

1ヵ月で1000語なら、1日目に1000語を眺めて、残り29日は達成感を味わえばいいですか?

それは勉強というより、本との顔合わせだね(笑)。この本の主役は「一度で完璧」ではなく、短期間で何度も会うことなんだ。

200語ずつ進めて、また最初に戻るんですね。最初から全部書けなくても大丈夫?

大丈夫。まず英単語を見て意味が出る状態を作り、あとから教科書やワークで「読める・書ける」へ育てよう!
【今回の真実】
この本は、1000語を一度で完璧に暗記する本ではなく、200語ずつを短期間に6周して「見れば意味が出る語」を増やす本です。基礎の総点検には使いやすい一方、つづり・発音・例文まで身につけるには学校教材との併用が必要です。
①結論|基礎英単語の総点検に使いやすい本
②1ヵ月で1000語を覚える6周法の仕組み
③この本が向く人・向かない人
④挫折しにくい1日の進め方
⑤「意味が分かる」で終わらせない仕上げ方
⑥続かないときの立て直し方
①結論|基礎英単語の総点検に使いやすい本

『中学校3年間の英単語が1ヵ月で1000語覚えられる本』は、英語が苦手な中学生や、中学英語を短期間で復習したい高校生・大人に使いやすい一冊です。
特によいのは、単語帳を最初から一語ずつ完璧にしようとして、前半で止まってしまう人に「まず一周する」という進み方を渡してくれる点です。
結論から言えば、基礎単語を短期間で総点検する目的なら使える本です。
ただし、タイトルの「覚えられる」を「1000語すべてを正しく発音し、日本語から英語を書き、文の中でも自由に使える」と受け取ると期待が大きすぎます。
本書の最初の目標は、英単語を見たときに中心的な意味が素早く出てくる状態を作ることです。
ここを理解して使えば、文法問題や長文で「単語が分からないせいで先へ進めない」という場面を減らせます。
反対に、学校の定期テストでつづりを書く必要がある人や、リスニングまで伸ばしたい人は、この本だけで完結させないことが大切です。
単語の意味を入れる一冊目として使い、その後に教科書本文と学校ワークへつなぐのが現実的です。
②1ヵ月で1000語を覚える6周法の仕組み

かんき出版の公式情報によると、本書は関正生先生の著書で、136ページ、1000語を200語ずつ五つのZONEに分けています。(出版社の書籍情報)
各ZONEには確認テストがあり、単語を見て終わりにせず、覚えたかを確かめられる作りです。
基本の流れは、1日200語ずつ五日で1000語に触れ、その五日間を一セットとして一ヵ月に六セット繰り返す方法です。
この方法のポイントは、一周目から200語を完璧にすることではありません。
知っている語はすぐ通過し、知らない語に印をつけながら、まず最後まで進みます。
「一周で暗記」ではなく、「忘れる前提で六周する」のが本書の設計です。
英単語を見て意味を思い出す練習にも意味があります。
日本人英語学習者を対象にした研究でも、答えをただ見続けるだけでなく、自分で思い出す練習が、英単語と日本語訳の結びつきを強める可能性が示されています。(研究論文)
ですから、ページを眺めるだけでなく、赤シートなどで意味を隠して「何だったかな」と一度考える時間を入れましょう。
覚え直す前に一度思い出そうとすることが、ただの読み直しとの差になります。
③この本が向く人・向かない人

この本が特に向くのは、次のような人です。
●中学英語の基本単語に抜けがある中学生
●高校入試前に、知っている語と知らない語を一気に仕分けたい中学三年生
●高校英語へ進んだものの、中学単語で止まってしまう高校生
●中学英語から学び直したい大人
●一冊を少しずつ進めると、前半で止まりやすい人
一方、英単語をほとんど読めず、音と文字の結びつきも分からない人が、いきなり毎日200語を一人で回すのは大変です。
その場合は、最初のZONEだけを先生や保護者と一緒に読み、音声を聞きながら始めたほうがよいでしょう。
「200語を全部覚える力」より、「分からない語が残っていても翌日へ進む力」が必要な教材です。
また、英作文やスペリングテストで点を取りたい人は、この一冊だけで仕上げようとしなくて大丈夫です。
まず意味が出る土台を作る本だと考えてください。
一つの訳語を素早く覚えやすい反面、語の使い分け、派生語、文の中での形まですべてを一冊で深く学ぶ構成ではありません。
すでに中学基本語をほぼ知っていて、難関高校入試の長文語彙を増やしたい人は、入試問題や別の語彙教材へ進むほうが目的に合います。
買う前に最初の200語を見て、知らない語がある程度あるかを確かめると、レベル違いを防げます。
④挫折しにくい1日の進め方

1日200語と聞くと、ノートへ何回も書く姿を想像してしまいますよね。
それを毎日やれば、単語より先に手が疲れてしまいます(笑)。
最初の周では、次の順番で十分です。
手順1 英単語を見て意味を言う
意味がすぐ出たら通過、出なければ答えを見て印をつけます。
迷ったのに正解扱いにせず、「三秒ほどで出なければ印」と自分の基準を決めると仕分けやすくなります。
手順2 発音を一度確認する
読めない文字列は記憶に残りにくいため、音声を使える環境なら、英単語を目で追いながら声に出します。
この段階で発音を完璧にする必要はありませんが、自己流の読みだけで六周しないようにしましょう。
手順3 印の語だけもう一度テストする
200語を最後まで見たら、印をつけた語だけ意味を隠して確認します。
全部を書き写すより、分からない語に時間を寄せられます。
一日のゴールは「200語を完璧にした」ではなく、「200語を仕分けて、弱い語を再テストした」です。
まとまった時間が取りにくければ、朝・帰宅後・寝る前などに分けても構いません。
ただし、毎回最初からやり直して先へ進めない形にはしないでください。
五日で最後まで到達する流れを守り、六周の中で印が減る様子を見ます。
進んだページ数ではなく、「意味がすぐ出なかった語の数」を記録すると成長が見えます。
⑤「意味が分かる」で終わらせない仕上げ方
ここは、この本を使ううえで見落としやすいところです。
文部科学省の中学校学習指導要領解説では、小学校で学んだ語に加え、中学校で1600~1800語程度の新語を扱うとされています。(文部科学省資料)
しかも、英単語には、読んだり聞いたりして意味が分かる「受容語彙」と、話したり書いたりするときに使える「発信語彙」があります。
つまり、本書の1000語を終えたことと、中学校で扱うすべての語を使いこなせることは同じではありません。
1000語は英語学習の土台であって、教科書・入試に必要な語彙学習のゴールではありません。
六周した後は、学校の教科書やワークで次の三つを確認しましょう。
●英単語を見て、文に合う意味が分かるか
●音声を聞いて、その単語だと気づけるか
●日本語や文脈から、必要なつづりを書けるか

定期テストが近いなら、学校の範囲表にある単語を優先します。
本書に載っていてもテスト範囲外の語を何度も書く一方、教科書の新出語を落としていたら、勉強の順番が逆です。
本書で意味を入れ、学校教材で音・つづり・使い方を仕上げる、この二段構えが堅実です。
⑥続かないときの立て直し方

三日目あたりで印だらけになっても、「自分には無理だ」と決めなくて大丈夫です。
むしろ、最初から印が少ないなら、もっと上のレベルの教材へ進んでもよいくらいです。
最初の周で印が多いのは、できなさの証明ではなく、これから覚える場所が見えたということです。
まずは一日の量を勝手に20語へ減らすより、200語を「知っている・あやしい・知らない」の三つに仕分けるところまで進めましょう。
どうしても時間が足りなければ、書く作業を増やすのではなく、知っている語を速く通過できているかを見直します。
それでも毎日終わらない場合は、六周を一ヵ月に押し込むことより、学習を止めないことを優先して構いません。
期限を守るために答えを眺めるだけになるなら、期間を延ばしても「隠して思い出す」を残すほうが価値があります。
保護者の方は、「今日は何語覚えた?」より「昨日より印はいくつ減った?」と聞いてみてください。
できなかった数を責める会話ではなく、周回による変化を一緒に見る会話になります。
この本の強みは、1000という大きな数字を、200語と六周という行動へ分けていることです。
タイトルの勢いだけに期待せず、目的を「一回で完全暗記」から「短期間に何度も思い出す」へ置き換えれば、英単語の基礎を立て直す一冊として活用できますよ!
まず五日間で一周し、印の数がどう変わるかを確かめるところから始めてみましょう。




●1日目:単語1~200
●2日目:単語201~400
●3日目:単語401~600
●4日目:単語601~800
●5日目:単語801~1000
●6日目:再び単語1~200から二周目へ