偏差値10上げる方法は?あと何点必要かを逆算する5ステップ

模試の答案を一緒に見ながら、取り戻せる失点を確認する高校生と保護者
ステコ
先生、偏差値を10上げたいので、今日から難しい問題集を3冊始めます!
野口先生
待って待って。初日に教材だけ偏差値70になっています(笑)。まずは今の模試で、どの失点なら取り戻せるかを見よう。
ステコ
勉強時間を増やす前に、答案を見るんですか?
野口先生
そう。偏差値10アップは「何時間やるか」だけでは決まらないからね。必要な得点と失点の原因をつなげると、やることが具体的になるよ。
ステコ
問題集を積み上げる会は中止して、答案を広げる会にします!

【今回の真実】

偏差値を10上げる方法は、勉強時間を一律に決めることではありません。同じ模試の成績表から必要得点を逆算し、基礎の穴、解法不足、時間不足など、回収できる失点へ順番に手を打つことが近道です。

 

①偏差値10アップは可能?まず知りたい現実

同じ模試を同じ条件で受けている高校生たちの教室

結論から言えば、偏差値を10上げることは可能です。
ただし、誰でも同じ期間、同じ勉強時間で達成できるわけではありません。

偏差値は、同じ試験を受けた集団の中での位置を表す数字です。
得点だけでなく、平均点、得点のばらつき、受験者層によっても変わります。

そのため、A模試の偏差値45と、受験者層が異なるB模試の偏差値55を並べて「10上がった」と判断するのは危険です。
伸びを確かめるときは、同じ主催者、同じ科目数、なるべく近い条件の模試で比べましょう。

もう一つ大切なのが、現在地です。
基礎問題の取りこぼしが多い人は、習っている内容を解ける状態に戻すだけでも得点をまとめて回収できます。
一方、基礎問題をほぼ落とさない人は、応用問題、記述、処理速度まで高める必要があります。

「偏差値40から50」と「偏差値60から70」では、同じ10でも必要な対策は同じではないんですね。
まずは「何か月で上がるか」より、「どの問題を正解に変えるか」を考えるのがスタートです。

 

②偏差値10に必要な点数を逆算しよう

返ってきた模試の答案を電卓と付箋で仕分けし、必要な点数を逆算している生徒の手元

偏差値は、次の式で求められます。

偏差値の計算式
偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

この式から、同じ試験で平均点と標準偏差が変わらないと仮定すれば、偏差値10の差は標準偏差一つ分の得点差に当たります。
たとえば成績表に標準偏差15とあれば、平均との差を今より15点広げることが、偏差値10アップの計算上の目安です。

ただし、次回の模試では平均点も標準偏差も変わります。
「偏差値10には必ず20点必要」のような全国共通の固定点はありません。

成績表に標準偏差が見当たらない場合は、志望校判定表や得点別の偏差値表を確認しましょう。
それでもわからなければ、先生や模試会社へ「偏差値を10上げるには、今回の試験ならあと何点が目安ですか」と聞けば大丈夫です。

必要点が見えたら、答案から回収候補を探します。

●知っていれば解けた知識問題
●途中まではできた基本問題
●計算ミスや読み違いで落とした問題
●時間切れで手を付けられなかった問題

この合計が目標点に届くなら、偏差値10アップへの道筋はかなり具体的です。
届かない場合は、次の単元習得や応用力の強化まで含め、少し長めの計画を組みましょう。

 

③偏差値10上げる方法を5ステップで実行

ここからは、実際の進め方を5ステップにします。

模試・教科・失点分類・週の課題・再テストという5ステップの流れを表した図解

ステップ1 基準にする模試を一つ決める

まず、追いかける数字を一本にそろえます。
高校受験なら地域で受験者の多い会場模試、大学受験なら継続して受ける同じ模試など、自分の志望校判定に使いやすいものを選びましょう。

総合偏差値なのか、1教科の偏差値なのかも決めます。
ここが曖昧だと、必要な勉強量も科目配分も決まりません。

ステップ2 必要得点を教科へ分ける

総合であと30点必要なら、全教科に6点ずつ配る必要はありません。
基礎の抜けが多く、短期間で回収しやすい教科へ厚く配ります。

得意教科をさらに伸ばす案と、苦手教科の基本点を回収する案を比べ、答案上で実現しやすいほうを選びましょう。

ステップ3 失点を4種類に分ける

間違いを「知識不足」「解法不足」「時間不足」「ミス」に分けます。
一問ごとに原因を一つ書くと、次にする勉強が見えてきます。

知識不足なら覚え直し、解法不足なら例題から類題、時間不足なら時間を測った大問演習、ミスなら途中式や見直し手順の固定です。

ステップ4 週の課題を絞る

教材を増やしすぎず、「英単語の指定範囲」「数学の一次関数の基本」「国語の説明文2題」のように、1週間で終わる単位へ落とします。
計画は勉強時間だけでなく、どの教材のどこを、どの状態までできるようにするかで決めます。

ステップ5 何も見ずに再テストする

解説を読んで納得しただけでは、まだ本番で使えるとは限りません。
翌日と数日後に、答えを隠してもう一度解きます。

週末には時間を測り、正解できるかまで確認しましょう。
正解になった問題の点数を足せば、目標までの残りが見えます。

 

④点数に変わる勉強と変わりにくい勉強

カードの答えを見ずに思い出しながら、タイマーを使って解き直している中学生

1000人以上を指導してきて感じるのは、伸びる生徒さんほど「勉強した量」ではなく「できるようになった問題」を確認していることです。

反対に、時間はかけているのに伸び悩むときは、教科書を眺める、きれいなまとめノートを作る、解説を読んで終えるという勉強に偏りがちです。
これらは理解の入口にはなりますが、答案へ正解を書く練習が足りません。

学習内容を見ずに思い出す練習は「検索練習」と呼ばれ、学校や教室で行われた研究をまとめたレビューでも、幅広い条件で学習を助ける結果が報告されています。
難しい言葉に見えますが、やることは小テストや解き直しです。

「読む→閉じて答える→採点する→日を空けて再び解く」までを一組にしましょう。

1週間の回し方
月〜木:基礎の理解と短い問題演習
金:答えを見ずに確認テスト
土:間違えた問題だけ解き直し
日:時間を測って類題に挑戦し、翌週の課題を決める

短期間で焦っているときほど、難問へ飛びつくより、正答率が高いのに落とした問題から直してください。
入試や模試は、解けなかった一番難しい問題ではなく、正解に変えた問題の合計で点数が決まります。
一度に全部変えようとしなくて大丈夫です。
まず一つの単元で「次は取れる」を作ると、次の勉強にも前向きに進みやすくなりますよ。

 

⑤伸びないときの確認と今日の一歩

思うように伸びなかった模試の答案を、保護者と一緒に落ち着いて見直している中学生

勉強したのに次の模試で偏差値が上がらなくても、すぐに全部失敗と決めなくて大丈夫です。

まずは素点、教科別得点、正答率別の正解数を見ましょう。
得点が上がっていても、受験者全体も伸びれば偏差値が動かないことがあります。
違う模試を受けたなら、受験者層の違いで数字が変わった可能性もあります。

次に、計画した範囲と実際の出題範囲が合っていたかを確認します。
勉強した単元は取れたのに、未対策の単元で落としたなら、方法が悪いのではなく範囲を広げる段階です。

一方、同じ基本問題を何度も落としているなら、教材を増やす前にやり直し方を変えます。
途中式を残す、翌日に解き直す、先生へ説明するなど、思い出して使う回数を増やしましょう。

今日やることは、直近の模試を1枚出し、取り戻せそうな失点を10点分だけ選ぶことです。
偏差値10という大きな目標も、最初の10点を具体的な問題へ置き換えれば、手が届く作戦に変わります。

自分だけでは失点の原因や教材の優先順位がわからない場合は、学校や塾の先生に答案を見せて相談してください。
オンライン家庭教師ステラでも、一人ひとりの答案と生活時間に合わせて、無理なく続く学習計画を一緒に考えています。