、演習量が足りないと感じる人には準拠ノートがあります。
『必携 新明説漢文ノート 改訂版』は、基礎・句法・用字の解説と練習に加え、長文演習を14回収録しています。
一冊の中で整理から長文まで進めたい人には、こちらが合います。
一方、『基本練習ノート 改訂版』は、1回1ページ・全31回の短文演習です。
返り点や書き下し文、頻度の高い句形と用字を短く反復したい人向けです。
両方を無理にそろえる必要はありません。
学校から指定されたものがあればそれを優先し、指定がなければ今のつまずきで選びましょう。
●句法を短文で反復したい:基本練習ノート
●解説を整理し、長文演習まで進みたい:新明説漢文ノート
●学校ワークが十分にある:まず本体と学校ワークを往復
教材を増やすほど成績が上がるわけではありません。
同じ句法を資料集と問題の間で往復できることのほうが大切です。
⑥個人購入の注意と使い切った判断基準

パンダを新しく買いたい人には、先に知っておいてほしい注意があります。
尚文出版の教材は学校採用品のため、出版社は個人からの注文や書店・オンラインでの直接販売を受け付けていません。
紛失や破損、転入先で必要になった場合は、まず学校の先生に相談するのが公式の案内です。
インターネット上の中古品は版や付属の解答書が違う可能性もあるため、学校で使う目的なら自己判断で急いで買わないほうが安全です。
すでに手元にある人は、周回数より次の四つで使い切ったかを判断してください。
●本文中の句法の目印を指せる
●返り点に従って書き下せる
●現代語訳を根拠と一緒に言える
●初見の短文でも同じ句法を見つけられる
四つのうち一つでも止まるなら、教材を最初からやり直すのではなく、その段階だけ戻れば十分です。
漢文は、全部を一気に暗記しようとすると重く見えます。
しかし学校で今扱っている句法を一つずつ「見つける→読む→訳す→使う」と進めれば大丈夫です。
今日の授業で出てきた一項目から始めて、パンダを眺める資料集から問題を解くための道具に変えていきましょう!




正式名:『必携 新明説漢文 改訂版』
出版社:尚文出版
ISBN:978-4-7805-1316-5